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VTUBERの収益源スパチャ、メンバーシップ等から色々な事を考えてみる記事。

VTUBERも仕事やビジネスである以上、収益の安定性や継続性は重要なファクターだと思います。そこで僕なりに分析していきたいと思います。


■スパチャ
スパチャも様々な視点で見る事ができそうです。メンバーシップとの違いは必ず定期的に入ってくるストック型ではなくイニシャルやショットという点です。ストックビジネスの対になる形でフロービジネスとも言われています。

・1配信あたり平均スパチャ数
月に15回配信して、合計スパチャの数が1000件だっとすると1配信あたりの平均スパチャ数は66件となります。

・平均単価
平均単価はスパチャの合計額÷数で出すことができます。
例えば1か月で1000件のスパチャがあって、合計額が100万円だったとすると1件当たりのスパチャの平均単価は@1000円になります。

・1配信あたり収益
上記の例で月に15回配信をしてたとします。
そうすると100万円÷15回=666,666円で1配信あたりの収益は約6.6万円になります。勿論記念配信などは普段の数倍の額になりますが今回の記事では考慮しません。


月間平均配信数が15回だとすると月間で約100万円のスパチャ売上で、年間で見ると約1200万円という感じです。

■メンバーシップ
メンバーシップは限定コンテンツを毎月定額のお金を支払う事で楽しめるというもので、これはビジネスで言うところのストックモデルの収益になります。

メンバーシップ単価 × 加入人数 =売上

これはシンプルです。
単価@500円 × 10,000人 = 500万円/月

年間では6000万円の売上となります。


■重要性が高いのはどちらか(個人的意見)
メンバーシップのストックだと思います。

というのはVTUBER、ホロライブの配信者というのは想像を遥かに超える大変さとストレスを抱える活動だと思うので、いつなんどき安定した配信が行えなくなるかわからないからです。

そこまで詳しくは知らないのですがネットのホロライブまとめ記事などを見てみると、結構長い間配信がない人や、体調不良で休止する人、或いはトラブルや炎上などで休止する人、など安定して長期間配信を続けられている人の方が少ない事すらあるかもしれません。
スパチャは配信とセットですが、メンバーシップは例え何もしなかったとしても加入人数分×単価の収益は保証されています。


弱点としては活動開始初期はどうしても加入人数が少ないので、収益そのものが少ないというのが弱点です。なのでホロライブ6期生のような新しいメンバーの場合はまずスパチャで収益を稼ぎつつ、メンバーシップを確実に蓄積していく事が重要でしょう。

そして活動自体の不安定さもあるので、どこかのタイミングでスパチャよりもメンバーシップの登録増加に方向転換を行うのが良いような気がします。

■メンバーシップ特典の充実
YOUTUBEメンバーシップの内容は非加入でも、どういった限定動画が何本投稿されているのかというのが確認できます。

https://seesaawiki.jp/hololivetv/d/%A5%E1%A5%F3%A5%D0%A1%BC%A5%B7%A5%C3%A5%D7%B0%EC%CD%F7

「ホロライブメンバーシップ一覧」
ここからメンバー限定動画一覧に飛べます。特典内容もざっくりわかります。

例えばさくらみこさんだとこんな感じです。

加入者はその内容や更新頻度を見たりして、加入しようかなどうしようかなと判断して加入するのが多いのかなと思います。

通常配信を行いながら、メンバーシップの配信も定期的にやるとなると負担は増えますが、ストックが貯まっていくメリットの方が大きいのかなと客観的には思ったりします。
月に1本、理想は月に2本くらいでしょうか。そのくらいあれば通常配信から新規を獲得していく妨げにはならないかなと。

・新規獲得と解約離脱防止
ストック収益の場合、新規プラス分と解約マイナス分でプラスに転じていないと意味がありません。そういう意味では通常配信はビジネスでいうと新規営業で、メン限配信は解約離脱防止や顧客満足度向上というCS的要素があります。

■体制の安定性強化
そう考えれば考えるほど、日々の配信活動のスケジュールと、案件を受ける数とバランスはしっかりとしていないと安定感が出ません。

スケジュールを仮で考えてみます。

月:定休日
火:夜配信(第三火曜は定休日)
水:夜配信
木:定休日
金:夜配信
土:午前中配信、夜配信
日:午後配信(長め)

祝祭日:その時の状況によって決める

ざっくりですが。
配信準備やメン限コンテンツの事なども考えるともう1日定休日を作っても良いかもしれません。火曜日の第一、第三を定休日にする等。

僕はみこちとスバちゃんのばかり見ているので他の方のスケジュールはよく把握していませんが、配信者はある意味自由業で、会社員とは違って自身のスケジュールを自身で決めていく感じだと思うので逆にコントロールがしにくい部分というのはあると思います。
ですが、スケジュールが安定している方がリスナー的にも見やすいですし、この曜日のこの時間はこれを見る、という習慣化になるので安定して視聴数も稼げて安定するのではないかんと思ったりします。

例えば大空スバルさんは土曜の午前中10時には定期的におはスバという配信を組んでいます。

非公式ファンサイトでスバちゃんのスケジュールを確認する事ができます。
スプレッドシートで作成されているのでこちらの方が見やすいでしょうか。

下のシートで1月2月3月が確認できます。1月は年末年始があり、3月は療養期間があるので2月が一番わかりやすいでしょう。

2月1週目(1/31月曜は定休日)
2月2週目

こうして見るとスバちゃんのスケジュールは結構規則的ですね。配信でも言っていましたがルーチン化するように意識している様です。
個人的意見ですが、定休日が基本週一なのでもう1日追加して、メン限用のコンテンツや配信を増やすというのもメンバーシップ増加を狙うならありのような気もします。ただ、生活リズムは他のホロメンよりも恐らく安定してそうなので安定感は高いのではないでしょうか。

・体制の強化
ある程度安定して収益が入るようになった際に、サポートメンバーを採用するというのもチャンネル登録者数の多いYOUTUBERの様にありかもしれません。VTUBERの場合、YOUTUBERよりもプライベートの秘匿性は高く保たなければいけないのでどの部分をお願いするのかというのは難しい部分ですが。
例えば特定の絵師さんに依頼して定期的(例えば月に3回とか)にイラストや、DLして印刷可能なカレンダーを作成したり、自身の配信を動画編集者に依頼して自身で切り抜きや、ライブのダイジェストや、PVを作成して貰う等、オンラインで完結するものも結構色々ありそうです。

・投資
登録者も増えて、収益が安定した際に出来る一番の強みはお金を使える事です。投資をする事でより大きな収益や安定性を得て、そのお金で更に自身のチャンネルの安定化を図れるのは大きな強みになります。
これは通常の会社経営でも同じで、得た収益を次のステップの為にどう使うかで会社の将来が決まります。逆に投資をしない方が不安定になる事の方が多かったりします。

例えば少し前にみこちはASMR用のKU100を購入しました。
これは投資で、配信業で使用する経費として処理すれば出費としてはそんなに大きな痛手にはなりません。
KU100によりASMRコンテンツをメン限などで拡充していって充実してくる事によって、それに惹かれた新規メンバーシップ会員を獲得できます。仮にその事で3か月で200人のメンバーシップ会員を獲得できたとすると500円×200人で1か月で見れば10万円ですが、年間では120万円。まずこの3か月で200人、1年間で単純計算で800人です。加えてこのコンテンツが加わる事で既存のメンバーシップ会員の満足度も高くなり、解約率も下がる事が考えられます。また、従来みこちファンではなかったASMRファンを獲得できれば新規の開拓の幅が広がります。

こういう部分で白銀ノエルさんは非常に投資の上手い方という印象があります。団長は恐らくこういったビジネス的な部分での立ち回りとバランス感覚が優れていて、1年後最も安定したストック収益を得ているのではないかなと思います。

上記メンバーシップ動画リストを見ていただくとわかりますが、3期生である団長の方がみこちよりもコンテンツ数が多いです。僕は団長のメンバーシップには入っていないので内容はわからないのですが、加入している団員さんの満足度はとても高いのではないかなと予想します。不思議なもので満足度が高いと他の人におすすめしたり、SNSなどで「メン限のASMR凄く良かった!」と呟いたり、コメントで発信したりと、自然と宣伝者になってくれてプロモーションをかけてくれるようにまわりはじめます。
第三者の口コミというのはあらゆるプロモーションの中でも最も効果の高いプロモーションのひとつです。食べログで点数の高いお店が儲かるのも同じ仕組みです。

もうひとつ、ホロライブのコストの仕組みはわかりませんが、ライブ等で最低限の準備は運営がしてくれる様子ですがそれ以上「あれをやりたい」「これをやりたい」とする場合は、ホロメンがお金を出す必要があるのかなというのを幾つかの配信で得られる発言から予想する事ができます。
一昨日、みこちの生誕祭ライブがありました(めっちゃ良かったです!特に惑星ループは最高でした!)。

今日の雑談配信で、ライブにめっちゃお金を使ってしまったという発言がありました。多分上記の様なそういう事なのかなと思いました。
ですがこのクオリティのライブ配信を行った事によって得られた新規ファンやメンバーシップ会員、ここで得られたアイドルとしてのブランド、TWITTERトレンド世界一という称号など、恐らくですが投資した額以上のメリットを得られたのではないかなと思います。カバー社にとっても大きな成果を出してくれるというのはより強く会社としてもプッシュしていきたいと思わせてくれて大切に扱ってくれるという効果もあるでしょう。
元々のファンもみこちがこれだけのものを提供してくれたという満足感もありますし、「うちの推しはこんなに凄いんだぞ」という満足感も得られます。


■囲い込み

・LINE公式アカウントとLINEスタンプ
ほぼ全てのファンが既にDL完了しているLINEはファンの囲い込みに非常に有効なのではないかなと思ったりします。
スタンプはその売上に期待するというよりは、LINE公式アカウントの登録を誘導する為に使うのが1番良いでしょう。プラスファンの満足度向上という面では強いかなと思います。
公式アカウントは色々な使い方ができると思いますが、下記が主な感じになるのかなと思います。

1:スケジュールの告知
2:登録ファンへのメッセージ配信による満足度向上
3:お知らせ関連
4:グッズやイベントなどのリマインド
5:配信者とファンの接触頻度の向上

スケジュールの告知はTWITTERでも出来ますが、TWITTERは人によってはタイムラインに流れて見逃す人も居る中でLINEでのプッシュ通知なら見逃しも少なくなると思うので違う役割を担えそうです。また、急な配信を行う際などにはかなり役立つと思います。

メッセージ配信は俳優の佐藤健さんが行われているもので、これで登録者400万人を超えています。

お知らせは単純に便利です。
グッズのリマインドなどは例えば誕生日グッズの販売期限が近づいた時に配信内で言うよりも確実にファンの元に伝えたい事を届けられるでしょう。

接触頻度の向上は最も効果的です。
例えば現在大空スバルさんは体調の関係で2週間配信をお休みしています。その期間にファンは大空スバルさんとに触れる回数が減少します。LINEというのは基本的に不要な人間関係で登録をする事はありません。プライベート性の非常に高いコミュニケーションツールです。
TWITTERは一方通行且つ公の要素が強いですが、LINEは仮にやりとりできないとしても1対多数ではなく、1対1の印象を抱きやすいです。もし今スバ友が1日1回LINEでスバちゃんから何かしらのメッセージが来れば、それは配信とは違う形で大空スバルに触れる機会を得られる形になります。


■接触頻度の重要性
上記で接触頻度について触れました。
これは収益の安定性という部分で、安定した配信回数と強烈に繋がりがあります。

・接触頻度が下がるとどうなるか?
ザイオンス効果という心理学用語があります。

接触頻度が高いほど人はその対象に好意を抱きやすくなるというものです。
配信でも同じで、よく見ているものには無意識のうちに好意を抱きやすくなります(良い印象を与えているというのが大前提です)。逆に接触頻度が減ると好意は薄れていくとも言われています。

そういう意味では配信回数が減ってしまうといずれ以前の様な好意は向けられなくなる可能性が高いという事です。

例えばこれは毎日長時間配信をすれば良いというものではなく、1か月に1回5時間(300分)会うのと、1日10分でも月に20回(200分)会うのでは後者の方がザイオンス効果を得やすいというものです。
重要なのは接触回数という事です。
配信時間は長くなかったとしても毎週毎週きちんと配信を行っている方がリスナーからの好意は得やすいんじゃないかと思います。

・マイナスのザイオンス効果
もうひとつ上記の記事にも書いてありますが、ストレスのかかる接触は回数が多いと嫌悪感に繋がります。例えばLINEも1日1、2回来るのであればそれは好意に繋がっていきますが、長文の返信が大変なメッセージが1日5回も6回も来ると「もう煩わしいなブロックしようかな」となってしまいます。
VTUBERで置き換えると例えば、休養期間中に自身の配信は無いけれどもコラボにはちょこちょこ出てくる等はファンからすると「??」となるでしょう。
或いは、具体的な名前を出すと批判する様で恐縮なのですが批判ではなく記事の事例として。博衣こよりさんは配信頻度も配信時間も非常に長い事でよくまとめ記事などでネタになっています。一部の時間のある方を除いて、多くの社会人や学生などは毎日長時間配信を行われると、その全てを追いかけるのは物理的に不可能になります。これはきちんと全てを見切れないというストレスに変わっていく可能性が高いと感じます。長期化すればするほどその傾向は顕著になるかなと。まだ一昨日の配信を全て見切れていないのに翌日にまた長時間のアーカイブがあがっている、その翌日にまた同じことが起きている、そのうち「この人の配信に自分はついていけない」と感じて離れていく人が出てくるかもしれません。
勿論、極端に配信が少ないよりも良いとは思います。
また、博衣こよりさんの場合戦略的に現在の様なスタイルを行っているのかもしれません。突出した何かで話題になるというのはプラスの要素が大きいです。「なんか博衣こよりの配信凄いらしいぜ」とネットで見た人が見に来て、気に入れば登録してくれたりする可能性がぐっと増えます。
健康だけが心配ではありますが。サラリーマンで言えば9時‐18時の稼働時間に対して7時‐22時を毎日やって土日も休日出勤しているようなものなので。

適切なバランスでストレスのかからない接触頻度を維持する事が安定したファンの増加に繋がるのかなと考えます。


■終わりに

一応補足で、スパチャを軽視している様に思われる部分あるかもしれませんが、スパチャはスパチャで重要な収益だと思います。フロービジネスは僕たちの生活の中でも一番なじみ深いもので、普段コンビニで定期的に何か購入したり、お気に入りの飲食店で月に何度か食事したり、そういうものは全てフロービジネスです。
これも定期的に買ってくれる為のコスパや満足感を提供できれば安定購入に繋がりますので。ただ、スパチャはその性質上、使ったお金に対して得られるものが非常に限定的で漠然としていて、例えば500円出せば必ず牛丼が得られて美味しさや満腹感が得られるという具体的なものがありません。なのでメンバーシップの様にお金を出した人がわかりやすい対価を得らるものの方が重要で、経済的な安定性があるから重要度が今回のケースでは多いと思った次第です。

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