(10)毎年恒例行事

5〜7月は梅の実の季節だそうです。
梅が実り、梅酒や梅干しを作るご家庭も多いのではないでしょうか?
(7)でお話させていただいた『ゴミの行末』で、「焼却炉の温度が下がる為、食品や飲料は中身と外身を1つずつ分けてる」というお話をさせていただきました。それを踏まえてこちらをご覧下さいませ…。前日の現場から大量の梅干しと梅酒が出てきました。

大量の梅酒と梅干し
梅干し、梅酒、梅ジャムなど…

こちらの写真は、全て1軒のお宅から出てきた物です。床下収納や、倉庫などのあらゆる収納からこれらが出てきたそうです。こちらの物件には、ご自宅の横に大きな立派な梅の木が生えており毎年立派な梅の実が成る為それを収穫し、加工してらしたそうです。で、散々作ったのに一切消費せず、また次の年、梅の季節が来ると梅酒と梅干しを漬け…を毎年繰り返し、こんなに溜まってしまった様です。
こちらの物件の片付けには参加しなかったのですが、大量の加工梅の処分の任務にこの度ワタクシが任命されてしまいました。

昭和48年製造

見てゾッとしたのですが…この令和5年の現代にS48年の文字!半世紀前の梅酒です。

昭和60年代に漬けられた物

こう見るとやはり毎年浸けて一切手を付けてない様です。ラップや新聞紙での封がされた状態で剥がされた跡がありません。作られてずーっと開けられる事なく今日という日を迎えてしまいました。梅の立場になれば、半世紀も漬けられて誰の口にも入る事なく、縁もゆかりもない場所に集められ、何処の馬の骨かわからん女(←私)に封を切られ、捨てられるのです。たまったもんではありません。
それでは開けてみましょう。

こちらが50年以上浸かった梅干しです。梅以外の部分の液体がゼラチン化しており、傾けたくらいでは流れてくれずしっかり逆さにして持ち上げ上下にブンブン振り下ろしそれでも落ちて来ないので、手を突っ込み掻き出します。触感は最悪です…。ちなみに寸胴の場合素材はステンレスや鉄などが多いのですが、梅酒を漬けてる容器は瓶が多く、ガラスがかなり劣化してしまってる事があるので、開ける際、かなり苦労します。梅酒の場合は特に糖分で蓋と瓶がしっかり密着されている為、自分でも今まで聞いた事ない様な声を張り上げながら真っ向勝負し無理くりこじ開けた結果、瓶の口の部分が蓋にくっついたまま割れて私がケガをする…という事が度々ありました。皆様、プラスチックは勿論の事、瓶も劣化するのです。血まみれになりながら中身を出し、

出された中身

梅酒はシンクに流し、梅や梅干しなどの固形物は、可燃ゴミに分けられます。毎年梅を漬ける労力も大変だったでしょうが、それを一気に片付けるこっちの身にもなって欲しいものです。それより何よりシンプルに勿体無い!せっかく漬けるのに何故消費しない⁉︎梅を漬けるのが毎年の恒例行事になってるなら、梅酒を消費するのも毎年の恒例行事にしていただきたい!梅酒は漬けてから半年くらいが美味しいくなるそうなので、年末親戚が集まった時に飲み切って欲しい!ちなみに、2〜3年で飲み切るのがベストだそうです。寝かせりゃいいってもんじゃないですから。寝かせていいのはワインと赤子です。梅酒は50年も漬けて寝かしとく物ではありません。梅酒に年をまたがさないでいただきたい。ボジョレー的なノリで、『去年の梅酒が美味かった』だの『2015年は最高傑作だった』だの言いながら味わいましょう。あと、『ワインと赤子』の件、困惑させてしまいなんだかすみませんでした…。

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