インクルーシブには程遠い現実
小島奈緒美です。
学校は夏休みといえども、私たちは研修や夏休み以降の行事の準備などで
なんだかんだ毎日忙しくしています。
先日、勤務校(支援学校)のグループで秋に行う校外学習の下見に行きました。
行先は駅構内。
・トイレ
・発作対応時の緊急場所の有無
・エレベーター(設置場所や大きさ)
・歩道の幅(車いすが通れるか)
などを見て回りました。
そこでとても衝撃だったことは障がい者用トイレ。
障がい者用トイレ、多目的トイレという呼び方がされている場所が駅構内と併設図書館に全部で5か所あったのですが、使用できそうなトイレは1か所のみでした。
そのトイレの場所を示す案内板には全て車いすのマーク(国際シンボルマーク)
が表示されていましたが、トイレの中を確認すると、
・手すり付きの洋式トイレ
・赤ちゃんのおむつ替え台
・洗面台
があるだけでした。
ひどい場所になると、多目的トイレはなく、トイレの入り口がスロープになっている場所にシンボルマークが使用されていました。
私たちが必要としていたのは大人でも寝ることのできる大きさの簡易ベッドでした。
なぜなら、重複障害の生徒の中には便座で自力排せつができない子もいるため、トイレ介助が必要だからです。
赤ちゃんではありませんので、赤ちゃん用のベッド(台)では寝転がることができないのです。
国際シンボルマークの意味は
「障がいをもつ人々が利用できる建築物や施設である」ことを示し、
対象は「すべての障がいを持つ人々」です。
このマークがとても安易に使用されているように思いました。
この駅は数年前に建て替わったばかりで新しいにもかかわらず、現状はこのような状態でした。
今のご時世、授乳室や赤ちゃん用トイレは充実してきていますが、障がい者用のトイレはまだまだです。
障がいのある方にはそれぞれに特性があり、さまざまな配慮が必要です。
共生社会、インクルーシブ、合理的配慮などということばを耳にすることが増えてきましたが、トイレが整っていない場所には、出かけることはできません。
外環境が整っていないが故に、障がい者をもつ家族の方々の外出の機会を奪ってしまっているのでは?
と感じずにはいられませんでした。
上の立場の方々が、もっと障がいについて知識や理解を深めていけば、
当事者のための必要な配慮が見えてくるのではないかと思うのです。
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