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世界遺産検定マイスターの学習方法&2023年7月(第52回)試験の解答および解答のポイント

以前より学習していた世界遺産検定ですが、2023年7月(第52回)試験にて最上位であるマイスター試験に合格しました!

1~4級の試験はマークシート方式でしたが、マイスター試験はすべて論述式。僕もマークシート方式以外の試験を受けるのはかなり久しぶりだったので、対策に苦労しました・・・

今回は僕が行った対策方法と実際の解答、および問3の解答ポイントについて説明します。

★世界遺産については僕のサイト「こじんたび」でも紹介しています。


1.出題される問題(概要)

出題されるのは大きく分けて3問あります。

問1:
世界遺産に関する3つの語句について、それぞれ簡潔に説明
問2:
指定された4つの語句を用いて、世界遺産条約を400文字以内で説明
問3:
世界遺産に関する時事問題について、1200文字以内で論じる

2.問1~3の学習方法

問1の学習方法

世界遺産に関する語句を約100個ピックアップ、それぞれ40~50文字で概要をまとめました。

問1の学習用まとめ

問2の学習方法

まず過去7年分ぐらいの過去問題を公式サイトより入手し53指定語句をピックアップしました。
そして必ず書く基本部分の文章と、指定語句を含めた文章をそれぞれ作成。本番の試験では基本部分+問題で指定された語句を含む文章を組み合わせて解答できるようにしました。

問2の学習用まとめ

問3の学習方法

問3は対策がしずらいですが、ほとんど「世界遺産についてのトピックスを紹介」⇒「そのトピックスがもたらす問題を提起」⇒「関連する遺産や受験者の考えを問う」という形式です。

どんなトピックスが選ばれても対応できるように下記のことをまとめました。

・世界遺産の問題点
・その問題に関連する遺産
・その問題についてどのような解決策があるか

こんな感じです。

問3の学習法まとめ

信頼性以外にも下記の問題点についてもまとめています。

・代表性
・真正性
・予算不足
・オーバーツーリズム
・世界遺産が増えすぎている
・危機遺産リストへの登録拒否
・緊急的登録推薦
・都市開発と世界遺産保護
・世界遺産と領土問題

3.2023年7月(第52回)試験の問題と解答、注意ポイント

実際に2023年7月に出題された問1~3について、僕の解答と解答するときの注意ポイントを紹介します。 ※回答は後日思い出しながら再現しました

問1の問題および解答、注意ポイント

■問題
次の語句を簡潔に説明しなさい。
① ビューロー会議
② 登録基準
③ 奈良文書

■僕の解答
① 世界遺産委員会が設置する会議であり、委員会の進行や作業日程の決定を行う。委員国の内7ヵ国で構成される
② 作業指針の中で定められている顕著な普遍的価値の10個の評価基準。遺産は1個以上を満たす必要がある
③ 真正性は「自然条件と文化、歴史的背景などとの関係で判断されるべき」との見解を示した国際宣言のこと

■注意ポイント
・問題文には明記されていませんが、試験後に公開される講評を読むと40~50文字で解答する必要があります(40文字以下は減点)。

問2の問題および解答、注意ポイント

■問題
世界遺産条約について、次の語句を全て使って400字以内で説明しなさい。
なお、回答中の次の語句の使用箇所には下線を引きなさい。
 「国際的援助」
 「従来とは異なる新たな破壊の脅威」
 「教育事業計画」
 「ユネスコ」

■僕の解答
 顕著な普遍的価値を有する文化遺産と自然遺産の保護を目的として、1972年にユネスコ総会で採択された国際条約である。文化遺産と自然遺産を1つの条約で保護するとともに世界遺産の保護、保全の第一義的な義務・責任は締約国にあることが明記されている。条約は8章38条からなり、文化遺産と自然遺産の定義、世界遺産リストと危機遺産リストの作成、世界遺産委員会や世界遺産基金の設立などが定められている。     
 遺跡や自然が観光客による破壊など、従来とは異なる新たな破壊の脅威に対し、国際的な保護体制を整えるために採択された。教育事業計画には教育・広報活動などを用いて、自国民が世界遺産を評価・尊重できるように努め、国際的援助を受けた際には、対象の遺産の重要性や国際的援助の役割を周知させることが求められる。

■注意ポイント
・指定文字数(400文字)以内におさめる
・8割以上(320文字以上)書かないと減点されます
・句読点や改行など、文章としての体裁を整える
・語句の使用箇所には下線を引く(複数個所で使用している場合は全て)
・語句を羅列するだけでは得点につながりません

問3の問題および解答、注意ポイント

■問題
『古都奈良の文化財』の平城宮跡を横切る近鉄奈良線の遺跡外への移設が2021年に鉄道事業者と奈良県、奈良市の間で合意された。
しかし2023年4月、奈良県に新知事が就任し、当該事業の予算執行が停止となった(2023年5月時点)。鉄道移設は遺産の景観保護と、踏切改良による近隣の渋滞解消が目的であったが、総事業費として約2,000億円が見込まれる大規模事業であった。
この鉄道移設事業についてどのように考えるか鉄道移設に対する賛否を示したうえで、その根拠や具体的な事例、比較となる世界遺産の例を挙げながら、1,200字以内で論じなさい。

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2,499字

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