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キミと出逢うまで ④
結局私、嵐千砂都は図書委員になった。
入学して一ヶ月あまり。
毎日、あまり人の来ない図書室で、本を読んで過ごしていた。
結ヶ丘女子高等学校普通科一年、図書委員の嵐千砂都。
まっさらなストレートヘアに丸い伊達眼鏡。
陰で「図書室の座敷童子」って言われているの、なんとなく気づいている。
でもいいんだ。
この場所は、やっぱり好きだから。
それに。
放課後に静かな図書室にいると聴こえてくる、スクール
キミと出逢うまで ③
「下校時間になったら、すみやかに帰宅してください」
下校時刻の過ぎた数分後。
図書室に入る西日が陰る中、その声が響く。
ハキハキと聞き取りやすい、自分とは真反対な話し方だと思った。
「あ……ご、ごめんなさい」
いそいそと帰り支度を始めながら、「あなたも、生徒じゃ……?」という私の怪訝な表情に気付いたのか、待ちながら音楽科の生徒は話す。
「私ももう帰るところです。最後に学内の見回りをしてい
キミと出逢うまで ②
帰り道。
どきどきが止まらなかった。
あれがスクールアイドル、なんだと思う。
街中で突然歌い出す女子高生は、私の知る限りスクールアイドルしかいない。
ホームルームで印象的だったクラスメイトの女の子。
多分中国の留学生さんに勧誘されて、スクールアイドルを始めたんだと思う。
「とべるさよっしゃ……とべるさよっしゃ……」
言葉を覚えたばかりのように、繰り返しながら、小走りで帰った。
凄かった。
キミと出逢うまで ①
「ぁ、嵐千砂都、です。よろしくお願いします」
今日は私立結ヶ丘女子高等学校の入学式。
この春から私、嵐千砂都はこの学校の「普通科」へ入学した。
入学式後のホームルームでの自己紹介。
クラス中からのそれだけ? という視線をよそに、いそいそと席に腰を落とす。
「あらし」という苗字のせいか、出席番号1番になってしまったのは新設校故の生徒数の少なさからか。相田とか青山とかいないの〜……
愛想もなく