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RUINERをずっとやっていたこと

2週間ほどずっとRUINERをプレイしていた。2017年ルーマニアのREIKONGAMES発のサイバーパンク暴力2Dツインスティック暴力シューティングゲーム。シューティングっていうと強制的に進むエリアの中をひこうきとかうちゅうせんとかでピュンピュンやる太古のイメージを自分はいまだに根強く持っているがRUINERはちがう。主人公のフルフェイスマスクの男を左スティックで動かして右スティックで殴るか撃つ方向をきめる。強制スクロールとかはない。自由だ。出てくる敵をひたすら鉄パイプで殴り銃で撃ちぬいていく…この超超短期的目標の達成のきもちいいことよ…。

思えば自分はいろんなゲームのスケジュールに踊らされていた。期間限定イベントや小銭程度のゲーム内課金通貨を無料で手に入れるため、せっせとログインし、一人で作業的に目標をこなし、当初楽しみだったイベントも途中からなかば義務的に参加する。fallout76で音痴なプロテクトロンの歌声にいらだちと破壊衝動を覚えたとき、自分が疲弊し摩耗していることにようやく気が付いた…。

ゲームの楽しさを忘れて擦り切れてしまった心を癒すためになにかほかのゲムをしよう。そうだ、RUINERは2017年当時難しくてイージーモードしかクリアできてなかった。主人公のサンタクロースの衣装(キミはいたずらっ子)などのクリスマスモードとか2018年の大幅無料アップデートがあったのは知ってる。自分はもう一度鉄パイプを握りしめ、レンゴクシティに降り立った。

RUINERはきほんてきに死にゲである。だから以前とおなじく壮絶な死としんどさを覚悟してノーマルモードを選んだ。だがそれは杞憂だった。上記アプデのおかげで射撃補正がオンオフできるようになりサブマシンガンとかでも狙えばかなりあたる(個人の体感です)。アプデ前だと銃で倒せなくて必然的に近接武器縛りプレイになってた。アプデで追加された特殊キルモーションのルイナーキルも気持ちいい。敵の頭をブチ抜く、蹴り飛ばす…。3体連続キルするたびにコンボをほめてくれる演出。アドレナリンがどばどば出た。難しいことは抜きに次々出てくる敵を倒す。たのしい!きもちいい!自分はこの単純な快感に飢えていたのだ!3,4歳のころにワニワニパニックのワニに夢中で布ハンマーを振り下ろしていたあのときの興奮と快感…。RUINERはこれを思い出させてくれた。気づけば涙が頬を伝っていた。

もちろんRUINERは無慈悲なサイバーパンク世界なのでアプデがあったといっても生ぬるくはない。油断していると一瞬で肉片に変えられてしまう。ハードモードだととくにだ。物陰から自爆ボーイが突っ込んできたり、キャプテンボグダンから至近距離でグレネードランチャーをブチこまれたり、ヘビーサイボーグに急旋回からばっさり切り裂かれたりする。死んだところで直前のチェックポイントから即座にやり直せるのでアイテムの消費やボスのところまでもう一度移動する手間はない。失敗の経験を即座に活かせる。

RUINERにストーリーがあってないようなものと評している文を見かけたが自分はそうはおもわない。魅力がプレイングの爽快感に重点を置かれてるのは確かだが、平沢進の「トビラ島」が流れるレンゴクサウスの街でまめにNPCと会話したり次々更新されていく用語集を読むと伏線が多数あって興味深い。そして用語集はボス敵のバックグラウンドや武器の製造過程についても書かれてあってなかなか力が入っている。これはゲームのテキストマニアとしてはポイントが相当高い。実はエンディングの演出はイージーのものとノーマル・ハードのもので分かれているので2種類とも味わってほしい。そしてフルフェイスの彼はどこへバイクを走らせるのか、ぜひとも思いを馳せてほしい。

そしてそれが終わったらスピードランモードや血しぶきと弾丸の入り乱れるアリーナモードに挑戦してみよう。あんな野蛮なボーナスステージは初めて見た。

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