【土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)】


七十二候第四候
二十四節気 『雨水(うすい)』
暦便覧には、「陽気地上に発し、雪水とけて雨水となればなり」
地上にもいよいよ陽気が発生し、雪や水はとけて、雨や水になります。

土が湿り気を含みだす時期。「脉」は「脈」の俗字です。
土が脈打って大地がゆるみ、潤い始める頃だということです。
まだまだ気温は低く、乾燥していてお肌がうるおうのには
まだまだ先ですが、一歩づつ春の、土の息吹が感じられるようになってきました♪
「雪間草」
雪がとけて消えたところから萌え出た草。特定の草花の名前ではありません。 
積もった雪が消えかかって、地膚が見えているところが、「雪間」。
その「雪間」から、顔を出している草のことを、『雪間草』と いいます。
普通、草の芽が、地面から萌え出ることをあらわす言葉に、
「下萌え」があります。
「下萌え」を見つけた時でさえ、感動を覚えるものなのに……。
冷たい雪の間から、芽を出した草には、格別のいとおしさを感じますね。
やはり、昔から、和歌や俳句に詠まれてきました。 
 ~したきゆる 雪間の草の めづらしく わが思ふ人に
       逢ひ見てしがな~  (和泉式部『千載和歌集』) 
やわらかな芽や、うすい花びらのどこに、こんな力が宿っているのでしょう。
あたたかい春は、もう少し先かもしれませんが……。
こんな小さな感動をたくさん連れながら、少しずつ近づいてくるのでしょうね。

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