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オンライン講座でローレン・グロフの短篇"The Midnight Zone"を読みました

 2024年3月20日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「英語で楽しむアメリカ文学」で、ローレン・グロフの短篇"The Midnight Zone"を読みました。グロフは好きな作家で、Noteの「本がひらく」での連載でも扱ったことがあります。この短篇も彼女ならではの魅力が詰まったとても良い作品でした。
 休暇で夫婦と男の子2人の家族がフロリダの森のコテージにやってきます。ですが仕事の必要で夫は車に乗って出て行ってしまいます。夫には一緒に来るかと誘われたのですが、妻は残ることを選びました。しかし人里離れた場所で、スマートフォンの電波もろくに入らず、車もなく、移動もできません。しかも周囲の森にはどうやら猛獣が徘徊しているようです。
 あるとき、椅子に乗って電球をかえていた妻は転げ落ち、頭を強打してしまいます。もはや動くこともできません。息子たちは母親の世話を甲斐甲斐しくします。やがて母の意識は遠ざかり、幽体離脱して森を彷徨い始めます。
 現在社会で女性として子供を持って生きていくことの意味や、現実と幻想が融合して展開する作りなど、グロフの作品はやはり読んでいて楽しいですね。僕としては、彼女の自然描写が大好きです。
 受講生の方々も、この作品を自分のこととして、すごく身近に感じながら論じてくれて、とても楽しい会になりました。4月17日からは新シリーズの講座が始まります。これも楽しみです。


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