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私たちWebライターの仕事は。

このコラム、あるいは記事で述べることは『私たちWebライターの仕事は』というタイトルに繋がる多くのことについてです。言葉をつむぎ、ひとつの記事として作り上げていくWebライターは、近年副業として取り上げられ、多くの人の目に留まる機会が増えました。

IT技術の進化によってリテラシーが低くとも、メディア立ち上げが可能なこと、スマートフォン一つでどこでも発信できることなど、数えればきりがありません。そのようなITの潮流に沿って、私たちWebライターという存在は増殖し、拡大してきました。

振り返れば定型文から始まり、いかがでしたか?と締めくくる文章が流行り、嫌悪を抱く人もいたことでしょう。いまだに締めの文章が変わらないライターを見るたびに、私たちは増えすぎたことで、そのレベル差がはっきりとしてきたと実感します。

さて、そろそろ本題に入りましょう。『私たちWebライターの仕事は。』これは『君の名は。』から着想を得たタイトルです。つまり私が1年間の間に得てきた経験に基づく真実と変わりゆくWebライターの技量や責務について記述したものです。もちろん賛否はあることでしょう。しかし多くのライターが増え、メディアが増えていくいまだからこそ、その職責を理解していただきたいのです。

どのような技量を問われるのか。

Webライターの技量は様々です。ある人はスピードを、ある人は誤脱なく、ある人は読みやすく、と言ったように一つではありません。これらすべては正解です。ですが、その本質を見落としていはいないでしょうか?

伝える情報が正しいこと。

まず、前提としてすべての情報が正しいことを挙げます。大げさな誇張をしないこともこの枠に入るでしょう。この前提がなければ、私たちの存在は無意味です。これは読者の信頼によって私たちの記事が読まれ、選ばれていることによります。

信頼されないことはWebライター以前の話です。あなたはお金を返してこない友人に、お金をまた貸すでしょうか?最初は貸すかもしれません。しかし限度はあるでしょう。もちろんいつまでも貸すというのならお借りしたいものです。

社会は信頼、信用で成り立っています。ローン、クレジット、債権……etc.です。多くの信用と信頼の上で、私たちは生活をしており、仕事を得ていることを決して忘れてはいけません。

そんなWebライターが、嘘の情報を書き続ければ、信頼、信用は地に落ちます。だからこそ、ファクトチェックをするサブディレクターなど、上流の存在がそれをチェックしているのです。そこにあぐらをかいていませんか?

社会的に誠実であること。

私たちWebライターの職務をどう捉えていますか?単に文字を書いて、楽にお金がもらえる仕事でしょうか。どこかのブログの200文字をコピーして、文字を置き換え入れ替え、繰り返し、それで結果を出した人もいるでしょう。

その文章がそのまま世に出回っているなら、そのメディアは遅かれ早かれ、消える可能性を秘めています。コピーした文章を入れ換えて、しまいにはコピーしたまま貼り付ける。書いた側は『忙しかった』『文章は違っているからいい』『誰も困りはしないさ』そんなつもりかも知れません。

それは誰が書いた文章なのでしょうか?もしコピーして入れ替える、置き換えるだけで記事を生産し、納品しているのであれば、それは他人の文章です。しかるに、金銭をもらう価値のないWebライターでしょう。オマージュでもリスペクトでも何でもなく、それはコピーです。

引用とコピーは違います。その文面を使うのであれば尊敬の念を持って引用するべきです。そうでなく、単に文章が書けないからという身勝手な理由でコピーを行っているのであれば、努力して改善するべきでしょう。それができないのであれば、Webライターとしての職務は難しかったと諦めることをおすすめします。

運営している企業を意識していること。

記事を書くことで報酬をもらっている以上、Webライターは結果を出すことを考えなければなりません。練習のつもりで書いた記事であっても、運営会社は結果を求めているのです。3000文字の記事に対して、コストを払って良いものを得ようとしている。

ブランド製品が高価でも買うのはなぜですか?それは十分な信頼と価値があると評価されているからです。企業はWebライターにいくらのコストを払っているのか理解していますか?フリーであっても、企業に属していても、結果は出さなくてはなりません。結果に繋がらないのであれば、企業はコストを払うことをやめて撤退するでしょう。

結果的に長期的な契約を失います。もしかしたら、良い記事であれば長期的な見込みが得られたかも知れません。辞めると言った時に引き留められるような人材として重宝され、単価アップにつながったかも知れません。

単価が上がらない、仕事が続かない。これはクライアントに原因があるのでしょうか?原因と結果、因果の関係を見直すことで、ひとまわり違うWebライター像が見えるでしょう。

どのような記事を求められているのか。

記事を書く前段階である構成には、ペルソナが設定されていることを知っていますか?メディア単位、カテゴリ単位、記事単体となっており段々と細かくなりますが、対照的にペルソナの具体性は大きくなります。求められている内容を正しく把握しなければ、無駄な文章として消えることになるでしょう。

ペルソナに沿った具体性である。

これは一例ですが、『ペルソナは中学生、現代社会のニュースを難しすぎず、かつ分かりやすく理解したいと思っている。』このような存在を仮定します。このような記事に求められる詳しさはどの程度でしょうか?

  • 論文レベルの専門用語と具体性

  • 中学生でもわかる語彙による説明

  • 社会人が読む経済新聞のレベル

ペルソナに沿っているのは真ん中であるといえるでしょう。社会人が読むレベルを期待している中学生がいるかも知れない?そう言った場合は、メディアが対象としているペルソナを考えることをおすすめします。つまり読者層です。読者層に合わない記事を書いても、メディアとしては異色の存在であり、期待はずれになってしまいます。

なによりチェッカーやサブディレクターといった記事を修正する担当に、しわ寄せが行くことになるのです。Webライターという存在は、すでに書けば良いだけの存在から変質し始めています。多くのメディアが、読者の獲得を目指して陣取りゲームをしているのです。その責任の一端を担っていることを、自覚するべきでしょう。

読みやすい、わかりやすい、納得する。

お世辞にも私の記事がわかりやすいとは言いませんが、出来るだけ理解されるよう努めたいとは思っています。今後Webライターとして復帰することがあれば、その時は校正やチェッカー、ディレクションを担当したいと考えるほどには、気をつけているつもりです。

さて、記事の読み方は人によって違えど、テンポを整えることは容易です。気をつけるべき以下でしょう。

  • 主語と述語の関係

  • 適度な読点

  • 修飾を減らし、端的な文章にする

特に多いのは、主語と述語の関係がおかしくなることです。あるいは長文になることで、伝えたいことが不明瞭になるでしょう。不自然な文章は可読性を下げます。

読みづらい、頭に入ってこないことで、読者はブラウザバックし、別の記事を探すでしょう。私たちの記事は、出来るだけブラウザバックされることを避けなければなりません。信頼の先に選ばれた記事として、次は読んでもらうことが重要なのです。

どんな人間性で臨むべきなのか。

私たちWebライターの人間性は、どのような形が好ましいのでしょうか?人間性などというと、難しく聞こえますが、性格といえばわかりやすいといえます。心技体の心であり、まさに芯となる部分でしょう。

誰のための言葉なのかを考えられる

Webライターの仕事は言葉で伝えることです。ペルソナに合わせて、キーワードをもとにわかりやすい構成を作り、そこに言葉の肉をつけていく。構成はそのための骨組みです。そのため構成が良ければ、文章がきわ立ち、結果的に記事が生きた記事に変わります。

そして、誰のために書いているのかを理解しているWebライターの手によって、さらなるブラッシュアップが行われるでしょう。そのために校正担当者やリーダーがいて、チェックが行われるのです。しかし、後ろ盾があり、最終チェックがあるから、大丈夫。そういった心の甘えが、期日を守らないことや半端な記事の作成に繋がるといえます。

しかし、これは旧来のWebライターのあり方といえます。今後Webライター自身が、構成を作り、誰のための文章なのか理解して取り組むこととなるでしょう。チェックを行う時には、ほぼ完了していて、問題がないこと。これが今後選ばれ、残っていくWebライター像となっていくでしょう。そして、生き残る戦略として、そうあるべきなのです。

望んだものを望んだ通りに

押し付けがましい文章や論文のように深く調べられた文章は、読者が求めているとは限りません。かのアルベルト・アインシュタインが残した言葉に『常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクション』という言葉があります。

その人が身につけた常識が大衆に通用する常識であるとは限りません。つまりWebライターはより多くの人の感情を理解し、洞察し、適切な言葉を選ぶ必要があるでしょう。ペルソナに適合した人の心を揺さぶる、刺さる、そして読みたくさせる。

望んだものを望む通りに提供すること、それには自分の常識が正しいかと疑うことです。Webライターに求められるのは、対象のペルソナを持つ人の感情を正確にトレースすることといえるでしょう。そのために、何を望んでいるのか常に疑う感情を忘れないことを大切にしましょう。

大衆の感情をすくいあげる

感情をすくいあげることを意識しましょう。対象のペルソナが持つ感情をトレースしたあとに、その人に必要な言葉を選ぶこととなります。それはまさに、大衆の感情をすくいあげることと同義です。そこがずれていると、響かない文章や押し付けた内容になってしまいます。

Webライターは人の感情を、自分のことのようにすくいあげる力を大切にしなくてはなりません。それだけではなく俯瞰することで、客観的で納得する言葉を選ぶ語彙力が求められるのです。

そこには基礎的な書き方、読みやすくするための知識、そしてどの程度の粒度が要求されているのか感じ取る経験が必要となるでしょう。そのために日々ライターとして発信する機会を持つこと、多くのジャンルの記事を読んだり、写経することで、経験を鍛えることができるのです。本番は練習の場所ではありません。

フリーランスでも、副業でも、アルバイトでも、プロとしての自覚をもって取り組む姿勢が要求されているといえます。書いた記事が社会に出て、誰かの役に立っていること、それを理解することで、より真剣に向き合う感情が生まれるでしょう。

私たちWebライターの仕事は。変わり続ける

お金のために働く人、技術習得を目指す人、文章を書くのが趣味の人、望む人のために書く人。多くのWebライターが世の中で働いています。あなたの中にはあなただけの将来像や形があるでしょう。

私が忘れてはならないと感じていること、気をつけるべきと考えることが、理解できなくても仕方ありません。あなたのペルソナと一致していなかったにすぎない問題です。あるいは理解したくないということもあるでしょう。代わりに理解する人もいること、それが役に立つ人もいるのです。

この記事はそういった人たちに向けているものです。明日にはこの内容も変わるかも知れません。私の理解が別の方向へ向くこともあるでしょう。割に合わないと楽な方へ移動することもあるでしょう。変わり続けるWebライターの仕事を、楽しんでできるように。そう願うばかりです。

あなたにとっての、Webライターの仕事はーーー

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