見出し画像

経済>安保か 経済<安保か サプライチェーンへの影響は?

経済安全保障推進法が5月11日に日本の国会で可決され、今後然るべきタイミングで施行されることになりました。

ついに、サプライチェーンのマネジメントに政府が積極介入する意思が明示された形です。

これは、簡単に言うと、機微分野は政府がサプライチェーンの監視を強めますよというもので、不測の事態に国民生活に支障が出ないようにする事が主目的です。

ただし、経済と安保のいずれかを重視するのか、それはその時の政府の判断に委ねられることになるでしょう。経済界の一部は、その点には懸念を表明しています。

ウクライナ侵攻で、足元では経済<安保に向かいつつある事は周知の通りですが、経済>安保で国際貿易が促進される事で、世界各国は成長してきました。閉鎖的な経済では疲弊します。それは、少し極端かもしれませんが、韓国と北朝鮮では、名目GDPで100倍の差があるとされているように明らかで、経済が強力な制裁カードになっている事は周知の通りです。

そのことは、政府のみなさんは重々承知されていると認識しています。それでも、法案によって経済界が安保リスクへの対応を一層迫られるようになった事は確かです。果たしてどうすればいいのか。

まずは、サプライチェーンの見える化なのでしょう。部材の調達先と、自社製品の最終利用先がわからない企業は、BtoBでは未だに少なくないと思われますが、できるだけ明らかにする事は、原価低減と販路拡大という経営面でも重要です。

次いで、当該潮流は、太平洋の向こうの大国発であると考えるのが妥当でしょう。そうなると、これも極端ですが、例えば、日本の球界が、大リーグと一体化されて、ルールも同一になっていくイメージで見ておく必要はありそうです。大リーグのアウトの取り方が変われば、日本も影響を受けるような流れです。そうなると、日本の国会に影響を与える太平洋の向こうの白宮の動き、特に機微分野の動きをチェックしていくのが早いという事になりそうです。

機微分野の議論ではこちらにも触れています。

https://note.com/koji_sako/n/n2e636ac26c1b

さらに、足元では流れが強い経済<安保に対して、経済>安保を訴求することも必要になります。安保を支えるのは経済です。

その上で、経済=安全保障というコンセンサスの醸成が肝要なように思えます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?