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アジアのサプライチェーンはどうなる(2)?米FOMCはもうすぐ

アジアのサプライチェーンについて、
楽観論と悲観論がありますが、個人的には総論としては楽観論をとっています。

最大のイシューは米中摩擦ですが、中国の対米輸出は、2021年はコロナの巣ごもりの影響もあって、伸長、摩擦は続いていますが、その印象とは異なる展開をみせています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM13BGE0T10C22A1000000/

生産分業自体は、続けられると考えるのが妥当ですが、問題となるのは、どこが、虎の尾を踏む機微分野となるかです。

米国連邦議会の諮問委員会である米中経済・安全保障調査委員会(USCC)が2021年11月に議会に提出した報告書から推察すると、現在ホットイシューになっている半導体・通信分野やレアメタルなどから、バイオ、モビリティ、クラウドコンピューティング、デジタル通貨などが、新たに対象になりそうな様子がうかがえます。


Chapter 2 Section 2 - CCP's Economic & Technological Ambitions: Synthetic Bio, New Mobility, Cloud Computing, & Digital Currency


換言すれば、市民の日用品は、大枠では、対象外のままの状態が続くといえるでしょう。

ただし、デジタル革命で、IOTの時代、これまで対象ではなかったものも、ネット社会につながることで対象に入ってくる可能性があることには、頭の体操が必要になりそうです。

先月後半から新冷戦という言葉が紙面を飛び交うようになりました。本当にそうであれば、サプライチェーンは分断され、その分コストがかかり、世界はインフレになります。有事のドル買いが進み、通貨安は輸入物価を押し上げます。

そのような最中、米国時間15-16日のFOMCでは、0.25%の利上げが市場のコンセンサスになっており、既にマーケットは織り込んでいますが、今後、も利上げが続いていくとみられています。

アジア諸国・地域の多くは、まだこれまでのコロナの影響が甚大で、韓国などを除けば、その動きにはついていけそうもありません。

ユーラシアの一刻も早い停戦合意でエネルギー・食料価格が落ち着くのか、その後は、米中で特定分野のデカップリングは不可避も、貿易額自体は拡張していくトレンドが続くのか、静かに注視していくことが必要となります。


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