見出し画像

米国発金融不安はどこまで飛び火するのか、アジアへの影響は?

そろそろ4月が間近に迫って参りました。皆様お元気でしょうか?
桜が満開で、日本ではWBCの余韻はしばらく続きそうです。
特に準決勝のメキシコ戦の、村上選手のサヨナラ!は、多くの方は、自分、会社、業界が苦しい場面で、あの雄姿を思い出すことになりそうな、伝説の場面になりました。人生には、何回かああいう場面があるように思えます。先行逃げ切りのほうがベターなことは間違いありませんが、一発逆転の気概!こそが、人生の醍醐味なのかもしれません。

また、野球素人の私が言うのは筋違いですが、ファウルで粘る打者は、結果的に、出塁率が高いとされますが、それを感じさせる場面が多々ありました。解説の古田さんがおしゃっていた、相手(投手)を疲れさせる、これは、ビジネスにも言いえて妙な気がしました。とても粘り強く、簡単に、打席を終わらせてくれない、(投手にとって)対峙時間の長いバッター、それが怖いバッターであり、160㎞の剛速球も、ファウルで粘り続ければ、打開策が見えるようにも感じれました。

帰国後の記者会見で、監督、選手に加えて、コーチ陣にもコメントを求める場面も、非常によかったです。20代中心の若い選手と、アラフィフ、アラ還のコーチ陣、無論、プロの方々には足元には及びませんので恐縮ですが、私には大学での学生と教授陣の相似形にも見えたのです。

大変謙遜されていましたが、大谷選手を二刀流に育てた栗山監督は当然ですが、元名選手のコーチ陣の役割は、若い選手の技術指導のみならず、メンタルサポート面でかなり大きかったはずです。また、各所属球団の顔である選手の個性は相当に強いはずで、そこに、アメリカ国籍のたっちゃんも入って、健康管理に加えて、その融和、雰囲気作りには相当に気を使ったのでないでしょうか。

また、日本というと、スポーツのみならず、企業、産業もパワー不足が目立ち、少数精鋭でぎりぎりで回すような場面が目につく中で、とりわけ投手陣の層の厚さ、さらに、190cm越えの大谷選手、ダルビッシュ選手、肥後のベーブ・ルースと言われた村上選手のパワーが目立ち、大変勇気づけられました。このベースにあるのは、日本独特の選手育成システム、つまり、甲子園を頂点とする高校野球があることは論を待ちません。実は少子化で、11名必要なサッカー、9名必要な野球ができず、5名でできるバスケットが人気という声も中高関係者にはあります。WCに続く、WBCは、その懸念を払しょくしたことは間違いありません。

やはり、致し方ないのは、サッカー同様、野球もますます海外志向が強まることなのでしょうが、野球では野茂選手が切り開いた大リーグの軌跡が、今回、満開となったことは素直に喜びたいですね。

という訳で前置きが長過ぎましたが、米国発の金融不安、まさかの、欧州への飛び火で、経営危機のクレディ・スイスを、危機が広がらなようにUBSが電光石火で買収など、話がどんどん大きくなっています。その中で、米国は25ベーシスながら利上げを継続、マーケットは大きく揺れています。

この米欧発の金融不安のアジアへの影響をどう考えればいいのか?
まず、金融は世界が一つにつながっていますので、マーケットの混乱が続く限り、影響は免れません。大きいのは為替の影響で、米欧の利上げペース鈍化と、日銀の政策変更期待は、漸進的と見込まれるものの、日本では円高圧力が高まりそうでが、アジア通貨では、ベトナムが利下げに転じるなど、気を付けないと、大きく下落するのでは?そんな懸念も出ています。


米国の利上げによって起きたことは、債権価格の下落です。この損失が、SVBの破綻の直接的な原因でした。そして、その融資先は、シリコンバレーという土地柄から、多くのテック企業が含まれていたことになります。

アジアの場合、米欧が、インフレ圧力と金融不安の中で、利上げが前倒しで止まるかどうかが最大の注目点であり、その道筋が見えてくれば、大きな影響は回避できそうですが、現時点ではまだ見えていません。

クレディスイスは、従前から、経営不安があり、投資銀行業務で損失が膨らんだものを、中東系大株主が増資に応じず、経営危機になったと伝えられています。どうも、詳細がはっきりしていない印象は拭えませんが、金融当局が迅速に動いて、火消しに努めている感は強いです。このあたりで連鎖が止まるかどうか、止まれば金融の波及経路は限定的ではないかとみられます。

ですが、アジアで不安がくすぶっているのは、金融との関連の深いテック企業と不動産業でしょう。スタートアップ発祥の国である米国、さらに、その聖地で名を挙げているのは、多くがアジア系であり、その影響はじわりと出てくるかもしれません。さらに、長らく続いた定金利下で、恩恵が大きかったのは不動産業ですが、高金利下では、価格の下落圧力が強まります。


結局は、米欧当局が、いわゆる金融不安、取り付け騒ぎを抑え込めるか、
さらに、マクロ的には、インフレを抑え込めるか、それ次第ということにりそうです。

そのうえで、アジアにおいては、為替、テック融資、不動産業が揺さぶられますので、WBCという最高の宴の後、気を引き締めてかかりましょう。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?