「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録に関する決議

 日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんといった「國酒」を造る「伝統的酒造り」技術は、日本の恵まれた気候風土によって育まれたこうじ菌を使う独特の技術であり、我が国が誇る文化とも言える。
 しかし、近年、この伝統的な醸造技術の担い手が生活様式の変化や高年齢化等の原因により減少している。
 こうした状況を踏まえ、我が国の文化である伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術を、次の世代へ確実に継承するとともに更に向上させていくためには、この技術に関する保存・活用及び発展のための活動を積極的に行う必要がある。
 この「伝統的酒造り」技術については、令和3年12月に文化財保護法に基づく登録無形文化財に登録されるとともに、令和4年3月にはユネスコ無形文化遺産に登録することが提案された。本年12月には、ユネスコ無形文化遺産登録に関する審議結果が示される予定である。
 岸田内閣総理大臣からは、令和4年1月17日に開会された第208回通常国会の施政方針演説において、「日本酒、焼酎、泡盛など文化資源のユネスコへの登録を目指すなど、日本の魅力を世界に発信していきます。」とご発言いただいているとおり、「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されることになれば、「伝統的酒造り」のわざの保存・活用及び発展が更に図られるのみならず、日本の伝統文化に基づいた「國酒」について世界に発信できる絶好の機会となり、もって次の世代への継承にも繋がるものと考えている。
 我々「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」は、「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されるよう、「日本酒造組合中央会」、「日本酒造杜氏組合連合会」等と連携して「伝統的酒造り」のわざの継承、認知度向上のための広報・啓発活動など、伝統と文化の一層の発展のための取組を実施するとともに、登録後においてもそれらの活動を不断に続けることを宣言する。          
右決議する。
                        
                         令和6年5月13日
          日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会

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