日本人向けのロジカルシンキング
ロジカルシンキングは何をするにしてもベースとなるスキルのため、人に教えられる程度には勉強している。
ただ、ロジカルシンキングはどうも海外からの輸入品な感じがある。
親世代や学生、研修のない会社の社員、一部のパフォーマンスに成長余地が大きい人たちの中に共通して話が通じない現象が見られる。稀に、有名企業でも数名の参加者にとても理解しがたい理屈で噛みつかれることもある。
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先日、丸の内の丸善で「あいうえおの起源」という講談社学術文庫の本を買った。精神科医が畑違いの日本語学について書いてみた的な古い本だ。反証できそうなことも多々あったが、一部にキラリと光る洞察が見られる本だった。
僕の理解でざっくりいうと、
精神病者の言語構造から言語に興味をもったよ
言葉ははじめは一語から始まってるよ
身体に関する言葉が多いよ
【重要】似たものには同じ音が充てられることが多いよ
【重要】かつて接触のあったもの、ひいては「関係」があったものも同じ音が充てられるよ
上2つを踏まえて、二音節の言葉が数々生まれたけど、動詞の動きは二音節目が規定してるよ
意味があり、動詞の動きを二音節目が規定してるなら、一音節目も引き算で意味を推定できるよ
それらでわかった意味を当てはめていくと、あいうえおの大半が埋まるよ
というようなものだ。最後の方は、ネアンデルタール人とかの話になったのでノットフォーミーであった。
ここで【重要】と書いた項目はこの人のオリジナルの概念ではなく、未開人の思考を扱ったフレイザーの金枝篇における未開人の呪術思考を扱ったものだった。
ということで、図説金枝篇を即買いした。
フレイザーの書いた、未開社会の呪術的な思考には、「類感呪術」「感染呪術」がある。
呪術とか書き始めると、たかはしはおかしくなったのかと言われそうだが、ここにはなかなかの示唆がある。特に、日本語の成り立ちにその思考がインストールされているなら捨て置けない。
親世代や学生、研修のない会社の社員、一部のパフォーマンスに成長余地が大きい人たちに共通して、話が通じない現象が見られると書いたが、新たな思考がインストールされる前は、言語の影響による思考がなされるからだ。
まず、類感呪術は、似たものは似たものを生み出すという思考だ。類似の法則と呼ぶ。結果は原因に似る。
もう一つの感染呪術は、接触の法則ないしは感染の法則といわれるものだ。
詳しくはリンクをご覧いただきたいが、この著者のすごいところは、これを言語体系の中に組み込まれていると看破したことだ。
もちろん、わかりゃしない話だが、一定の納得感はあった。
一旦、元の話に戻ろう。
ロジカルシンキングを学んでも使えない、ロジカルさを感じない、そういったケースがある。それは、ロジカルを学んだ人からするとイロジカルに見える。
しかし、本当にそうなのかというと、もしかしたら別な論理体系(呪術的思考)がすでに入っているから変わらないのではないか。
こう考えると幾分かすっきりする。なのであれば、呪術的思考を理解することで彼らの躓きを理解できるのかもしれず、ここを理解することは、メイドインアメリカではない日本人向けのロジカルシンキング研修を創造することにつながるのかもしれない。
こんなことから、僕は昔の日本人が何を信じてるかに興味を持ったのだ。そこから、神社やら民間信仰やら土偶やら妙なことを調べている(笑)
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