『凱里ブルース』と『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』
人は、「時間的」な存在者と「超時間的」な永遠なるものとのあいだに「裂け目」をみとめて、両者の橋渡しを試みる。
マルティン・ハイデガー『存在と時間』より
僕が上京して最初に住んだ街は三鷹でした。太宰治や森鴎外が眠る禅林寺のほど近く、日当たりの悪いアパートの2階に住み、アルバイトをしながら生計を立てていたのです。それから6年ほどは三鷹内で引っ越しをしながら、貧しい生活を送っていました。そのころ経験した出来事や感情、光景は僕にとって特別なものとして心の中に存在しています。バンド