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エッセイ

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過去や日々を綴った少し感傷的な日記です
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記事一覧

逆流の快楽

 そういえば、もう何年も〝仕事をサボる〟ということをしていない。「そりゃあ社会人だし当た…

石倉康司
3か月前
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『朽腐』について

 この度、拙作『朽腐』がNIIKEI文学賞で佳作となりました。翻訳や作家業、文芸イベントのオー…

石倉康司
5か月前
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神々のしっぽに触れるために

 久しぶりの更新になりました。昨日、降り止まぬ秋の長雨に打たれながら外出していたところ、…

石倉康司
3年前
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記憶は消えないということについて

 人間の記憶というものは“消える”という事はなく、全て脳に蓄積されていると博学な友人から…

石倉康司
3年前
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僕の青春狂走曲

 こう暑い日が続くと、ふと、雪が降らないかなぁと思う。ギラギラと燃える太陽が地上を白く熱…

石倉康司
3年前
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優しいひとになるために

 静かに降る雨がむせ返るような夏の熱気を鎮めている、ある日の夜。僕は中野駅前の交差点で信…

石倉康司
3年前
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大好きな映画館に思いを馳せる

 開演のチャイムが鳴り、明かりがふっと落ちる。暗闇の中でスクリーンにぱっと映画が映る瞬間は、何歳になっても「映画が大きな画面で、大きな音で観れるぞ」という喜びで胸が躍る。僕は映画館で映画を観ることが大好きだ。  もちろん家で映画を観るのも楽しいし、感動する。なぜ、映画館がそこまで好きなのだろう。大きな画面も大きな音も、場所さえあれば家で用意できるのに、なぜだろう。  僕は思う。劇場のあの空間に大勢の他人がいるのがいいのだ。知らない人たちを同じものを観て、それぞれ感

偶然に翻弄されるぼくたち

 朝、近所を散歩していたら空き地があり、スミレやハルジオン、ノゲシ、ヒナゲシが一面に咲き…

石倉康司
4年前
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美しい目

 静かな夜。追憶が、ゆっくりと流れる河のように頭の中に流れ込んできて、その中に足を浸して…

石倉康司
4年前
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泡になった夢

 何歳になっても、高速道路のサービスエリアは心が躍る。遠く、青い空にけぶる山々を見ながら…

石倉康司
5年前
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