最有力映画は『ヤマトよ永遠に 』異論は認めん
この夏の注目作といえば、「ヤマト」ですよ何といっても。
リメイク版宇宙戦艦ヤマトの新作が公開された
宇宙戦艦ヤマトといえば特にアニメ好きの人でなくても名前ぐらいは知っている作品でしょう。
難産の末に1977年に公開された最初の劇場版はひとつの社会現象になり、アニメの社会的評価を大きく変えるきっかけになりました。
時が流れ、2012年に(もう12年も前か!)そのリメイク版が作られることになります。
何しろ伝説の作品のリブートであるだけに大きな話題となりました。40年近い時の流れに伴う技術の進歩は伊達ではなく、CGを駆使した宇宙戦艦の飛翔シーンや戦闘シーンは圧巻。また、初代テレビアニメに見られたいい加減な設定があちこち修正され、女性キャラが大幅に増加。それどころか、さらにストーリーを膨らませるために、矛盾を孕んだ設定を逆手にとって活用したりしていて、SF考証もなかなかのものになっていました。全体として秀作といっていい作品だったと思います。
この成功を受け、70年代から80年にかけて制作された続編も次々とリメイクされることになります。
そしていよいよ今週。
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略』が劇場公開です。
https://starblazers-yamato.net/news/1721633835.html
これは基本的には1980年公開の『ヤマトよ永遠に』のリメイクですが、前作のラストシーンを見る限り、背景設定にはかなり大胆な改変が施されていると予想できます(これを書いている時点で私は詳細を敢えてチェックしていません)。また、テレビアニメ第三弾である『宇宙戦艦ヤマトIII』のキャラクターも移入されているようです。これはこれまでのリメイク版にも見られたパターンですね。
「アナライザー」が復活するようだ
個人的に期待しているのが「アナライザー」再登場です。
アナライザーとはヤマトに搭載されている汎用ロボットです。知性をもっているらしく、医務官の佐渡と酒を酌み交わしたりもするマスコットキャラクターでもあります。
リメイク2作目『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』でヤマトの過酷な戦いに巻き込まれ、多くの主要キャラクターと共に「死んだ」のでしたが、今作の公式ホームページを見ると登場キャラクターに「新アナライザー」が掲載されています。佐渡医務官との名コンビが復活するのでしょうか。
ところで、この2作目『2202』には、AIが「活躍」する描写があります。AIに事実上の指揮権が移譲されてしまっている実験艦「銀河」と「無人艦隊」なるものが登場し、人間臭いアナライザーとは対極的な「非人間的」AIが描かれます。
AIが全面的に取り入れられる形で改造され、艦長ひとりで動かせるようになった戦艦アンドロメダ。これに乗り込んで特攻をかける山南艦長が艦長席で「寂しいなあ」とつぶやくシーンとか、私はけっこう好きでした。しかし、AIが出てきたおかげでちょっとストーリーが複雑になり過ぎたような気もします。
今作においてアナライザーは原点回帰していそうに見えますが、どう描かれるのかが楽しみです。さらに言えば、前作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』は2021年秋の公開で、ChatGPTが話題になる一年前のことでした。生成AIが現実に大いに存在感を増した2024年に公開される本作で、AIがどう描かれているのかがちょっと気になっています。
終わりに
リメイク版ヤマトシリーズついては、まあオリジナルが伝説的な作品ですから無理もありませんが、かなり強い調子で批判・否定する論調のブログ記事なども多く見られますね。第1作の2199はそこまででもなかったと思いますが、第2作の2205はかなり賛否両論分かれていたように思います。
しかしねえ。オリジナル以外認めん! という人に翻意しろとは言いませんが、新作は新作として楽しむ度量がもうちょっとあってもいいんじゃないかなとは思ってしまうかな。人生損していると思うんですよね。
ていうかもう、大きな宇宙船が空飛んでるだけで純粋に楽しいじゃん? 楽しくない?
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?