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チームが成果を最大限発揮できる仕組みを作るSales General Managerのお仕事

こんにちは。BONXのSales General Managerの千田です。

前職のユーグレナからBONXへと入社し早3年半が経過しました。特にこれと言って大きな出来事はないですが、Sales General Managerとしての知見は日々深まっていると実感しています。なのでこのタイミングで一度自分の業務を俯瞰し「Sales General Managerって何をするお仕事なのか」を振り返ろうと思い、この度noteを執筆することにしました。

具体的にはSales General Managerの概要や業務内容、BONXのSalesチームの構造や働く上で感じるやりがいや今後の展望など、記事中で詳しく語っています。

今Salesの業務に携わっている方はもちろん、これからSalesの世界へ飛び込んでみたいと感じている方の背中を強く後押しするようなコンテンツにも仕上がっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

チーム一人一人のパフォーマンスを最大化させる仕組みを整えるSales General Managerってどんなお仕事?

BONXのSales General Manager(以下、SGM)を一言でいうと、Salesのメンバーが最も成果を出せる仕組みを整備・進化させ、新しくBONXを活用していただくお客様に未来を提供する仕事です。そしてその前提として戦略・戦術を組み立てることが求められます。

しかしただ闇雲に戦略・戦術を組み立てるのはナンセンスです。仮に「ムリ」な戦略と戦術を作って、オペレーションを設計してしまっては誰も実現できません。また「ムダ」なことをしていては結果が出るまでに時間がかかります。さらに「ムラ」があればあるほど、個々人のパフォーマンスにばらつきが出ます。この「ムリ・ムダ・ムラ」の3Mを減らして、Sales一人一人が最大限の結果を出せるような仕組みを作る。その効果的な収益装置を使って、しっかりと結果を出すのがSGMの仕事だと認識しています。

BONXのチームワークと知性/科学で課題を解決するカルチャーをもとに、Salesの仕組み作りの例をご紹介しましょう。BONXのSalesチームは受注・請求などのルーティーン業務を苦手としており、抜け漏れのオンパレードです。対策としてSFA(Sales Force Automation)のテンプレートを変更して必須項目を作って漏れないようにする。またはそもそもその業務をなくしてしまうなどの解決のオプションが出てきます。実際には費用対効果を検討して、システムを改変しつつ得意な人に任せるという解決策を実行したこともありました。

その結果、一人あたりの営業にかけられる時間をおよそ1時間/日、1年換算で約200時間ほど創出。こうした科学的アプローチを活用することで、1社あたり5時間でクロージングすると仮定しても、計40社のお客様に向き合うことが可能になりました。

このようにして仕組みを整備・進化させてチームのパフォーマンスを最大化します。結果として多くのお客様にBONXのミッションである笑顔と未来を届けることができる。これがBONXのSGMの概要となります。

SGMとして管轄するBONX Enterprise Sales Unitの全容

私が管轄するEnterprise Sales Unitはそれぞれ以下のようにチームが枝分かれしています。

BONX Business Unitの概要

私が管轄するEnterprise Sales Unitはそれぞれ以下のようにチームが枝分かれしています。
これらはそれぞれ担当する役割(Inside Sales / Field Sales)、パートナー様とエンド企業様(Partner / Direct)、お客様の規模(Enterprise / SMB)によってチームが分かれています。一つ一つ順番に見ていきましょう。

お客様への丁寧なファーストタッチが欠かせないBONXのInside Sales

Inside Salesは初めてBONXにご連絡いただいたお客様にファーストタッチをする役割で、主に営業活動の前半部分を担っています。お客様のニーズを聞き、将来の希望やご導入の予定時期、ご予算を伺い適切な提案の方法を考えてField Salesに案件をパスします。時にはそのまま受注もします。

自分で受注するのはBONXのInside Salesならではだと思いますし「受注できそうだったらする」という判断も必要になります。実際先日も学生インターンの方がコール初日に受注していました。優秀なインターンがいてくれてすごく助かっています。いつも感謝しています。今は正社員1名(厳密には兼務なので0.5人)、学生インターン2名の3名体制で、月間600社あまりのお客様に対応しています。

担当する役割に応じて七変化するBONXのField Sales

Field SalesはInside Salesとは異なり、主に営業活動の後半部分を担っています。またBONXのField SalesはPartner SalesとDirect Salesに分かれています。これらは担当する役割がパートナー様かエンド企業様かの違いです。

Partner Salesについて

1つ目のPartner Salesはビジネスパートナー向けに紹介や取次、再販の業務を行っています。詳しいお仕事の概要はこちらの記事に譲ります。

Partner Salesに関して詳しく知りたい方は岡島が執筆した記事もご覧ください。

Direct Sales (Enterprise / SMB) について

そして2つ目のDirect Salesに関しては、お客様・企業様の規模感の違いにより、さらに以下の2つのチームに分かれています。

  1. Enterprise Sales

  2. SMB (Small Medium Business) Sales

1つ目のEnterprise Salesは500名以上でご利用いただく可能性のあるお客様を担当してSales活動を行います。BONXの具体的なお客様でいいますと、全日空様やJR東日本様です。

Enterprise Salesに関して詳しく知りたい方は西村が執筆した記事がおすすめです。

対して2つ目のSMB Salesは、500名未満でご利用いただく可能性のあるお客様を担当しています。具体的には外資系のラグジュアリーブランド、TAKEO KIKUCHI様のようなドメスティックブランド、外資系のDIYブランド、カーディーラー、有名百貨店などの小売業様、アズパートナーズ様をはじめとした介護事業者様、インターナショナルに展開する高級ホテル業様、戸田建設様をはじめとしたゼネコン/サブコンなどの建設業様です。

ただここに出てくる企業様は店舗や建設のプロジェクト単位、ホテルであれば館ごとのように導入の意思決定が細分化されています。そのため一つの企業体としては多くの従業員数を抱えているものの、SMB Salesが担当することになっています。

以上がBONXのSalesチームの全容になります。

アルパイン型とThe model型をハイブリッドさせたBONXの欲張りな営業プロセス

BONXではアルパイン型の営業プロセスとThe Model型のプロセスのハイブリッドでお客様に対応しています。アルパイン型はお客様に張り付いて、終始担当をします。リードの獲得から商談、クロージング、納品、請求まで一通りのプロセスを一人で担います。この形の代表的な企業はキーエンスです。担当営業がお客様のことを一番理解し、スピード感を持って対応し、高収益のビジネスモデルを支えています。BONXではEnterprise Salesのお客様がこのプロセスにあたります。

一方でThe model型は説明には及びませんが分業をします。リードの獲得はマーケティングが担い、リードのナーチャリングと商談セット、トスアップをInside Salesが担います。
もう一つのリード獲得経路として、パートナーセールスがリード獲得から商談のトスアップまでを行います。そしてField Salesがクロージングします。

The modelの詳しい全貌については、楢崎が解説しているこちらの記事を参照ください。

このようにThe model型とアルパイン型をハイブリッドさせて、Enterprise SalesとSMB Salesの両方を対応するのは、今の規模では相当欲張りではあります。ただ自社のサービスであるBONX WORKで常に繋がって会話しながら、SlackでのコミュニケーションやGoogle Workspace(旧 G-suite)などのあらゆるツールを使い倒す。そしてリモートと出社を組み合わせながらこれらを実践しているところにBONXらしさを感じています。

洗練された戦略/戦術を作成しPDCAをガンガン回すSGMの業務内容

ここからはSales General Managerの実際の業務内容についてご紹介します。
流れをわかりやすくするために「半期で1万アカウントを獲得して1億円の売上を達成する計画:通称プランX」を立てたと仮定して、実際の業務内容を追って説明します。具体的な中身は以下の通りです。

  1. Fly Highな目標達成のための戦略/戦術の立案

  2. 戦略・戦術のブラッシュアップ・すり合わせ

  3. 計画を実行に移しPDCAを回転

1.Fly Highな目標達成のための戦略/戦術の立案

まず戦略として現状を把握・分析し、どのマーケットをどんな手段で攻めるか、逆にどの手段を取らないかを策定する。その場合にどのようなリソースを投下するのか、実行プランを作ってマーケティングチームとすり合わせし、具体的な施策に落とし込みます。その上で戦術を作成し、各個別の商談の場で受注できる確率を上げる方法を考えておきます。

プランXの計画立案のフェーズではその獲得方法を、お客様の規模の区分(EnterpriseもしくはSMB)と販売チャネル(ダイレクトチャネルとパートナーチャネル)のマトリックスで注力すべきポイントの決定を行います。例えばEnterpriseかつダイレクトのグリッドで7000アカウント受注、その他で3000アカウント受注すると決めれば自ずと一番注力しなければいけないグリッドは、受注数の多い「Enterpriseかつダイレクトチャネル」の方ということになります。このようにして戦略/戦術の立案を行います。

2.戦略/戦術のブラッシュアップ・すり合わせ

次のステップとして戦略/戦術のブラッシュアップ・すり合わせを行います。どんなによい戦略/戦術ができても、その戦略がそもそも破綻していたり現実に即していなければ使い物になりません。いわば絵に描いた餅状態です。戦術も同様に具体的に実行できなければ意味はないのです。だから作った戦略/戦術のブラッシュアップ・すり合わせが必要となります。具体的にはメンバーからも意見を集め、その計画の実行状況が明らかになるようにKPIを定めています。

例えば先ほどの「プランXでEnterpriseかつダイレクトチャネルで7,000アカウントを獲得するのは現実的に可能かどうか?」という問いは「この目標を達成するために2人のSalesだけで1週間に1件あたり、1時間で計100件分の商談が可能かどうか」という問いに細分化できます。このようにしてブラッシュアップを重ねるうちにこの問いが現実的なものか否かが見えてきます。

実際には計80時間(=1日8時間×5営業日×2人)の営業時間だけで100時間分の商談をするのはどう考えても不可能だと判断できる。そこで目標となるKGIをブラさずに受注率を上げられる別の施策を用意することで、商談をする回数が少なくても達成できるようメンバーとすり合わせを実施します。実際にはもう少し難しいことをしていますが、簡単に言えばこの施策のアイデア出しをメンバーと一緒にやっています。

3.計画を実行に移しPDCAをサイクルを回す

計画のブラッシュアップを何度か重ねた後に、プランXの実行フェーズに移行します。このフェーズでは設定したKPIに対する進捗状況を確認しながら「進む(実行)・止まる(実行停止)・曲がる(計画変更)」を判断します。どうやってもKPIに到底到達しないことが明らかになれば、実行を中断。そして別の方法を模索し新しい作戦を作って、KPIを定めて執行します。これを繰り返しPDCAを回しながら、計画達成可能かつ再現性の高い「プランX」を実行していきます。以上がSales General Managerの主な業務内容です。

Fly highな目標を達成するために欠かせない”インプット術”

BONX のVibesに則してFly highな目標を目指しています。スタートアップではT3D2という言葉があるように、Product market fitしてから3倍の成長を3回、2倍の成長を2回繰り返し、5年で72倍の成長を目指しています。T3D2の詳しい概要については以下をご覧ください。

このFly Highな目標を達成するため私が意識していることは「とにかくインプットすること」です。具体的には以下の2点です。

  • 知識や知恵を拝借してとことんパクること

  • 自分にない視点から厳しいレビューを受けること

詳しくご紹介します。

1.知恵や他人の経験を拝借してとことんパクる

日進月歩のスタートアップでは手法や技術がどんどん開発され変わっていくので、過去のやり方は通用しなくなります。こうした過去の成功体験に囚われないように、本を読んで知識を蓄えたり、他人の経験をとことんパクっています。実際に行われた商談を見て、本で読んだ知識を元に商談のやり方を変えてみる。結果がうまくいけば、その内容をみんなに共有し取り込んでいくといった具合です。

また同じスタートアップで先輩の企業の人が出ているセミナーに出て、うまく行っていることをそのままパクるようにしています。セミナーで登壇した方にはFacebookでお友達になって、いろいろと質問をさせていただき教えを乞うています。

このように人の知恵が詰まった本を読んだり、一次情報を得ようとアクションを起こしたり、自分自身が会社のスピードを超えて加速度的に成長できるようにしています。私自身は「小さな工夫を重ねることで、結果を出せるようにする。そのためのインプットだ。」という意識を持って業務に取り組んでいるのです。

2.自分にない視点で厳しくレビューを受ける

COOの峯岸さんからの厳しいレビューも欠かせません。COOは現在CFOも兼務するスーパーマンで、視野が広く経験豊富。さらに知識はビジネスから食、宇宙から茶道まで引き出しがとにかく多いのです。私は戦術としては奇襲が得意で、個性としてはユーモアがあると評価されます。ただそれゆえできないこと・気づかないことも沢山あります。ですのでしっかりと自分の行動や活動をレビューしてもらって、自分ができないところは頼らせてもらっています。

レビューの重要性について私が直接見ているハードウェアの卸売の部門における例をひとつ紹介します。以前はオーダー単位が数百だったパートナー様が、今ではその10倍程度のオーダーを下さるようになっている。年々その取引額が大きくなっているのです。これに対するアプローチとして峯岸さんからいくつかレビューをいただいた経験があります。それは「パートナー様の在庫保管の手間を減らすために、預かり在庫制度を提案してはどうか?」また「リカーシブルなプロダクトであるため、これまで売れた数と同等の数を新製品で買い換える提案をしてみてはどうか?」といった内容のレビューでした。

これらのレビューをもとにアクションを起こした結果、いくつかのお客様から過去最大級の注文をいただきました。やはり自分一人だけだと視野が狭くなってしまい、手の届く範囲の提案しかできなくなってしまう事があります。そこで先述のCOO峯岸さんからアイデアをいただくことでその視野を広げ、新たなマーケットチャンスの獲得に繋げています。こういったレビューを意識して私は日々Fly highな目標達成に向けて邁進しているわけです。

「BONXで骨を埋めよう」そう決心した私が感じるSGMとして働くやりがい

BONXの製品がお客様が作り上げるサービスの品質に貢献していると実感できることが、私がBONXのSales General Managerとして働くやりがいです。元々スノーボードを趣味にしていて、いつかそれに関われるような仕事をしようと思っていました。2017年のある日Facebookを眺めていて、BONXを知ったのです。そしてCFO候補としてのスキルは全くないのに面接を頼んで、創業者・CEOの宮坂さんに押しかけるように会いに行った時にその想いは強くなりました。「これはセレンディピティだ。よし!この人の会社で骨を埋めよう」と。(その時に取った行動はまた別の機会に譲るとします。)

私が入社した時期はこの会社が「BONXを企業が使えるようにする。しかもまずは一流のお客様に使ってもらうのだ」という目標を掲げて、今のBONX WORKがちょうど立ち上がった年。普段自転車でBONXを使っていた私はそのことに対して、最初は信じられませんでした。しかしプロダクト戦略を何度も見直しプロダクトのアップデートを続けた結果、今現在では様々なお客様がBONXを気に入ってくださっています。

例えば世界でも指折りの超一流ブランドの企業様を始め、全日本空輸様ではコミュニケーションミスやオペレーションエラーによって発生する飛行機の発着遅延を少しでも抑えるため。昭和大学江東豊洲病院様では一刻一秒を争うお医者様が患者様の人命を救うため。JR東日本様では一分一秒でも早く新幹線の脱線を復旧するために使ってくださっています。しかも皆さん一様に「BONXはウチにはなくてはならないものですよ」と言ってくださいます。お客様が日々一生懸命に働くその耳元にBONXがあって、成長を手助けする一部となる。これほどやりがいを感じることはありません。

もちろん、厳しいフィードバックをもらうこともあります。一時、自分の気の緩みからとんでもないクレームを招いたことがあります。最大のお客様の導入早々チャーンの危機です。その問題の解決には社内のほとんどの方々が携わってくれました。その時にボロボロになりながらも少しずつトラブルを改善・解決し、メンバーの一人一人が成長していく姿を見て、事態が落ち着いてから感慨にふけったことがあります。結果的にそのお客様達はものすごく満足してくださっています。やはりそれを見るのが嬉しい。自分たちのプロダクトがお客様の生み出す世界最高のサービス品質に貢献していることが嬉しい。これこそ私がSales General Managerをする上でのやりがいです。

笑顔の溢れる未来の実現に向け、最速かつ着実なアクションを

この愛すべきお客様たちにずっとBONXを使い続けていただくためには、BONXが利益を出せる会社にならなくてはなりません。今は使っていただくお客様を増やすことが最重要課題ですが、企業ですから当然利益を出し、それらを再投資して、より良いプロダクトで世の中を笑顔の溢れる未来に変えていきたいです。

BONXに入ると、COOの峯岸さんから「売る・稼ぐ・儲ける」この3つの違いについて、しっかりとレクチャーを受けます。この定義でいくと、利益を出すことは稼ぐことに他なりません。利益を出して、愛すべきお客様にBONXをずっと使い続けていただき、そのお客様の未来を笑顔溢れるものにしていくこと、そしてその先にある「世界を僕らの遊び場にする」というビジョンを成し遂げるために、自分ができることを最速かつ着実にやっていきたいと考えています。


セールスパートナーにHESaaSを浸透させていく道のりと題して、これまでのHW/SW販売でやってきたこと、そしてBONXのビジネスモデルであるHESaasについて思うことを記事にしました。よろしければこちらもご覧ください。

現在BONXでは今後の事業拡大を見据え、採用活動を行っております。
Salesに関する詳しい募集要項はこちらからどうぞ。


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