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本紹介📚クローゼット



#クローゼット  

《内容》
十八世紀のコルセットやレース、バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点が眠る服飾美術館。ここの洋服補修士の纏子は、幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。一方、デパート店員の芳も、男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。デパートでの展示を機に出会った纏子と芳。でも二人を繋ぐ糸は遠い記憶の中にもあって……。洋服と、心の傷みに寄り添う物語。

《感想》
ゆっくり読んでいく中でキャラクターそれぞれにはちゃんと引きずる過去と、描いてる未来があって、どちらに傾くかで人生の進め方は違うのだなと感じました。
纏子は最後、過去に決着をつけて未来を見ました。芳は過去に後ろ髪を引かれて最後に打ち明けることで一つの荷が降りました。
彼らの物語は、まさにこの本から始まったに違いない。
これは服は糸で紡がれているのなら、人は人で紡がれている、そう感じる作品でした。

《一言》
やったことは消えない。消えないけど、止まってくれない今。受け入れるしかないんでしょうか。前を向くには。
私も後ろ髪引かれてる。

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