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アニメのレベルはいかにして上がったのか

80年代くらいからアニメを観てきたが、2000年代に入ってからのアニメのレベルが、如実に上っていると感じる。

理由は色々あるだろうが、何が一番大きな理由だろうか。

昔と違って、今は大人も子供もアニメを観る。視聴者の裾野が広がったわけだが、特に財力を持った大人がアニメを観るようになったのが大きい。

昔のアニメは、視聴率を稼ぐことで、CMによる広告料が入ったり、グッズが売れたりして、リターンを得ていた。
レンタルビデオでの売上も収入になっていたのかも知れないが、普通、同じビデオを何度も借りたりはしない。昔はコピーガードなど無かったから、ビデオデッキ2台を繋いでダビングしたりしたものだ。
つまり、放送している間から、放送直後までの利益がほぼすべてだった。

これが1990年代、DVDの出現により、放送終了後もその売上により、利益を得られるようになった。
2000年に発売されたPS2がDVDを再生できたことも、その普及に一役買い、利益を後押しした。

それまでもVHSでビデオ販売はされてきたが、アナログテープメディアであるため、生産効率は非常に低く、1本あたり30分x2本入で1万円程度した。到底子供が買える価格ではない。
DVDなら、デジタルでディスクメディアにコピーするだけなので、圧倒的に量産コストが低くなった。

が、アニメファンは数多くとも、特定のアニメのファンは限られる。世界規模で売られる映画と違い、アニメは国内のみの販売が多いため、映画に比べればDVDの価格はどうしても高くなる。

だが今のメイン視聴者である大人には、財力がある。高価格を納得させるだけのクオリティさえ確保すれば、売れる図式がそこにはあった。そのため、より高いクオリティが求められていったのだ。

もっと言えば、作品がDVDやBlu-rayというメディアにより、後世に残せるようになってしまったため、適当なものを出せなくなったということもあると思う。配信サービスはいつか終わるかも知れないが、誰かが購入したメディアはずっと残るのだ。

ついでにいうと、グッズの価格も、昔は大人が子供に買い与える前提だったのが、今は大人が自分のために買うものなので、めちゃ高くて困ってしまう。フィギュアが高いのはまあ分かるんだが……。

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