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寄席感想 2020/7/6 鈴本演芸場 昼席

こんばんわ。

COVID-19の感染拡大防止のため、営業の自粛やオンライン配信となっていた鈴本演芸場ですが、7月1日より観客を入れての営業が再開になりました。待ちわびた寄席です。7/6に早速行ってきたので感想を書きます。

寄席に行くぞ(前のめりで)
平日昼席とは言え営業再開直後でもあり混雑具合が読めないと思い早めに行きました。12時開場の45分前に到着しました。(結果的には、7/6に関して言えば普通の平日昼席の感じで席には余裕があり、開場前に外に並ぶ列もほぼありませんでした。前のめり過ぎて恥ずかしい)
時間に余裕ができたので、アメ横を歩いてからみはしでクリームあんみつを食べました。上の写真がそれです。変わらずとても美味しかったです。ただアメ横は歩いている人が少なく正直とても心配になりました。週末はもう少し賑わっているのでしょうか。賑わっていてほしい。

演目です
(前座)駒平 道灌
圭花 本膳
仙三郎社中
扇蔵 元犬
正蔵 悋気の火の玉
笑組
圓歌 父ちゃんのハンディ
一朝 蛙茶番
子猫
一之輔 笠碁
楽一 アマビエ/小池百合子/鬼滅の刃
小ゑん 顔の男
白酒 浮世床(本)
あずみ
(昼トリ)扇遊 夢の酒

思ったこと、感じたことなど
・演芸場に入った瞬間、木の香りがしました。今まであまり意識したことがなかったので意外でした。

・感染症対策として、一列目は全て着席不可、二列目以降は着席不可と着席可の席が交互になってました。あと飲食はソフトドリンクのみ可。早くこれまでのようにどらやきや大福を食べながら見たいものです。

・寄席で前座さんの前座らしい高座のあとで二つ目さんの高座を見ると、やっぱり二つ目さんになるとこなれた感じがあるなあ、前座さんと二つ目さんは違うんだなあと感じるのですが、このくだりを経て改めて「寄席に来てる!」という感慨がわいてきました。

・個人的な印象ですが、入船亭の師匠方には特有の真面目さと品がある気がしていて、今日の扇蔵師匠と扇遊師匠もそうなんですよね。あと扇辰師匠とか。師匠と弟子、孫弟子…と一門で受け継がれていくものがあるんだなと感じます。と思えば雲助師匠のお弟子さん方はめちゃめちゃに個性豊かで、そういう感じも好きです。一門会とか親子会特有の楽しさってありますよね。行きたいなあ。

・正蔵師匠めっちゃ焼けてる。本妻とお目かけさんの間に挟まれて弱ったなあという感じ(でもなんか弱りながらも根っこでは二人に甘えてる感じもある)が楽しい。

・最推しの一朝師匠はお変わりなく今日もいっちょうけんめいでした。久々に師匠の高座を見られたので本当に嬉しい。あと七月のかわら版の「今月のインタビュー」&表紙が一朝師匠なんですよ!表紙の和笛を吹く姿が素敵すぎる。

・一之輔師匠の笠碁やっぱり良いよ~~~。意地っ張りで仲良し隠居二人の喧嘩と、お互いもう仲直りしたいのになかなかできないで一人でああだこうだぐるぐる煩悶している姿を見ていると、なんかめんどくさいけどかわいっ!て思います。

・楽一師匠てなんか独特な間がありますよね。正楽師匠ともまた違う捉え所の無さ。終始笑っているような困っているようななんだかよく分からない表情やたたずまい。だいぶ気になる師匠です。
今日はお題にクセあって結構大変そうでした(実は全然大変では無かったかもしれないですが)。特に鬼滅の刃とか難しかったろうと思います。紙切りのリクエストってどこまでマニアックなのを頼んでいいのか迷う所ですが、個人的にはよく分からない物であろうが技術と勢いで完成・納得させるパワープレイも醍醐味の一つだと思ってます。あと鬼滅の刃を切っている間の三味線の曲がもしかしたら鬼滅の刃に関係ある曲だったかもしれないけど、師匠も多分会場のほとんどの人も「知らないけどもしかしたらそうなのか…??」(もちろん自分も知らない)というなんとも言えない空気が楽しかったです。

・白酒師匠は声もテンポも良いので、「ひ、ひ、ひ、ひと、ひとっつう、ひとっつう~!」「じ、じ、じ、じふじふじふじふらふ、じふらふ」のような読み上げが聴いていてノーストレス。逆になんか歌みたいな感じで聴ける。そこに突然現れる「ヘモンガー」の破壊力。

・トリの扇遊師匠は「夢の酒」。扇遊師匠っていいですよね、なんかしっかりしてて明るくて、楽しさ安心補償の師匠。
嫁が怒ると分かってるのについ楽しさ全開!のテンションで酒と美人の夢の話をしてしまう。それにきっちり焼き餅を焼く嫁、不憫なような平和なような。平和ですね。

配信も良いけどライブもね

外出自粛中は配信で寄席や落語会を見ていて、それももちろん良いところも沢山あるのですが(どこでも好きな場所で見られる、人数制限がない、地方から海外まで距離的なディスアドバンテージがない、ネタやオチをすぐ口に出しちゃう人やずっと袋をガサガサしてる人などノイズになる人がいない、などなど)、それでもやっぱり生の寄席には代えがたい良さがあります。
個人差はあると思いますが、自分は配信と生では高座を見る集中力が全く違います。同じ空間の中で、師匠が芸をしてそれを自分を含めた客席側が受け取って寄席全体が成立している感じがあります。実際配信でも生でも自分のしていることは高座を見て聴く事なので同じなんですけど、でも全然違う。それを痛感しました。
とはいえこれだけメリットもあるので、配信も生もいいとこ取りをしていって、ますます落語が沢山の人に広まって愛されるようになればと思います。

最後に少し硬いことをムニャムニャ書いてしまいましたが、とにかく寄席はこれまで通り楽しかったのでこれからもできるだけ沢山足を運ぶぞ!というのがざっくりした内容です(ざっくりしすぎ)。

読んで頂きありがとうございました。失礼します。