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しゃもじの試作の話


ちょっと前に知り合いの米農家さんからの依頼でしゃもじの試作をさせていただいた。

改めてしゃもじのことを考えてみると、単純な形と機能の道具なので選択肢も少なく、あまり遊びがない気がした。

ましてや最近は樹脂のものが主流で、米がくっつかないとか、立てて置けるとかの機能が優先されていて道具としての魅力は感じないものが多いと思った。

依頼主さんから、スウェーデン製のバターナイフを見せていただいて、こんな雰囲気がいいとご助言もらい、その形に面白みを感じた。

大体というかしゃもじは全て柄がまっすぐだが、それは片方に曲がっているので掴んだ時のホールド感が良かった。

ちょっと厚みのある柄にしたかったのと、樹種を複数使ってカラフルにしたかったので重ねて厚みを出した。

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今回はちょっと小ぶりに作ってみることにした。小さい方が小さいお茶碗によそりやすいと考えたので。

木材はいずれも飛騨の紅葉樹で、普通のしゃもじに比べて硬い木を使った。匂いも少ない木で、お米の香りを邪魔しないように。

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柄の形は2種類試してみた。どちらも握った感じはいい気がした。

材は接着しつつ、くさびとなる棒を入れて固定している。包丁などでよくある方法で、一本はアルミを使用した。

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完成後に一度展示会に出展してみると、とても良い反応で、男性女性に関わらず手にとってくれて感想をたくさん頂けた。

道具には面白みがある方が、毎日が楽しくなって良いと思う。

もちろんストレスなく使えることが前提ではあるけれど。


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