オリンピックとパラリンピックの活動の感想

私のFA(職種)はオリンピックではNOCアシスタント、パラリンピックではNPCアシスタントと呼ばれている。どっちも選手団アシスタントだ。担当国を割り振られ、その選手団の、主に団長や事務スタッフなどのお仕事をお手伝いする。オリ・パラ両方合わせてNCS(選手団サービス)とも呼ばれている。

オリンピックではNOCアシスタントとして計13日間、パラリンピックではまだ途中だが今日まで6日活動している。

どちらも担当国は同じ。ヨーロッパのベルギーである。活動する場所は主に選手村の居住棟内にあるベルギー選手団の事務所だが、これもオリ・パラ全く同じ場所だった。(一部の国はオリとパラで場所が変わる)

オリもパラも同じ国で場所も同じなら、やる内容は全く同じではないかと想像するかもしれないが、ベルギーの場合、オリとパラでは全くやることが変わった。

オリとパラでは選手・コーチももちろん完全に入れ替わるが、事務スタッフも完全に別組織。オリに引き続いてパラも残って仕事する、というベルギー人スタッフは一人もいなかった。

そうなってくるとボランティアの活動というか仕事を大きく左右するのが、ベルギー選手団の事務スタッフ。特にボランティアを担当するベルギー人スタッフの方。

オリの時の担当スタッフさんは、日本風に言うならばキャリアウーマン。女性の方でした。仕事もよくこなされ、本当に雑用みたいな簡単な仕事のみ我々ボランティアに頼んできました。

あと大きかったのは、選手団が独自に呼び寄せたとあるベルギー人。その方は日本のとある財団の職員ですが、日本在住歴はもう30年以上で、日本語も堪能。この方の働きがとても大きかったです。

多分、ベルギー人スタッフの中だけで業務はほとんど回っていたので、我々ボランティアまで降りてくる仕事がほとんどなかった、ということなんでしょうね。「何かトラブルが起きたときはお願い」というスタンスでしたが、そのトラブルというのもほとんど起きませんでした。忙しかったのは最初の入国の時と最後の出国の時。それと合宿地にいたチームが選手村に入村してきた時だけ。

水戸市で合宿していた陸上選手が入村してきた時は、その段取りと日本人との通訳でちょっと忙しかったです。まあその仕事も半日だけでしたけどね。

それ以外、競技の真っ最中の期間ははっきり言って、あまりすることがないヒマな期間が多かったです。私たち担当も3人いたのですが、これだけヒマだと3人もいらない、1人いれば十分ということで、シフトで1人ずつで回してました。さすがに最後の退村の時は忙しかったので、みんなで出てきました。

全体的に選手団の運営はよく組織だってて、あまり大きな混乱もなく、不満なども言われることは皆無でした。国際イベントに慣れてる感じ。さすがにそれなりの規模と伝統のある選手団だなと思いました。

さて今はパラリンピック期間のまっただ中。ボランティア担当のベルギー人スタッフさんは若手の男性の方。真面目な方で、オフィスのホワイトボードに今日やるべきことを箇条書きに書き出し、ボランティアとそのやるべきことを1個1個つぶしていってます。とても生真面目にボランティアさんがやる事を書き出してくれています。加えて、オリンピックの時に手伝ってくれた日本語の堪能なベルギーの方も、残念ながらパラは来てくれませんので、オリに比べてはるかに雑用が多くなりました。

そのベルギー人の方がやっていた仕事までボランティアに回ってきたと言うことで、オリの時は本当に助けてくれたんだなあと本当に実感した次第であります。加えて今回はトラブルが多い。来日してスタッフのスマホが使用不可になったり、やはり選手のアレルギーなどの関係か独特の食材が必要になるなど、オリではなかったトラブルがパラでは頻発し、その都度、対策に走り回ってます。選手村の内外で。

同じ国なのに、すっかりオリとパラでカラーが変わってしまい、それはそれでどっちもいいと思っています。

気がつけばもうパラも残り少なくなってきました。私の旅路も終盤ですが、最後まで楽しみたいなと思っています。

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