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アナログレコードの音

お元気様です。koishiといいます。
SpotifyやiTunesなど、スマートフォンで安く、YouTubeならタダで質の良い音楽をたくさん聴けるこの時代に、なぜレコードを聴くのか。私なりの見解をまとめてみました。

レコードとは

 1857年、レコードは始め振動板に豚の毛を付けすすを塗り、音声を紙の上に記録させたものでした。再生装置が当時なかったために実用化されませんでしたが、
1876年、日本では明治9年、ベルの電話機の発明により実用化の目処が立ちます。
 その翌年の12月、エジソンが「フォノグラフ」という蓄音機を発明したことにより、初めて再生可能なレコードが稼働しました。それから録音、再生可能な時間を伸ばしたり、レコード盤に使用する材質を変えたり、録音に工夫を加えたりすることで進化をしてきました。
 今現在ほとんどのレコードがLP盤と呼ばれるものと、それより再生時間の短いSP盤(ドーナツ盤)です。
 
 基本原理は、円盤(大抵は樹脂製)の溝に針で音溝(でこぼこ)を彫り、再生するときはこれまた針でその上をなぞっていくというものです。針でなぞった振幅の情報を増幅して再生します。

どんな音がなるのか

 レコードは何よりアナログですので、アナログな音がします。どういうことかと言いますと、現在の音楽の処理方法や再生方法はほとんどデジタルですよね。デジタルは0か1かの世界です。オンかオフかの世界です。つまり、思考実験として考えてみるとして、YouTube等から聞こえてくる音を超拡大してみると、0のときはスパッと切れとるわけです(細かい考えは割愛して)。0と1の組み合わせですので。
 
 対してアナログは0と1の他にも0.1やら0.8やらが存在し、途切れていることがないわけです。ですから、アナログレコードの音は柔らかいというか、人間の生暖かさのようなものを感じることができるのです。実際、ビートルズの曲を聴くとき、アナログレコードで聴くのとYouTubeで聴くのとでは全く違います。YouTubeで聴くと、相対的にではありますが、無機質な心地がします。
 
 それからレコード盤の特徴といいますか、定めといいますか、レコードの溝に静電気が帯電し、プツプツ聞こえることがあります。これはレコード盤に使用される材質を改良することで昔よりは軽減されているようですし、レコード盤のメンテナンスを頻繁に行っていればある程度は避けられますが、やっぱり多少はなってしまいます。人によっては、特にレコード ド世代の方々にとっては嫌なものかもしれませんが、私にとってはそれもまたレコードの味ですし、きれいな音を追求するのならばそれこそデジタル媒体を使うほうが良いのです。(あまりにプツプツ鳴るというのも頂けませんが (+o+)。)

レコードの醍醐味

 とは言っても、ある程度はレコードでもいい音を聴くために工夫をします。スピーカーと聴く人間の位置関係やレコードの水平、導線やレコードのメンテナンスなど手をかけてやります。このレコードの良さを最大限引き出すために行うひと手間が、レコードの醍醐味というか、美味しいコーヒーを飲むために豆の保存状態を気にしたり豆を挽いたり、慎重にドリップすることと少し似ている部分でもあります。

結果を楽しむだけでなく、その過程も楽しむ

 これがあるからこそのレコードではないでしょうか。ただレコードで音楽を聴くだけというのも良いですが、音盤をセットする手間、クリーニングをする手間、慎重に針をおとすその手間によって音楽を聴く行為に付加価値がつくのだと思っています。

たまにはイヤフォンを外して

 スマホとイヤフォンがあればいつでもどこでも音楽を聴くことができますが、レコードとレコードプレイヤーをお持ちの方は、眠らせるのではなく、たまにはゆっくり腰を下ろしてレコードを聴いてみてください。スピーカーから聞こえる音に時計の針音や風の音、車の通り過ぎる音や家族のおしゃべり、喧騒などの場の交響曲が混じって調和し、それらに耳を傾けることで素晴らしいひとときを過ごすことができますよ(^o^)。

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