詩「踏切線」
こい瀬 伊音
慣性の法則に
負けないブレーキをお持ちください
ふたつの放送が
防災無線から流れる
あのひとの背中は汗でつめたく
わたしはこもった熱を放つ
どんなに
くりかえしても
惰性では墜落
くりかえします
惰性では墜落
ただ坂の途中で先が見えないだけ
まっすぐにまっすぐに
飛びこみたくなる
空
おとしものは
ライダーの首です
ピアノ線にかかった模様です
………
2021.05.04
そらと読む、からと読む
のぼりなの、くだりなの
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?