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オリジナル小説【完結】地獄サンタ

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貴様にクリスマスプレゼントをくれてやれ、と 地獄サンタクロース課から通達が出ている。 なんでも願え。叶えられない願いなんかあったら地獄サンタの名折れだぜ。 …だがな、言葉には気… もっと読む
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記事一覧

地獄サンタ 特別篇【2009.12.】

                          2009年12月23日           …

地獄サンタ あとがき【2009.12.02】

そもそもこのお話は、ガイコツサンタのイラストから生まれました。 ガイコツサンタのイラスト…

地獄サンタ15 ・・の・・・・・【最終回】

 極楽へ昇ったときのことは、今思い出してもぞくりとするほどだ。  雲のトンネルを通り抜け…

地獄サンタ14 極寒地獄のおトヨ5

 やがてゆっくりと腕を緩めたおトヨは、それでも名残惜しそうに見慣れないオレの胸骨や頬骨を…

地獄サンタ13 極寒地獄のおトヨ4

 おトヨから額を引き剥がした。苦しくて堪らねえ。ぜいぜいと乱れた呼吸を整える。 「おめえ…

地獄サンタ12 極寒地獄のおトヨ3

* * *  ――オレがいる。おトヨのログの中のオレ、おトヨの目から見たオレだ。まだ生き…

地獄サンタ11 極寒地獄のおトヨ2

 三百三丁目はごうごうと轟くほどの吹雪だった。雪と氷に閉ざされた極寒地獄だ。  上空から目を凝らす。どこだ? 「いた! アンジー、そこだ。降りろ!」 「ああ、もう、わかったよ!」  ソリがヤケクソ気味に急降下する間に、オレは赤い上着を脱いだ。背骨とあばら骨だけの上半身が露わになるが、オレの体は暑さも寒さも感じやしねえ。  ソリが着陸する前に飛び降りて駆け寄る。  おトヨは鼻先まで雪に埋まっていた。雪の中へ骨の腕を突っ込んで引き抜こうとするが、なかなかじゃねえ。 「くそっ!」

地獄サンタ10 極寒地獄のおトヨ1

「よう、セブン」 「ロック。暫くだな。元気だったか?」  事務所の入り口から返ってきた声は…

地獄サンタ9 焦熱地獄の六郎太3

「願いの前に、二三訊いてもいいか?」 「なんだ、まだ決まらないのか?」 「セブン、私が答え…

地獄サンタ8 焦熱地獄の六郎太2

 突然、頭から冷たい水を引っかぶり、オレは驚いた。水をかけられたこともそうだが、桶一杯ほ…

地獄サンタ7 焦熱地獄の六郎太1

 ごうつくばりな地主め、今泉倉蔵のヤツめ! なにもかも貴様のせいだ。  日照り続きで米の…

地獄サンタ6 針山地獄の今泉倉蔵3

 ふん。笑ってろよ。すぐに後悔することになる。  オレは踵を返し、淡々とソリに乗り込んだ…

地獄サンタ5 針山地獄の今泉倉蔵2

 オレは、ターゲットを覗き込んだ。 「よう、今泉倉蔵」  ヤツは針山地獄の針に身体中を何百…

地獄サンタ4 針山地獄の今泉倉蔵1

 今にも握り飯を頬張ろうと、大口を開けたところだった。 「なあに? ロック、またおにぎり食べてるの?」  オレの楽しみを邪魔しやがったのは、ガイコツトナカイのアンジーだ。 「悪いかよ。この世に米ほどうめえものはねえ」 「ここはこの世じゃないけどね」  めんどくせえな。 「この世にもあの世にも、米ほどうめえものはねえんだ」 「毎日同じもの食べて、よく飽きないわね」 「オレが好きで食ってるんだから、放っとけよ」 「あたいはどうも、その赤くて酸っぱいのが苦手だよ」 「梅干だ」  仮