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HND-KMQ-HND-ITM-HND(47-50reg)

2022/11/XX

JA183 HND-KMQ B763(JA602J)

ついに今日で旅が終わる。
最後はお気に入りのコースで締めくくる。
羽田から小松、羽田へ戻り伊丹へ。そして羽田に戻ってゴールだ。
なんだか気持ちがしんみりしてきた。もっと旅を続けたい。

頼もしい翼と仲間たち

もうこの時点でセンチメンタルmaxで泣きそうだ。
大事な一日の始まりは、旅の最初に伺ったお店に行ってこの5か月を振り返ることにした。

フランセのアップルパイを持参し、あの素敵なお店へ。

なんて温かいんだ

お優しいマスターの作るイタリアンを味わいながら、次にここに来るのはいつになるだろうとぼんやり考えた。
いつでも来れるんだ、家から400㎞くらいしか離れてないんだ。たった45分のフライトで来れるんだ。大阪より近いんだから、いつでも来れるんだ。
そう言い聞かせるほど、いつの間にかこの街が大好きになってしまった。

後になってわかったことがある。わたしの母の家系は会津武士だと聞いていたのだが、もっと時代を遡るとどうやら北陸地方がルーツらしい。
だからこの街に来ると心がすっとするのかもしれない。妙に納得してしまった。

そしていつも空港で買っていた月よみ山路を買いに松葉屋さんへ。
たくさん買いたいところだが、おいしいものはみんなが買えたほうがよいので3本だけ購入。食べたくなったらまた来ればよいのだ。
猫にちなんだ名前の商店街をぶらぶら歩き、今はアパになってしまった旧いホテルの佇まいを眺めるなどした。今度来るときはここに泊まるのもありだな。
しんみりしつつ空港へ戻る。

とてもいい街なんだ


JA186 KMQ-HND B738(JA349J)

空港では小松基地カレンダーやあんころ餅を買ったりしてセンチメンタルを吹っ飛ばしていたのだが、保安検査の列に並んでいると遠くになにかが見えた。

「としぼう」

石川地本の募集イベントが開催されるようだった。もう自衛官になれない年齢だけどなにか協力したい気持ちが沸き上がる(邪魔なだけだからやめて)。
そういえば、もう何年前か忘れるほど前、当時わたしが勤務していた支店に広報官がイベントの案内をもって来ていた。
その広報官がすごいんだ。なにがって見た目が。
シティハンターの海坊主そのままなんだ。海坊主のモデルがあの人なんじゃないかと疑うほどだった。広報官は制服を着ているのが普通なのだが、海坊主はなぜか迷彩の戦闘服を着ていた。広報活動としては満点だろう。
わたしは目をハートにして、その地で開催される退任自衛官採用イベントにはもれなく参加した。当時勤めていた会社の業務と自衛官はあまりマッチしないにも関わらずだ。
当然誰も採用できなかった。面接には数人来てくれたが。
そんな昔話を思い出しながら、羽田へ向かう。一旦さよなら、小松。

JA119 HND-ITM A359(JA11XJ)

伊勢丹のカフェでココアフロートを飲み、次の便を待った。
子供の頃からココアが好きなのだが、自分では上手に作れない。
どうやら砂糖の量が少なすぎるようなのだが、わたしとしてはこれ以上砂糖を入れたくないと思うくらい多めに入れている。
ということは、お店で飲むおいしいココアにはものすごい量の砂糖が入っているということなんだろう。
もう考えるのはやめよう、おいしいんだからいいじゃないか。
自宅にあるほとんど減っていないバンホーテンの缶のことは忘れることにした。


楕円の窓がレトロでもあり未来でもある

伊丹に向かう時はいつも心がしんとする。
関西のあの明るくて優しくてちょっと切ない雰囲気が心を満たしてくれる。
これが49reg、今日は切なさが勝る。

JA126 ITM-HND B788(JA849J)

食欲はない

グランブルーでゴールデンパイナップルジュースを飲みながら、今日はこのまま大阪に泊まってしまおうかと思った。
最後の便に乗ってしまったらこの旅は終わってしまう。まだ旅を続けたい。じゃあ80regを目指したいかというとそういうわけでもない。ただのセンチメンタルだ。
もう終わりだとわかっていたのに、いざ別れようと言われたら嫌だと言って泣くのと同じ気持ちか。少し違うな。
脳内で欧陽菲菲姐の雨のエアポートを鳴らしながら、旅の終わりへ。

夕陽を背に東へ向かう

解脱を遂げた喜びもなく、旅が終わってしまい心にぽっかり穴が開いてしまったようだった。
自宅に向かう車中で、サファイアを維持するために毎年チャレンジするのもいいなと思い自分を励ました。

約5か月、20,000kmあまりの旅が終わった。

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