【サラリーマン生活】あいつもつらいんだ
わたしはサラリーマンだ。
どちらかといえば昭和のサラリーマンだ。
オッサン社員がヒステリーを起こして、どうでもいいことをわたしに絶叫した日の夜のことだ。
わたしは自席から離れた場所で資料を探していた。そこに上司がやってきた。
「今朝はごめんな、急に怒鳴られてびっくりしただろう。
あいつも家庭のこととかいろいろあってつらいんだ。わかってやってほしいんだ」
おいおいおいおい、家庭のアレコレを会社で八つ当たりするのを認めてどうするんだ。
上司よ、自分がマネジメント能力ないって言ってるってことに気づいているか。
気づいてないな。
わたしは無表情で言った
「2回目はないですよ」
今思えば、上司を脅してるような発言じゃないか。
なんて言えばよかったんだ。
しかし他の言葉が思い浮かばない。
生まれ直しても同じことを言うんだろう。
上司は、まぁそう言うなよ、みたいなことをつぶやきながら去っていった。
そして2回目はやってきた。
だが3回目はなかった。
2回目のあと、わたしが退職したからだ。
ヒステリーオッサンが退職の理由ではないが、一事が万事そんな調子の職場だった。
こんなアホな職場に付き合う必要はない。
サラリーマンは意外と会社にしがみつかない。
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