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ゴジラ-1.0を見てきたよ


あらすじ(飛ばしていいよ)


車で1時間半かかる美容院に行ってきた。
「今日はワックスどうされますか?」と美容師さんに尋ねられる。前回「なしでいいです」と答えて、「今日はもうお帰りになるんですね」と言われたのが頭をかすめ、全く人と会う用事はないが、お願いしますと答える。

美容院を出て1時間ほど車で戻ると丁度映画館のある区画がある。ゴジラ-1.0が気になっていたため寄っていくことにした。ウィンカーを左に倒す。

アメリカンビレッジと呼ばれるその区画は外国人も多い。ハロウィンの喧騒も落ち着き、クリスマスに近づくには暑すぎる気温のため、中途半端な服装の人々が行き交っていた。

駐車場は幸いにも1台空いており、これ幸いと車を停める。そこからは徒歩で3分ほど歩けば映画館である。時間は全く確認してないが、新作なので少し待てば上映されているだろうと楽観視し映画館に入る。

映画館の人出はまばらであった。いや、ガラガラであった。すぐに上部のディスプレイで上映時間を確認すると、幸運にも20分後に上映がある。すぐに発行機の前に進む。

ゴジラは11月3日に公開された新作映画にも関わらず、10席も埋まっていなかった。人がまばらな方が好きなので個人的には助かるが、映画業界これで大丈夫なのかという懸念が浮かんでくる。この県の映画人口が多くないだけかもしれないが。微々たる力だが、潰れないように定期的に通っている。

時間に余裕があるためそのまま売店でトリプルセットを買う。ホットドッグとポップコーン(キャラメル)、ドリンクはメロンソーダで1050円。これがいつも映画を見る時の標準装備だ。

しばらくロビーで待つと係員からアナウンスが聞こえてきた。新作なのでシアター1と思っていたが、別館で上映されるらしい。シアター1の方が設備が良いが、別館の特別感も嫌いではない。上映10分前になったので、外に出て階段を上る。

途中、女子中学生らしき3人組とすれ違った。少しだけ会話が聞こえてくる。「うーん、ゴジラはもういいかな」「そうだね」「うんうん」。今回前評判は全く見なかったため、これが最初に見聞きした評価である。名実ともに「-1.0」になった。映画が始まる。

これは神木隆之介..だよな?※以下ネタバレあり

本作は特攻部隊の主人公の敷島が乗る零戦が島に不時着するところから始まる。なんか全体的に古いな、と思っていたらまんま戦時中の話だった。全く事前情報を入れてないので、整備士の方々が出てくるまで異世界ものの線がもしかしたらあるのかと思っていた。

まあ、それはいいとして。神木隆之介がめちゃくちゃ男っぽい。いや男なんだけどね。中性的な神木隆之介を今までたくさん見てきたからか、似てる別の俳優かと少しの間錯覚するほどだった。

しかも結構気骨にあふれた軍人みたいな性格なので、ちょっと大丈夫なのかと構えてしまった。何故なら、神木隆之介が怒ったりすると反抗期に見えてしまわないか心配だったからだ。
ただ、話が進むにつれてそこの部分も制作側が織り込み済みでキャスティングしたんだろうなと納得した。あの役は神木隆之介がベストだったと思う。

こういう特撮が絡む作品は一歩間違うとギャグに見えてしまう事があるが、キャストが迫真の演技をしていたので上手く世界観に入りこめた。特に学者役の吉岡秀隆さんは良かった。この人演技上手すぎるな。もちろん他の役者の皆さんも総じて良かったと思います。

みんなのゴジラ像

ゴジラにはレガシーがありすぎて、十人十色のゴジラ像があると思う。怪獣、災厄、原爆の比喩、人類の敵・味方。今回は割と「モンスター」に近いなという印象を受けた。
人間に伝えたいことがあるわけでもなく、ただただ、襲う。その点今までのゴジラと比較してゴジラそのものの意味についてはあまりない。色んな見せ方があるが、今作においてはそれでよかったと思う。

何故か、今作は人ヒューマンドラマだからだ。

何が-1.0なのか帰りの車中で考えたが、
この作品は戦争で人間としての尊厳・感情・家族などを失ったマイナスの人間が、0に向かっていく物語なのだ。

そこにゴジラは実はこう思っていますみたいな情報が乗っかってくると物語が散らばり邪魔でしかない。あくまで失った人間達(取り戻すことも不可能になった者たち)が真っ新な状態に戻るための標的・装置なのだから。

1本の映画としてとてもまとまっていたので、この方策は正解だったと思う。

日本映画でもやっちゃえ!

ゴジラがモンスター化したので倒し方もとても具体的になります。学者コトーが提案したのが、泡でゴジラを深海に沈めて圧殺→浮きを展開させ急浮上させ水圧差で殺す。すごいシンプル。
この少しのバカバカしさとシンプルさが最高の作戦だなと思いました。ゴジラが神話化してないので、祈るとか追い返すとかは最初から全く選択肢に入ってない感じがいいね。吉岡さんめっちゃいい顔で殺すって言ってたもんな。

ただ、この展開だと封印ぽくなるのかなとなんとなく思っていましたが、神木隆之介によってそれも払拭される事となります。

いよいよ、ゴジラ総統作戦の日。ゴジラが想定通り動くわけもなく、予想よりかなりはやく内陸に入ってしまいます。
前日になんかいい事言ってみんな家に帰してた学者さん爪が甘くない?見過ごしたらn万人単位で死者でるんだから総員現場待機やろ、とかは思ってはいけません。ブラックとホワイトの飴と鞭だけが現場を動かします。

船乗りは陸じゃ無力なため、我らが主人公神木隆之介が戦闘機『震電』に乗って颯爽と現れます。

ゴジラと1機の戦闘機がこんなにやり合うのは初めてじゃないでしょうか。覚醒神木はかなりすれすれでゴジラを挑発し、海への誘導へ成功します。
このシーンカッコいいのでおすすめです。

これから先の作戦は書くのが面倒(劇場で見た方がいいので割愛します。
結果、めちゃくちゃ上手く行きます。

ゴジラは粉々に粉砕、特攻したが橘整備士の神采配でセーフ、なんだかんだ妻も生きており、、、みたいなご都合主義てんこ盛り定食です。

このご都合主義連打なんか既視感あるな、と思ったらRRRでした。結局お話の中でぐらいご都合主義やってもらわないと救いがないわけで、僕はご都合主義大賛成です。(多分作中5万人ぐらい死んでるけど。。。)

覚悟決まったやつより覚悟決まってない一般人の方が何も語られずにあっという間に死んじゃうという意味では現実世界においても何か活かすべきものはあるかもしれないですね。

最後の伏線みたいなものは私にとっては蛇足でした。まあ、ゴジラでよくある手法なので食べても食べなくてもいいパセリぐらいの印象ですが。

映画としては視聴後もスッキリした感じでおすすめです。女子中学生が「-1.0」にしましたが私で「0」に戻しておきました。ではまた。




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