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ブログ企画【繋】第66回「冬季五輪に出るならこの種目」

毎月1日に全国各地のメンバーがひとつのテーマで文章を書くブログ企画【繋】。
平昌オリンピック開幕が目前にせまる今回は、内田さんからホットなこちらのテーマをいただきました。

『タイミング的にはちょうどいいテーマだと思いました。冬季五輪は夏季五輪より地味ですが、もし出られるとしたらどの種目で出場しますか?もちろんやったことあるなしにかかわらず、「これなら面白そうだなぁ」という興味本位のものでいいと思います。どんな種目があるか検索してみるのもいいかも知れませんね』
お題発案者:内田祥文さんより


まずは、2018年平昌オリンピックにはどんな競技種目があるのか調べてみました。実施される競技は以下の通りです。

・アルペンスキー
・バイアスロン
・ボブスレー
・クロスカントリースキー
・カーリング
・フィギュアスケート
・フリースタイルスキー
・アイスホッケー
・リュージュ
・ノルディック複合
・ショートトラックスピードスケート
・スケルトン
・スキージャンプ
・スノーボード
・スピードスケート
出典:大会公式サイト


しかしこのテーマを書くにあたって、寒いのが大の苦手で、しかも体育会系というより文化系のわたしは、なかなか筆が進まなくてですね。

でも、ちょっと待ってください。

「冬季五輪に出るならこの種目」というテーマではあるものの、必ずしも選手として出場するならという想定はされていないですよね。

というのも、オリンピックへの参加の仕方というのは、選手として出場する以外にもたくさんあると思うのです。
会場やテレビの前で選手を応援する人や、選手をサポートする監督やコーチやトレーナー、大会のスポンサー企業や競技の結果を報じるメディアなどその参加の形はさまざまです。
選手以外にも、そんなたくさんの人々の力が集まってオリンピックは行われているのでしょう。

ということで前置きが長くなりましたが、わたしは少し趣向を変えて、「冬季五輪に何らかの形で出るならこの種目」という方向で進めていきます。


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


去年の4月10日、フィギュアスケートの浅田真央選手が現役引退を表明した。

それから一夜明けた11日、各メディアは彼女の功績や実力を讃える言葉や、リンクを去る背中を惜しみながらも感謝を伝える言葉、山あり谷ありの足跡をたどりながら彼女の魅力について語る言葉で埋め尽くされた。

そのたくさんの言葉を拾い集めながら、ニュース番組やネットや新聞の記事の中を渡り歩いていたさなか、東京新聞の記事の中のある一文に、文字を追う目が止まった。

トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を抜きにして浅田真央は語れない。跳べる女子は少なく、代名詞である看板の得点源。「少し悩ませるものであり、一番大きな武器でもある」という華やかな大技は、もろ刃の剣でもあった。あの独特な助走は、見る者に祈るような思いを抱かせた。


わたし自身、もともとスポーツ全般にそこまで強い関心があるわけではない。
小学生の頃にスイミングを習っていたくらいで、学校の体育の授業は嫌いだった。体育祭なんかは率先してみんなをまとめあげたり、華々しい活躍を収めて得点に貢献するタイプではなく、組団の展示物やおそろいのTシャツをデザインするなどして裏方に徹するタイプ。

だからだろうか、スポーツ選手が偉大な記録を打ち立てたり、その活躍が取り上げられたりする報道を耳にしても、「すごいな」と思うことはあっても、選手と自分の姿を重ね合わせるなどということはそうそうなかった。

ただひとり、浅田真央という選手を除いてはーー。

4つ年上にもかかわらず、「真央ちゃん」と呼んでいた。
年が近いこともあってか、衝撃のグランプリファイナル初優勝でその存在を知ってから今まで、いつしか少女から大人へと移りゆく彼女の姿と自分の姿を重ね合わせながら、勝手にいっしょに大きくなっているような気持ちになっていた。

毎シーズン欠かさず、彼女の演技をテレビの前でじっと見つめた。
彼女が着用していた衣装や選んだプログラム曲は、その年が彼女にとってどんな年であったかという記憶と紐付いている。 それぞれの衣装を見ただけで、プログラム曲を聞いただけで、リンクの上でフィニッシュポーズを決めた直後に客席に向かって手を振る表情が、キスアンドクライでコーチの隣で得点を待つ横顔が、その後のインタビューで残した数々の言葉が鮮明によみがえってくる。

彼女の衣装やプログラム曲が、彼女にとってその年がどんな年であったかを物語っているのと同じように、わたしにとっては彼女の足跡そのものが、わたし自身がその時々をどのように過ごしていたかという記憶とともにあるのだ。


そして迎えた、引退会見から一夜明けたあの日。


「あの独特な助走は、見る者に祈るような思いを抱かせた」


この一文を目にしたとき、演技冒頭でトリプルアクセルに入るまでのあの助走と、あの数秒を固唾を飲みながら見ていた記憶が一瞬にしてよみがえった。
氷上で華麗に滑る浅田選手と、その姿をテレビの前で追い続けてきた自分自身が、たった一行のこの言葉によって結びつけられた気がしたのだった。


この出来事に背中を押されたわたしが冬季五輪に何らかの形で出るとするならば、迷わず新聞社のスポーツ担当の記者としての参加を選ぶだろう。
そして何としてでもフィギュアスケートの記事を書かせてもらいたい。
フィギュアを選んだのは、ほかでもないあの記事の一文に借りができてしまったからだ。
言葉には言葉で、借りを返しにいかなければならない。

人々を魅了する人物の近くには、必ずその存在を追いかける光があって、その言葉に耳を傾ける人たちがいて、その魅力を伝える場所がある。
彼ら・彼女らとわれわれを、言葉で結ぶ人たちがいる。

どうやらわたしは、選手として表舞台で活躍するよりも、その活躍を言葉で追う裏方の方が性に合いそうだ。



✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

ここからは余談になりますが、最後に平昌オリンピックに関してわたしが長らく思い続けてきたことを書いて終えますね。

「平昌」って書いて、「ぴょんちゃん」。


え、あの、めちゃくちゃかわいくないですか?


これ今のところどこで話しても微妙な反応と愛想笑いしか返ってこないんですけど、犬でも猫でもハリネズミでも何かペットを飼ったとして名前をつけるってなったら、わたしは迷わず「ぴょんちゃん」ってつけたいんです。

なにより音の響きのかわいさが他の追随を許しません。
声に出して読みたい日本語、堂々の第1位。


だからですね、よくテレビとか見てると、

アナウンサー「続いては、平昌オリンピックのニュースです!」

選手「まだまだ課題が残る結果だったので、ピョンチャンまでにしっかり調整したいです」

とかって言うじゃないですか。


あ〜〜〜〜耳が幸せ〜〜〜〜!!!!


とくに開幕が目前となった今の時期は、もう溢れんばかりの「ぴょんちゃん」がいたるところで聞けるので、わたしはとてもしあわせだよ……

「ぴょんちゃん」って発したところの音声だけを集めた音源がiTunesとかにあったら、そこそこの課金してでも買うわ。

これから約1ヶ月間、さらに多くの「ぴょんちゃん」が聞けることを、日々の勉強の支えにしようと思います。


はい、そんな今回の冬季五輪での超個人的な見所(聞き所?)をご紹介したところで結びとさせていただきます。

以下より、ほかのメンバーの皆さまの文章も合わせてお楽しみください。


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