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独身男女150名を集めて初めて開催した大規模婚活イベントは大失敗!

手探りで始めた大規模な婚活イベントが大失敗!この失敗を糧に毎回イベント内容の見直しを重ねて、事業開始1年目は14回も大規模婚活イベントを開催した。趣向を凝らし、インパクト重視のイベント内容とした結果、数多くのメディアに取り上げられ、こいのわの認知度の向上や会員数の急増につながっていった。


インパクトのある婚活イベントの開催

婚活イベントを行う時の最大の課題は、参加者の確保である。そのためには、我々の婚活事業である「こいのわ」の認知度を高める必要があった。

その戦略としては、
➤県内の多くの独身男女が県が婚活事業を始めたことをテレビや新聞などのメディアを通じて知り、
➤さらに様々なメディアにおいて繰り返し見かけることにより興味を持ち、
➤こいのわサイトに掲載されている婚活イベントを試しに検索し、
➤楽しそうだなと思って会員登録して、
➤婚活イベントに申し込みを行い、
➤実際に婚活イベントに参加する
という一般的なマーケティングのフレームワークを意識していた。

そのため、「メディアを通じてこいのわを知る」ことや、「様々なメディアにおいて繰り返し見かけることにより興味を持つ」ためには、テレビや新聞などの様々なメディアに繰り返し取り上げてもらう必要があるため、インパクトのある戦略が必要であると考えた。

そこで考えたのが、年間通じて大規模かつインパクトのある婚活イベントを次から次へと行うことであった。

その婚活イベントの内容は、ホテルや結婚式場などの大きな会場で行う一般的な婚活イベントだけでなく、クルーズ船やスタジアム、動物園、遊園地を舞台とした婚活イベントなどメディアが取り上げてくれそうな内容とした。

また、様々な団体のイベントとのコラボも行った。

その結果、数多くのメディアに取り上げられ、開始初年度のこの取組に関する広告換算額は確認できたものだけでも2億円以上にもなった。この広告換算額以外でも、この取組が映画化されるというおまけまで付いてきた。

この取組を始めるにあたって、県では婚活イベントの企画や運営に関するノウハウがまったくなかったので、初年度は結婚相談所を運営しているイベント会社に委託を行った。

このイベント会社から提案されたイベント企画の内容にはインパクトがあったが、いざ契約を締結する際にこのイベント会社から「実は10名以上が参加する婚活イベントは開催したことがない。」とのカミングアウトを受けたのであった。

大規模婚活イベントは、本県でも初めての取組であり、委託事業者にとっても未知のイベントであったため、ある意味、お互い怖いもの知らずということで様々な企画を勢いで実施してきた。

初年度はこのイベント会社と14回の大規模婚活イベントを開催し、1,350人の独身男女が参加して、171組のマッチングカップルが誕生した。

なお、全14回のイベント定員1,380人に対して、3,557人もの応募があり、こいのわの認知度が高まったとともに、同時に開催していた地域のボランティア団体による婚活イベントへの応募も急増することとなった。

参加者が100名以上の大規模婚活イベント

初めてのこいのわイベントの開催

コンセプトは大規模婚活パーティー

初めてのこいのわイベントは、大規模婚活パーティーをコンセプトに、本県のホテルで最も大きな会場を所有している会場において、男女各80名の合計160名定員で開催することとした。

後に本県で開催されたG7サミットの主会場となるホテルであり、海に面したチャペルや、オーシャンビューの宴会場などを有しており、男女の出会いの場としては最適だと考えた。

開催日程だけを決めて、まずはイベント会場の予約を行った。

我々も委託事業者も大規模婚活イベントの実施経験はなかったものの、婚活イベントでやりたいことがいろいろあったことから、企画内容が盛りだくさんとなり、イベント内容の企画検討に時間を要することとなった。

そのため、当初に予定していた募集開始日が遅れ、募集期間が短くなったものの、男女各80名の定員に対して、男性83名、女性108名の応募がすぐに集まった。

いきなりの失敗

男女とも定員を超える応募があったため、厳選な抽選を行い、当選した男女各80名に対して、電子メールで当選連絡を行った。しかし、男女各80名に対して当選の連絡をしたにも関わらず、当日の参加者は男性63名、女性84名であった。これには大きな失敗があった。

なぜ、イベントの参加者数が当選者数と大きく違ってしまったのか。それは、当選者に電子メールを送っただけで、このイベントへの参加確認を行っていなかったためであった。

婚活イベントの開始時間が近づいているにも関わらず、まだ会場に来ていない男性が多数いると受付係の職員から連絡が入った。

慌てて参加予定名簿に載っている男性の連絡先に電話をかけてみると、「当選メールに気がつかなかった」や「当選したのは知っていたけど行く気がなくなったのでやめた」のような回答があった。

これは、電子メールによる当選連絡の後に、このイベントへの参加確認を行っておけば防げたものであった。

一方で、女性の当選者は全員イベントに参加していた。さらに、落選の連絡を受けたがどうしても参加したいと思い、会場に来てみたという女性が数名おり、仕方がないので参加させたために女性は定員以上の参加者数となった。

こうした結果、男女の参加者数のアンバランスが生じてしまったのである。

この失敗を踏まえて、これ以降のイベントでは、当選連絡の後にイベント参加への意向確認を個別に行うこととした。時間がかかる作業ではあったが、男女の参加者数を揃えるというのは婚活イベントで一番重要なことであるため仕方がなかった。当選した人からイベントへの参加連絡があった場合に参加確定とすることとし、参加者名簿に載せるようにイベント前の業務を一つ追加した。

また、抽選時に「当選」、「繰上げ候補」、「落選」の3つの区分に分けて抽選を行い、「繰上げ候補」として男女数名をキープすることも行った。当選したがイベントへの参加の意思が確認できない人や、参加確定した人がキャンセルを行った場合に、この「繰上げ候補」の申込者に順番で連絡を行い、イベントへの参加の意向確認を行った。

このようなオペレーションに変えた結果、2回目以降のイベントからは定員と同じ参加者数が確保でき、男女間で人数差が出ずにイベントを開催することができるようになった。

この参加者名簿の確定方法については、後の専用サイトでもシステム内に組み込んだ。回りくどいやり方ではあるが、婚活イベントでは、参加する男女の人数に差が発生してしまうことが最も避けなくてはいけないことであるため丁寧に行うこととした。

お節介なおばちゃんたちを投入

婚活イベントの内容については、やってみたいことはいろいろとあったが、最初は大規模パーティーというコンセプトから、フリータイムを中心としたイベント内容とした。広い会場に20ほどの丸テーブルを配置し、ブッフェ方式の立食でのフリータイムである。

30分程度で別のテーブルに移動するように促して、まだ会話ができていない人と交流できるようにと考えていたが、そうは簡単に動くわけもなく、会場の隅っこで固まる男性参加者や同性だけで集まって話しをしている女性参加者などが目立った。

そのため、この婚活イベントには、おばちゃんたちにお節介役として来てもらっており、こうした参加者の背中をどんどん押してもらった。このおばちゃんたちのイベント内での動きには、婚活のプロである委託事業者もびっくりし、感心していた。

おばちゃんたちの活躍もあって、イベントはある程度の交流が進んだが、やはり大規模パーティーでは相当な仕掛けをしないと参加者が盛り上がらないことを実感したイベントとなった。

ちなみにこのおばちゃんたちの活躍は、取材に来ていた日テレとテレ朝の翌日の情報番組で取り上げられたこともあり、県だけでなく、おばちゃんたちのところにも問い合わせが殺到した。

ほとんどが、「うちの息子にもいい人を紹介してほしい」という母親からの電話であった。

参加者が100名以上の大規模婚活イベント

マッチングのないイベントは盛り上がらない

婚活イベントの最後は男女のマッチングといきたいところだが、実は最初のこいのわイベントではマッチングを行っていない。マッチングの代わりに、自分の氏名と連絡先を書いたカードを気の合った異性と交換する時間をイベントの終わりに設定していた。

でもそもそもおばちゃんたちのお節介がないと動けない人たちがこのカードを使えるわけもなく、まったく盛り上がらなかった。もちろん準備していたこのカードも大量に余ることになってしまった。

こいのわのミッションは独身男女の出会いの場づくりであったため、最初はマッチングを行う予定がなかったが、おばちゃんたちの婚活イベントを視察してから、やはり婚活イベントにはマッチングが必須だと感じていた。

そのため、このイベント企画時にマッチングをやってみたいと提案したものの、委託事業者からは10名以上のマッチングは集計に時間がかかるため不可能だと言われて諦めてしまっていた。

しかし、実際に婚活イベントを実施してみて、やはりイベントの最後にマッチングがないと盛り上がらないと感じ、次のイベントからは時間がかかってもマッチングを実施してみようということとなった。

<初めてのこいのわイベントの進行>
 16:30 受付開始
 17:00 イベント開始
 17:10 フリータイム開始(19:00まで)
 17:30 グループ対抗クイズ(クイズ後はフリータイム続行)
 18:00   〃
 18:30   〃
 19:00 自己紹介カードの交換
 19:30 イベント終了

2回目の婚活イベントはBBQ

1回目の失敗をすべて修正し、婚活イベントは大成功

失敗した大規模婚活パーティーの1ヶ月後に2回目のこいのわイベントを開催した。2回目の婚活イベントは男女各30人定員の郊外のワイナリーでのBBQ婚活イベントであった。

このイベントは比較的少人数での開催であったため、おばちゃんの婚活イベントで見てやってみたかった1対1トークタイム、フリータイム、マッチングタイムと婚活イベントの王道の流れを行ってみた。

初めて実施したマッチングタイムでは、参加者に配布したマッチングカードに気になる異性の番号を二人まで書けるようにして、参加者から回収後、スタッフで集計を行った。

集計と言っても、番号がマッチングしているカードを探すのであるが、時間をかけないように事前にスタッフで何回か練習も行っていた。

イベント進行は順調に流れ、フリータイムは非常に盛り上がり、結果としてマッチングカップルが8組も出るなどイベントは大成功であった。イベント終了後にスタッフ全員がイベントの成功に喜び、大きな達成感を味わったのを覚えている。

ワイナリーでのBBQパーティー

このイベントの唯一の失敗

唯一の失敗は、このイベントがBBQでのイベントであったため、参加者が焼き肉のタレの入った皿とドリンクとイベントで使う各種カード類を持って席を移動しないといけないことであった。

参加者は荷物を持っての席移動となるため、移動に時間がかかったほか、会場の至るところで焼き肉のタレをこぼすという事件も起きた。このときの対応で存在感を示す男性も出てくるなど、全体的に大成功のイベントとなり、我々が婚活イベントの開催への自信を深めるきっかけとなった。

なお、今回の反省を踏まえて、イベント会場には参加者の荷物をまとめて預かるスペースを設置することとし、婚活イベントで使う各種カード類は専用のホルダーにまとめて参加者に配布するように改善することとなった。

<BBQこいのわイベントの進行>
 10:30 受付開始
 11:00 1対1トークタイム
 12:00 BBQを食べながらのフリータイム(4回席移動)
 13:20 マッチングタイム
 13:30 マッチングカップル発表
     イベント終了

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