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価値観マッチングを導入した婚活イベントを開催してみた
価値観の合う男女はきっとうまくいく。そうだとすれば婚活イベントも簡単になるし、成婚数も増えて、事業効果が高まることになる。婚活イベントでたまたま出会った相手がいいのか、それとも仕組まれて出会った相手がいいのか。そのことを調べるために価値観診断を取り入れて婚活イベントを開催してみた。
価値観マッチングとは
AIがお見合い相手を選んでくれる時代の到来
行政が行う婚活事業のトップランナーである隣県が新たな取組を始めた。多くの会員の中からお見合い相手を選ぶ際に、AIがぴったりの相手を選んでくれるというサービスを開始したのである。
会員が多くなるほど、自分に合いそうなお見合い相手を見つけることは困難である。この悩みをAIが解決してくれるというものであった。
人間の性格や行動は数十種類のグループに分けることが可能だそうで、過去の成婚実績に基づくビッグデータからそのグループ同士の相性も判定できるそうである。
このビッグデータと本人の好みからAIが最も相性が合いそうな相手を見つけてくれるという仕組みである。
直感ではなく、AIに頼るという何とも現代的な仕組みであるが、AIが選んでくれた相手であればなんとなく相性が合いそうな気もしてくる。
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婚活イベントでも価値観マッチングをしてみたい
この取組はお見合い相手を選ぶための手段ではあったが、婚活イベントでもこうしたAI技術を活用できないものだろうかと考えた。イベントの中で少しだけ会話をするだけで相手を選ぶというのは参加者の直感に頼っていると言わざるを得ない。
しかし、イベント参加者の中に相性がいいという人が事前にわかっていたらどうだろう。
単純に考えると、お互い相性がいいのでイベントでの会話は盛り上がり、マッチングした場合にはすぐに交際に発展し、きっと成婚までつながるだろうと想像ができた。
もし、こいのわの専用サイトにこういったシステムが導入できれば、会員は自分と相性がいい人が多く参加するイベントを狙って申し込めばいいし、イベント運営側は参加者を確定する際に相性がいい参加者のみを選定すれば成婚の確率が高まるのではという妄想はどんどん膨らんでいった。
こうした中、全国の担当者会議において、価値観診断によるお見合いサービスを行っている民間会社の講演を聞ける機会があった。
この価値観診断であるが、対象者に100問の質問に答えてもらうことで、「交流性」や「共感性」、「尊重性」、「感受性」など12の個人の性格が導き出され、この導き出された性格から対象者が一人の世界を好む人なのか、多くの人と交流を求める人なのか、自分の思いを貫こうとする人なのか、他人との感情の交流がしっかりできる人なのかといった価値観が分析できるものであった。
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この時の講演では、やはりお互いの価値観が合う男女であれば、交際に発展する割合も高く、交際中に「あれ?」と思うようなことがあっても、事前に相手の価値観がわかっているので許せるとのことであった。
お見合いではなく、婚活イベントだけで勝負している本県にとっては、この価値観マッチングはやってみる価値があり、うまくいくようであれば専用サイトのシステムに組み込むことまで考えて、婚活イベントで試しにやってみることとした。
価値観診断をスタッフもやってみた
この価値観診断が婚活イベントへの参加のハードルにならないように、アンケートの設問を従来の半分の50問として婚活イベント参加予定の男女に回答してもらった。
なお、我々もこの価値観診断に対して半信半疑であったため、自分たちでもやってみることとした。スタッフそれぞれの詳細な性格と個人の価値観の分析をしてもらうとともに、スタッフ間の相性も調べてもらった。
個人の結果は思ったとおりのものであったが、スタッフ間の相性は非常に興味深い内容であった。
ある企業ではプロジェクトチームの編成や人事に活用しているところもあるそうである。確かに価値観の合う人が多い職場では活気があり、生産性の高い仕事ができそうな気がする。
その一方で、価値観の合う人が少ない職場では活気がなく、淡々と仕事をして、生産性は低そうなイメージがある。
今回の価値観診断の結果、我々のチームはそれぞれのスタッフが得意分野を生かして他のスタッフを補っているチームであり、価値観マッチングの奥深さがわかったような気がした。
価値観診断を導入した婚活イベントを開催
婚活イベント参加者への価値観診断
婚活イベントの参加者への価値観診断を行った結果、男女とも「共感性があるグループ」や「一人が好きなグループ」、「社交性のあるグループ」などのいくつかのグループに分けることができた。
もちろん、「社交性がなく、共感性もない」という婚活イベントには不向きと思われる参加者もいた。
婚活イベントの中でのフリータイム時には、この価値観グループごとでの移動として、グループ間で相性がいいグループが必ず交流できるよう移動させた。
また、参加者個人でも価値観診断でお互いの相性がいいという男女がいたため、フリータイムが始まる前にその男女に対してこっそりと該当者を伝えた。
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ただ、このように価値観の相性がいいと伝えた場合、その該当者は逆に動きがぎこちなくなってしまい、積極的に動けないという人が多かった。そのため、2回目以降の価値観診断を導入した婚活イベントでは、フリータイムの後半で該当者に伝えるように工夫をした。
婚活イベントでいつもうまくいかない会員たち
また、今回の価値観診断を導入した婚活イベントは実験的な要素が強いので、これまでに何度も婚活イベントに参加しているがなかなか結果が出ていない会員も入れてみた。
この会員たちの価値観診断の結果は、社交性がなかったり、共感性がないなど、ほとんど同じようなグループに属することがわかり、婚活イベントには向いていないこともわかることとなった。
また、自分のことをオープンにできる開示性も低く、自分の意見を押し通そうとする独立性も高いこともわかり、たとえ婚活イベントでマッチングしても恋愛には発展しないように思えた。
こいのわをすぐに卒業する会員と、何回も婚活イベントに参加してもダメな会員の違いがわかったような気がした。
そのため、価値観診断を入れた婚活イベントを開催する際には、イベントの前座として、価値観診断の結果を伝えるだけでなく、診断結果の見方やこれからの婚活イベントで注意することを伝えるセミナーも合わせて開催してみた。
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価値観診断を入れた婚活イベントの結果
この価値観診断を利用して、相性が合いそうな人たちを積極的に交流させるという婚活イベントは成功したが、相性がいいとされた男女のマッチング率が通常よりも高くなるわけでもなかった。
また、たとえマッチングしたとしても、交際に発展し、成婚にまで進展することはなかった。
やはり、男女の恋愛に関してはAI技術が及ぶ分野ではなく、あくまでも交際に至るまでのきっかけの一つに過ぎないこともわかり、こいのわの専用サイトのシステムへの組み込みは見送ることとした。
<価値観診断×こいのわイベントの進行>
10:00 受付開始
10:30 イベント開始
価値観診断のセミナー開始
10:30 休憩
10:40 1対1トークタイム
11:30 フリータイム(20分おきにグループチェンジ)
13:00 個人で移動する完全フリータイム
(価値観診断でマッチングしている相手を伝達)
13:50 マッチングカード提出
14:00 マッチングカップル発表
イベント終了
マッチングしたカップルへのフォロー説明
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