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婚活イベントの開催回数を増やしたい

ボランティア団体による婚活イベントを活性化してきたが、その開催場所は山間地が多く、都心部での開催は少なかった。ただ、こいのわ会員の多くは都心部に在住している。そのため、都心部でも婚活イベントの開催経費を抑えつつ、イベントの開催回数を増やす方法を考えた。


行政の関与がなくなってもボランティア活動が続くように

行政が行う事業は突然終わりを迎えることが多くある。
その時代その時代の社会情勢に応じて必要な事業が生まれては消えていくためであり、その役割が終わったり、成果が出なかった事業が廃止されたり、事業見直しにより、新たな事業に生まれ変わってきた。

婚活事業は民間でも行っている事業であるため、行政で行う必要がなくなれば、当然に事業終了となる。

こいのわの取組については、開始早々から登録会員が急増し、イベントがきっかけで出会い、結婚にまで至るカップルが早くから発生するなど順調に成果が出ていたが、県の関与がなくなっても県内各地での婚活の取組が継続できる方法を考えていた。

その一つがおばちゃんたちのような婚活イベントを地域で行っているボランティア団体の活動の活性化であり、もう一つは飲食店のお客の少ない空き時間を活用したボランティアによる婚活イベントの開催であった。

ボランティア団体の婚活パーティー

地域のボランティア団体は、それぞれの地域で地元に密着した婚活イベントを開催している。
こうした団体の活動を活性化させるため、
・ボランティア団体立ち上げやイベント運営に要する経費への補助金の支出
・婚活イベントの新たな手法の伝授のためのセミナー開催
・ボランティア団体間の交流
・専用サイトによる婚活イベントの企画や参加者募集などのイベント開催までの事務の省力化
といった支援を行ってきた。

この結果、地域でのボランティア団体による婚活イベント数は増加し、初年度の実績としては、21のボランティア団体が28回の婚活イベントを開催して、参加者数は1,124名、マッチングは135組となり、安定的に出会いの場の確保ができるようになってきた。

婚活初心者が参加できるイベントは都心部には少なかった

都心部ではこうしたボランティア団体による活動がほとんどなかった。
しかし、ターゲット層である若い未婚の女性の大半は都心部に多くいる。

こいのわの登録会員のうち約6割が女性であり、その多くは都心部に住んでいるという実態からも都心部での婚活イベントを多く開催する必要があるが、そもそもそれを担うボランティア団体がおらず、県で直接実施するには予算も限られており、都心部での婚活イベントの開催は増えない状況が続いていた。

ただ、都心部では民間事業者による婚活イベントは多く開催されている。

しかし、こいのわ会員へのアンケート調査によると、民間事業者の婚活イベントへの参加はハードルが高く、踏み出しにくいという意見が多かった。
実際にこいのわ会員のうち、民間事業者の婚活イベントに参加しているのは会員の約3割程度であり、こうしたことからも都心部でのこいのわイベントを増やす必要があった。

都心部でのイベントを増やすにはどうしたらいいかと常に考えていた中、県庁の近くにあるお洒落なカフェが目にとまった。
こういう店で婚活イベントが開催できたら雰囲気もよくて会話が進み、マッチングするカップルも多いんだろうなと思ったが、会場の借り上げ費や司会進行の人件費などの経費を考えてしまい、開催は難しいと感じていた。

初めて婚活イベントを開催したカフェ

都心部での婚活イベントは飲食店の空き時間で開催

仕事の帰り道にこの店の前を通ることが度々あった。
ある日、近づいてガラス越しに店内を見てみたら、夕食時にも関わらず客は少なかった。たまたまだろうと思っていたが、翌日の帰り道にも店内を見たら同じように客は少なかった。ランチタイムには常に行列ができている人気店である。

その翌日の帰り道に今度は客として入店し、店長に話を聞いてみると、平日の夕方からの時間帯はいつも客は少なく、夜の営業を今後どうするか考えているとのことであった。

この店はランチタイムに力を入れているカフェであり、夕方以降はうちではなく居酒屋に行くのではないかという話しであった。

メニューの中にアルコールはあるものの、夕方の店内を見渡しても、来店している客層は、窓際にはカップル、ソファー席には子連れのお母さん、店の奥の席ではパソコンに向かって仕事をしているOLといった感じで、店長の言うとおりであった。

しかし、この店は都心部の繁華街の中心にあり、バスターミナルや電車の駅も近くにあるにも関わらず、このような状況はもったいないと感じた。

そこでノープランではあったが店長に夕方以降の客が少ない時間にこの店で婚活イベントをやらしてもらえないかと相談してみた。交通の利便性が高く、立地が良いことや、お洒落なカフェとしても有名であることからイベントの参加者を集める自信があった。

夕方からの客が少ない時間帯を満員にした上で、イベント参加費をそのまま店に渡すこともできる。店長からの返事は快諾であった。

想定どおりであったが、店としても、客の少ない時間帯に県が集客を行って、店を満員にしてもらえること、参加費として入ってくる金額が見込めること、店の利用時間が決まっていること、新たな客層に店を知ってもらうきっかけになるということから即答であった。

これで都心部で婚活イベントができる会場の目途が立った。

居酒屋を会場にした婚活イベントの様子

都心部でのイベントは誰が開催するのか

都心部での開催場所は飲食店をターゲットとすることにして、開催できそうな飲食店に対して片っ端から営業を行った。
その結果、ある程度の件数を確保することができたが、誰がイベントの進行を行うかという問題があった。

県が直接開催することにした場合、県が関与しなくなった途端に都心部での独身男女の出会いの場がなくなることになる。そのため、イベント開催ができるボランティアの養成を行うこととした。


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