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素人の地方公務員が婚活イベントの司会をしてみた

都心部での婚活イベントの会場問題は、飲食店のお客が少ない時間帯で開催することとしてクリアとなったが、イベントを進行するスタッフの問題が残っていた。そのため、素人ではあるが、まずは我々が婚活イベントを進行してみることとした。


素人の公務員による婚活イベントの進行

これまで県主催の婚活イベントは結婚相談所を運営しているイベント会社に委託をして実施してきた。同じように都心部の店舗でもイベント会社に委託して行うこととしたら、県が関与しなくなったときに都心部での婚活イベントがなくなることになる。これでは元も子もない。

ただ、そうはいってもイベントを進行できるボランティアもいない。
そのため、婚活イベントを進行できる自信はなかったが、婚活イベントを開催しているボランティア団体のおばちゃんたちのイベントを参考にして、まず我々でやってみようと考え、県職員5人で開催することにした。

婚活イベントの進行の企画

イベントの進行であるが、おばちゃんたちのイベントでもあった1対1トークタイムは必ず入れたいと思っていた。1対1トークタイムの後はフリータイム、その後はマッチングタイムという婚活イベントの王道の流れとした。

1対1トークタイムで最も重要なことは、次のフリータイムで「もうちょっと話しをしてみたい」と思える人を探すことなんだとおばちゃんたちから教えてもらっていた。

そのため、1対1トークタイムでは話題が途切れずに会話が盛り上がるよう、『自己紹介カード』を交換して会話をする方式とした。このカードには、年齢や血液型、趣味や特技だけでなく、長所や短所なども記入ができるようにした。

1対1トークタイムで使う自己紹介カード

1対1での会話を行うために男女が向かい合わせとなる配席が必要になるので、店のテーブルの数やフロアの形状から募集人数は男女20名ずつの40名とした。

1対1トークタイムの次に行うフリータイムでは、必ずといってもいいくらい会場の端で固まる参加者や同性同士で固まって話し出す参加者が発生する。

そのため、フリータイムではこうした参加者を発生させず、会話が盛り上がるように10分程度で席移動を促し、会話の相手を変えることとした。

<イベントの流れ> 

18:30 受付開始~自己紹介カードの記入
19:00 イベント開始、イベントの流れの説明
19:05 1対1トークタイム開始(トーク2分・移動30秒)
20:00 フリータイム(席替えを10分程度で実施)
20:45 マッチングカードへの記入~カードの回収、マッチング結果の集計
21:00 マッチング結果発表

婚活イベントの運営体制

イベントの運営体制は、県職員1名が進行役で、残り4名をお節介役とした。また、参加費については店と交渉の結果、ドリンクと食事付きで3,500円と設定し、参加者が受付時に店に払うことにした。ドリンクはアルコールなしのドリンクバー方式とし、料理はビュッフェスタイルとした。

最後のマッチングタイムでは、気になる異性の番号を第2希望まで記入できる『マッチングカード』をフリータイムの終わりに集めて、表計算ソフトで作成したマッチング判別表に入力して集計を行い、最後にマッチング結果の発表を行ってイベント終了といった進行とした。

婚活イベントを初めて開催してみての反省

初めての手作りでの婚活イベントは男女各20名が参加し、マッチングカップルが6組でき、無事に終わったものの様々な課題が残った。

まず、1対1トークタイム時の席移動が予想以上に時間がかかったことである。これはイベント進行に慣れていない県職員で行ったため、席移動の誘導にもたついたことや、店の形状の問題で移動しにくかったことが原因であった。なお、一人あたりのトーク時間は2分を確保したかったので、イベント時間を延長することとし、伸びた時間は店長と交渉し、終了時間を延長させてもらった。

イベント中に提供する食事に関しても課題があった。
参加者はイベント中ずっとしゃべり続けるためドリンクは順調に減ったが、食事はなかなか減らなかった。夕飯時なのでお腹が減ってはいけないと思い、店内の真ん中にビュッフェスタイルで大皿にてんこ盛りで料理を提供したが、大量に余らせることとなってしまった。

婚活イベントの様子

また、フリータイムの際にも問題が生じた。
今回のフリータイムでは自由に動いていいというルールとしたため、フリータイム中に一人の女性参加者に男性参加者が集中してしまうという事態が発生した。そのため、会話する相手がおらず、ひとりぼっちとなる男女が発生してしまったのである。4名のお節介役の県職員がひとりぼっちとなった男女を引き合わせたが、その男女にとっては気分のいいものではないと思う。

最後のマッチングタイムの時にも問題が起きた。
先ほどの一番人気の女性がマッチングカードを白紙で提出したのである。多くの男性がその女性の番号を書いていたため、マッチングの不成立が多く発生した。仕方のないことではあるが、どうにかできたのではないかといろいろと考えさせられた。

また、6組のマッチングカップルが誕生したが、イベント終了後、連絡先を交換していないカップルがおり、翌日にその男性からマッチングした女性の連絡先を教えてほしいと連絡があった。そのため、その女性に連絡をしたところ、男性への連絡先の提供は行わないでほしいとの回答があった。

女性からは、その場の勢いでマッチングした結果であり、そもそもその男性は第2希望であったので、お断りしたいとのことであった。男性には丁寧に説明したが、納得されない様子であった。

この反省も踏まえて、マッチング後はイベント終了後も残ってもらい、お互いの本名を初めて明かしてもらい、連絡先を交換するという時間を設けることとした。

婚活イベントの様子

ボランティアの養成を検討

課題があったものの、イベントは無事に開催することができた。これは大きな自信となったが、県職員が婚活イベントの進行を行っていては、県が関与をやめた場合にイベントを開催することができなくなる。

会場の問題は解決できたので、続いて、イベントの進行やお節介を行うボランティアの養成を検討することとした。

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