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クッキングスクールで婚活イベントを開催してみた

家事ができる父親が当たり前の時代。当然、料理ができる男性の方がモテるし、結婚するのも早くなるかもしれないと考え、クッキングスクールとコラボした婚活イベントを開催してみた。


本県男性の家事参加時間は最低レベル

本県男性の家事参加時間は都道府県の中で最低レベルらしく、このことも少子化の要因の一つではないかと言われていた。母親ばかりに育児の負担がかかるため、複数の子供を育てるのは大変なので生まないという判断をしているのではないかという仮説である。

それも一理あるかもしれない。

しかし、昭和の父親は家事をほとんどしなかったのに、なぜ昭和の出生率は高かったのであろうか。うちの所属では少子化だけでなく、子育て施策も所管しておきながら、これまで男性の育児参画を促す施策には消極的であった。

料理が上手な男性はモテる?

こうした中、クッキングスクールを運営している団体から相談があった。このスクールの受講生が女性ばかりで男性はほとんどいないとのことで、県の子育て施策のメールマガジンで子育て家庭に対して受講の案内をしてもらえないかという依頼であった。

メールマガジンを利用して子育て家庭にこういった情報を配信することは簡単であるが、はたして届いたメールを見ただけで子育て家庭の父親が料理に興味を持つのかという疑問があった。

そんなメールを見ただけで父親が料理をするようになるのであれば、もうすでにほとんどの父親が積極的に料理を作っているだろうと考えられる。

では、父親になる前に料理の習慣がついている場合はどうだろうか。現代の若者は晩婚化により、独身期間が長い傾向がある。この期間に料理を作る習慣がつくように仕向ければよい。

料理が作れる男性はきっと女性にモテると考え、このクッキングスクールとコラボした婚活イベントを開催してみようということとなった。

クッキングスクールでの婚活イベント

料理を作りながら婚活をするのは難しい

男性の家事時間が少ないから増やしましょうと行政がいくら広報してもターゲットには響かない。そのため、婚活というエサをぶら下げることにより、独身男性に対して幅広く広報ができ、実際に婚活イベントに参加してもらうことにより、料理も学んでもらうという一石二鳥の戦略であった。

これまでの経験からクッキングスクールとコラボした婚活イベントは簡単にできると考えていたが、イベント進行の企画は予想以上に難しかった。

まず、イベントの最初に1対1トークタイムを入れると料理の時間が短くなってしまう。さらに料理を作り始めると途中での男女のシャッフルは難しい。

そうすると、完成した料理を食べる時に、ようやく参加者全員が交流ができるイベントになり、交流は進んでいないことからマッチング率は当然低くなる。料理を作る時間と、完成した料理を食べる時間の中で、どのように男女をシャッフルして交流を図るのかが最大の課題であった。

巻き寿司を作りながら婚活

この課題を解決するために、初めて行ったクッキングスクールとのコラボイベントでは、料理を作っている途中で、男性を移動させるという方法で行った。

作る料理は切った断面が花の模様になる飾り巻き寿司とした。飾り巻き寿司だと料理をいくつかの工程に分けることが可能である。この工程ごとに男性を移動させるという方法でイベントを進行させることとした。

料理の最初の工程は酢飯にでんぶで色をつけるという工程である。続いて、色のついた酢飯で細巻きを作るという工程で、この細巻きは5つ必要となるので同じ工程を5回行い、その次の工程は具材となるソーセージとシソの準備、次の工程でこれまでの工程で作った細巻きと具材をまとめて太巻きを作り、最後にこの太巻きを包丁で切るという工程で終了とした。

参加者は男女各30名で男女とも3名ずつの10グループに分かれてもらった。10個のテーブルに女性3名グループをそれぞれ配置して、その女性グループの前に男性3名グループを配置し、料理の工程ごとに男性グループが移動するという方法である。

男性グループは、
①酢飯の着色、
②~⑥細巻き作成、
⑦具材作成、
⑧太巻き作成、
⑨太巻きカット
という9工程で移動しながら、女性と協力して料理を完成させていくのである。完成した料理は最後の10工程目で食べることにより、料理を作りながら、参加者全員と交流ができるという仕掛けである。

今回の飾り巻き寿司は、料理が下手でもなんとかなる料理であり、男女で教え合いながらできる料理でもあったので、婚活イベントには向いていた。

最後に完成した太巻きを切って断面にきれいな花が現れた時には歓声が上がるなど、作っていて楽しい料理でもあった。この婚活イベントは大成功し、マッチングカップルは12組も誕生した。

参加者はみんなエプロン姿

男性参加者からの苦情によりイベント内容を変更

ちなみに、女性は移動しないので最初から最後の工程まで一人の女性がこの太巻きを作ることになる。一方で、男性が作る太巻きは10人の男性が入れ替わり立ち替わりで作ることになる。

このため、イベント終了後に「10人の知らない男が触った太巻きなんか食えるか」と言ってきた男性参加者がいた。主催者側としては参加男女の交流を図るために工夫した方法であったが、確かにその通りであった。

この声も踏まえて、次回のクッキングスクールとのコラボイベントからは男性の移動回数を減らして、男性も自分の料理を作るという方法に変更した。
 
 <クッキングスクールとコラボしたこいのわイベントの進行(変更後)>
 9:30  受付開始
 10:00 イベント開始
 10:00 1対1トークタイム
 10:30 料理開始(料理4品を作成)
 12:00 料理完成・試食
 12:20 フリータイム
 12:50 マッチングカード提出
 13:00 マッチングカップル発表
     イベント終了

婚活イベントで作った料理を使っての食事会
 

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