見出し画像

清掃活動をしながら婚活イベントを開催してみた

こいのわの認知度が高まってくるにつれて、様々な団体からお声がかかるようになった。今回は瀬戸内海の海岸清掃により環境問題の課題に取り組んでいる団体からの依頼である。きれいな瀬戸内海を守ろうと言って、普通に清掃活動の募集を行っても若い人は集まらない。そのため婚活をフックとして参加者を募集し、双方のいいとこ取りのイベントを開催してみた。


瀬戸内海はプラスチックゴミだらけ

本県が面する瀬戸内海は一年通して穏やかであるため、牡蠣の養殖に適している。そのため、本県に面している多くの海上で牡蠣の養殖が行われており、牡蠣は本県の主要海産物となっている。

この牡蠣の養殖では、種苗を付着させるホタテの貝殻をイカダから吊るす時に、一定の間隔を確保するために大量のプラスチック製パイプを使っている。これらのパイプが台風などの影響により、破損し、漂流することによって、過去から漂流ゴミとして問題となっていた。

瀬戸内海の海岸を歩くと必ずと言ってもいいほど、色とりどりのプラスチック製のパイプを見ることができる。こうした環境問題を受けて、海岸をきれいにする清掃活動を行っている団体が多く存在している。

今回はこうした環境団体からコラボの申し出があり、清掃活動を行いながら婚活イベントを開催したという話しである。

海岸清掃と婚活イベントのコラボ

参加者の平均年齢は28歳

本格的な海水浴シーズンとなる夏休み前の7月中旬に開催日を設定し、開催地は宮島で、このイベントのメインとなる清掃箇所は宮島の裏側にある海水浴場とした。

参加者の年齢は共催した環境団体からの要請により若者に瀬戸内海のゴミ問題を知ってほしいという理由から20歳から35歳までとした。

短い募集期間ではあったが、多くの申込みがあり、イベント当日は男性81名、女性62名が参加した。なお、参加者の平均年齢は28歳で過去に開催した婚活イベントの中で最も若い年齢層のイベントとなった。

猛暑の中でのゴミ拾い

イベント当日は雲一つない晴天で、屋外でのイベント日和ではあったが、朝から猛暑であった。続々と集まってきた参加者を貸切フェリーに乗せて、宮島の裏側にある海水浴場の手前にある運動公園に連れて行った。

この運動公園から清掃箇所の海水浴場までの2キロの道のりで参加男女の交流を行うこととしていた。この運動公園で男女グループを作り、海水浴場までの道のりの途中3カ所のシャッフルポイントを経て、2キロ先の海水浴場まで歩きながらゴミ拾いを行い、まずは男女の交流を深めるという企画である。

自然公園から出発!

事前にスタッフがこの2キロの道のりを現地で歩きながらゴミ拾いをした結果、40分程度で目的地の海水浴場に到着していた。そのため、この企画の時間設定を40分としていたが、当日は男女グループが予想以上に真面目にゴミ拾いをしたからなのか、すべてのグループが目的地の海水浴場に到着するのに1時間半もかかってしまった。

猛暑の中、2キロも歩きながらゴミ拾いをした参加者たちはくたくたになって目的地の海水浴場に到着したが、この海水浴場にはゴミ一つも落ちていなかった。これは、この日の朝に別の環境団体が掃除をした後であった。

清掃活動後のBBQパーティー

清掃活動の後は参加者の交流を図るためのBBQパーティーを企画しており、そのBBQパーティーの会場は貸切フェリーで到着した運動公園であった。

つまり、今来た道のりを帰らないといけないこととなる。

元々の設計では、帰りはゴミを拾わないので徒歩でもすぐに帰れるだろうというものであった。しかし、運動公園から海水浴場までの2キロの道程を炎天下の中、歩き続けて頑張りすぎた参加者が多く、参加者は疲れ果てていた。

また、イベント進行が押しており、ここからBBQパーティー会場である運動公園までの道を徒歩で引き返すとなると交流の時間が取れなくなる恐れがあった。

そのため、徒歩での移動を諦めて、急きょチャーターした遊覧船による輸送に切り替えた。この遊覧船の定員は30名程度であったため、何往復も行い、参加者をBBQ会場に運ぶこととなった。

遊覧船での送迎

炎天下の中でのBBQパーティーであったが、参加者は疲れているにも関わらず、積極的に交流し、イベント自体は大いに盛り上がった。これは、参加者たちを若く設定したおかげなのかもしれない。

なお、スタッフは参加者より10歳以上も年上ばかりであったため、ほぼ全員がバテており、お節介を焼く気力もなくなっていた。

大量のマッチングカップルが発生!

このイベントの最後は、マッチングカードによるマッチングではなく、県内の遊園地や動物園、水族館のペアチケットが当たるペア抽選会としていた。イベント内で気が合った男女でペア投票券にお互いの番号を書いて投票してもらい、それをスタッフが抽選するというものである。

結果として、このイベントでは35組のカップルが誕生した。さすがに若者を対象とした婚活イベントではマッチング率が高いと感動した。

カップル抽選会

宮島の裏側で朝から夕方まで炎天下の中でのイベントであり、途中で様々なトラブルもあったため、体力は限界であったが、多くのカップルが誕生したこともあり、充実したイベントとなった。

イベント後の帰り道でスタッフと一緒にフェリーターミナル内にあった足湯に浸かっていると、イベントに参加した男性参加者が隣に座ってきて話しかけてきた。

ものすごく疲れたけど、婚活イベントがこんなに楽しいとは思ってもみなかったとのことであった。婚活イベント自体が初参加で、当日まで参加するかどうか悩んでいたけれども、参加して良かったと。今回はマッチングできなかったので、またいつか参加してみたいとも言われ、まさに我々の狙いどおりの発言であった。

最後にこんな話しが参加者とできて、自分の体力は限界であったが、気持ちは充実していた。

なお、このイベントにおいても成婚報告があった。きっと、このようなトラブルが多いイベントの方が男女の仲が深まるんだろうと実感したが、炎天下の中で作業があるイベントは二度と開催することはなかった。

 <ゴミ拾い×こいのわイベントの進行>
  9:00  受付開始
  9:30  イベント開始
  9:40  貸切フェリーで宮島へ
  10:30 ウォーキングでのグループゴミ拾い
  12:00 海水浴場でのグループゴミ拾い
  12:30 チャーター船でBBQ会場に移動
  13:30 BBQパーティー開催
  15:00 ペア投票開始
  15:30 カップル抽選会
  16:00 イベント終了

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?