見出し画像

リアル桃太郎電鉄とのコラボで婚活イベントを開催してみた

路面電車を使ったイベントであるリアル桃太郎電鉄の中で婚活イベントが行えるのか。ランダムなサイコロの出目で移動するのにどうやって男女シャッフルをするのかなど、様々な課題があったが、2年かけて大成功したイベントのお話。


リアル桃太郎電鉄とは

本県には1日あたりの平均乗車人数が日本一の路面電車がある。この路面電車に乗りながら婚活イベントを行ってみないかという話しをテレビ局のディレクターが持ってきた。

桃太郎電鉄とは、電車の駅をすごろくのマスに見立てたテレビゲームである。リアル桃太郎電鉄とは、実際の路面電車とその駅を使って、ゲームと同じようにサイコロの目によって駅を進み、到着した駅ごとにポイントの増減や与えられたミッションをクリアしながらゴールの駅を目指すというイベントである。

今回の企画では、このリアル桃太郎電鉄の中で婚活イベントも同時に行うというものである。もともとこの企画をテレビ局に持ってきたのは東京のイベント会社で、これまで長崎と江ノ島の路面電車を使って、その地域でリアル桃太郎電鉄を行っているとのことであった。

どんな形で婚活イベントを同時に実施できるのかわからなかったが、これまでに屋外の大規模イベントを実施してきたことから、なんとかできるだろうという自信があった。

リアル桃太郎電鉄の公式ルールブック

最初のリアル桃太郎電鉄は大失敗に終わった

イベント参加者を交流させるために

これまでの屋外での婚活イベントの開催実績から、募集は同性二人ペアとした。また、リアル桃太郎電鉄のイベント会社からの要望により、定員は男女各100名と設定した。

イベントの進行については、リアル桃太郎電鉄のイベント会社にお任せして、我々としては、このイベント内でどのように参加男女を交流させるのか、具体的には、参加男女のシャッフルをどこで行うかを考える必要があった。また、屋外イベントであるため、いかにスムーズに参加男女のシャッフルができるかも鍵となってくる。

このイベントでは、必ず止まる設定の駅があり、かなり大きな駅であったので、その駅の近くの広場をシャッフルポイントとして設定した。そのシャッフルポイントにスタッフを配置して、到着したグループから順次男女の入れ替えを行うこととした。

このシャッフルポイントとなる駅は4つ設定した。サイコロの目で止まった駅で様々なミッションをクリアしながら、シャッフルポイントの駅で男女グループのシャッフルを行いつつ、ゴール駅を目指すというイベント全体の流れとした。イベント全体では4時間で終わるはずであった。

また、今回のイベントの趣旨としては、リアル桃太郎電鉄を楽しみながら、異性との出会いの場があるコンセプトとして、イベントの最後にマッチングは行わず、その代わり、イベント内での連絡先の交換は行ってもよいというルールとした。

スタート駅の広場

イベント進行は専用アプリで

リアル桃太郎電鉄では、進行のすべてをスマートフォンの専用アプリで操作することになる。イベントの最初に専用アプリをダウンロードし、そのアプリの中でサイコロを振り、サイコロの目に応じて、実際に路面電車に乗って進むことになる。

進んだ先の駅では必ずミッションが発生する。この駅の種類はポイント駅とカード駅があり、ポイント駅では駅に設置されたQRコードを専用アプリで読み込むことで、ポイントの増減が発生する。

カード駅では、同様にQRコードを読み込むことで様々なミッションが発生し、そのミッションをクリアしないと前に進めないことになっている。

今回のイベントでは、男女のグループで一緒に移動することになるため、男性の一人に専用アプリを操作してもらい、女性グループはついていくだけという形にした。

そのため、リアル桃太郎電鉄を楽しみたいという女性には、こいのわ版ではなく、一般版に参加するように呼びかけた。

イベント中から多くの苦情が

イベント進行は、すべて専用アプリで進行し、シャッフルポイントの駅での男女シャッフルと、その途中の駅での参加男女によるミニゲームということで簡単に思えたが、実際にはまったくうまく進行せず、屋外イベントでの最大の失敗イベントとなってしまった。

シャッフルポイントの駅にはスタッフをしっかりと配置して、万全の体制で参加者の到着を待っていたが、待てど暮らせどまったく到着しない。

シャッフルポイントの駅までにいくつかの駅に停まるのであるが、それはランダムで出るサイコロの出目によって停まる駅の数が決まる。こうしたことから、カード駅に多く停まったグループはクリアしないといけないミッションが多くあるため、次のシャッフルポイントにやってくるまでにかなりの時間を要することとなる。

そのため、シャッフルポイントの駅に到着する男女グループにかなりの時間差が生じてしまっていた。この結果、シャッフルポイントの駅で次のグループが到着するまでの男女シャッフルができずに長い時間待たなくてはいけないグループが多数発生した。

待ち時間が長くなることから、グループ内の男女で会話が深まるという効果もあったが、イベントとしては微妙な時間となってしまった。

また、自分たちも専用アプリの操作をしたいという声が女性参加者から多くあった。このような声があることを想定して、申し込み時に注意喚起を行っていたが、まったく読んでいなかったのであろう。

これは確かに女性からの声のとおりで、専用アプリの操作ができないとリアル桃太郎電鉄に参加している気分になれない。リアル桃太郎電鉄では、専用アプリ内でのポイント駅やカード駅で発生するポイントの増減もイベントの大事な要素となっているが、それも体験できないことになる。

イベントは4時間で終わる見込みであったが、4時間でゴール駅に帰ってくるグループはなかった。さらに、最後のグループがゴールをしたのは、予定よりも2時間もオーバーしていた。

カード駅でしっかりと楽しんだグループもあれば、シャッフルポイントの駅で長時間待ったというグループもあり、参加者もスタッフもイベント後は疲労困憊の状態であった。

ゴール後は解散してもいいが、残って交流もできるように広場を開放していたが、ほとんどの参加者は残って交流していた。イベント終了が2時間もオーバーした最後のグループは相当交流が進んだのか、ゴール後すぐに同じ男女グループで2次会に向かっていた。

参加者からは疲れたけど、イベントとしては楽しかったという声も多かったが、イベントを企画した者としては、参加者に申し訳ない気持ちでいっぱいであった。

もっとスムーズに交流させてあげたかったという悔しさが残った残念なイベントとなってしまった。しかし、このイベントからもその後に成婚報告をいただいている。本当に男女の出会いは不思議なものである。

市内のほぼ全線を使っての電車遊び

2回目のリアル桃太郎電鉄は最高のイベントに

専用アプリの開発で課題をクリア

さて、大失敗したイベントから半年後、リアル桃太郎電鉄のイベント会社から前年に引き続き、今年も実施したいと連絡があった。いつもなら即答であるが、さすがに今回は即答はできなかった。

参加者全員が専用アプリの操作ができてリアル桃太郎電鉄を楽しめることと、グループによってシャッフルポイントの駅への到着時間に差が出ないなど、スムーズな男女シャッフルができることの二つがクリアできないとイベント開催は無理だと伝えていた。

しかし、この課題に対して、リアル桃太郎電鉄のイベント会社がこいのわ用の専用アプリを再開発するという形で対応するという回答があった。

再開発された専用アプリでは、同じグループにいる人たちは同じサイコロの出目が出るようになった。そうすることで、グループの代表だけでなく、グループ内の全員が専用アプリをダウンロードし、イベント中はそれぞれの参加者が各自で専用アプリで参加できるようになった。

ポイント駅では、グループ全員が専用アプリの操作を行い、ランダムでポイントの増減が発生するようになった。

カード駅でも各自で専用アプリの操作を行うのであるが、与えられるミッションはグループで同じになるようになっていた。なお、そのミッションの成功などに応じて得られるポイントはそれぞれ異なるが、それぞれの専用アプリに付与されるようにできていた。

同じグループにいても、専用アプリ内のポイントは異なるため、全員が楽しめるイベントとなった。イベント内でためたポイントで順位を付けることができたため、リアル桃太郎電鉄のゴール後にそのポイントに応じた表彰式を行うことも企画した。

スリの銀次に遭遇!

サイコロの目は事前に決まっていた

実は、シャッフルポイントの駅への到着時間に差が出ないようにするため、サイコロの出目は事前に決めていた。グルーピングも含めてすべて事前に決めていた。

このイベントでは、ランダムに出るサイコロの出目で運命が決まるという面白さが売りであったが、サイコロの出目はすべて我々が決めており、運命の出会いも我々が事前に決めていた。

前年の失敗を繰り返したくなく、専用アプリではポイントの増減以外はすべて仕組まれた出会いであった。そのため、グループ全員が必ず同じサイコロの出目が出ることに疑問を呈する参加者もいたが、スタッフ全員で「AI技術の進歩です。」と答えることとしていた。

婚活イベントとするために

申込み方法は前年と同様に同性ペア2名1組での申込とした。募集定員は満足度の高いイベントとしたかったので、前年の半分の男女各50名とした。ただ、リアル桃太郎電鉄のイベント会社からは前年並みの参加者数を確保してほしいという要請があったため、二日連続で開催することとした。

今回のイベント趣旨は前年とは違い、婚活が主で、その中でリアル桃太郎電鉄を楽しめるようにしようと決めていた。

そのため、ゴール駅の隣のデパートの屋上を借り切って、リアル桃太郎電鉄終了後にしっかりと参加者が交流できる婚活イベントも合わせて実施することとした。

リアル桃太郎電鉄終了後のイベントの中で、リアル桃太郎電鉄で獲得したポイントの表彰式をまず行い、いつもの婚活イベントを開催し、マッチングも実施することとした。

このイベント進行はまたもや及川奈央さんにお願いした。参加者は1日中路面電車に乗り、カード駅で様々なミニゲームを行い、ゴール後はくたくたになっていたが、両日ともこのイベントも含めて、前年とは異なり、非常に盛り上がった。

 <リアル桃太郎電鉄でのこいのわイベントの進行>
  11:00 受付開始
  11:30 リアル桃太郎電鉄開会式
      専用アプリのダウンロード
  12:00 男女グループで出発
  17:30 リアル桃太郎電鉄表彰式
  18:10 こいのわイベント開始
  18:15 グループトーク(グループシャッフル2回)
  18:50 フリータイム(ペア投票開始)
  19:20 ペア投票締切
      マッチングカップル抽選会
  19:30 イベント終了

カード駅では様々なイベントが

2回目のリアル桃太郎電鉄は大成功!

前年の大失敗を踏まえて、イベント進行のオペレーションを変え、専用アプリの再開発を行い、時間どおりに進むようにしていたが、イベントの2日目はすべての男女グループが最後のシャッフルポイントの駅にすら到達できず、時間切れとなってしまった。

1日目は一部の男女グループがカード駅でのミッションクリアに時間がかかったため、制限時間内にゴール駅へ到着できなかったが、2日目はすべての男女グループがゴール駅に到達できずに制限時間オーバーとなってしまった。

1日目に大成功であったため安心しきってしまい、2日目のイベントの進行状況の確認を怠ってしまった結果であった。

そのため、最後のシャッフルポイントの駅では男女シャッフルを行わず、ゴール駅に全グループを戻すこととなった。

こんな状況であったが、参加者全員が専用アプリでリアル桃太郎電鉄に参加できたことから、停車したポイント駅やカード駅でのイベントが予想以上に盛り上がったということであり、男女グループの交流が図られたという意味では、婚活イベントとしては大成功であった。

2回のイベントで同じシャッフルポイントの駅で男女グループのシャッフルを行ったのだが、1年目のリアル桃太郎電鉄ではシャッフルポイントの駅に到着する男女グループがへとへとになって会話どころではないという雰囲気が多かった。

2年目のリアル桃太郎電鉄ではシャッフルポイントの駅にやってくる男女グループの会話は弾んでいたし、ミニゲームも男女で協力しており、イベントを楽しんでいる雰囲気であった。

前年度の反省を踏まえてイベントの趣旨を損なわないように内容の見直しをはかり、時間をかけて改善した結果、2年目では最高の婚活イベントを行うことができた。これも2回目でリベンジができ、こいのわイベントの中でも心に残るイベントとなった。

リアル桃太郎電鉄後の婚活パーティー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?