飯もうまいし音楽も気持ち良いのに煙草が吸いたい

 飯がうまい。音楽も気持ちいい。それでも煙草が吸いたいのが禁煙だ。禁煙に論理は通じない。誰がどう諭しても、この煙草を吸いたいという欲求だけはリアル。心と身体が求めているのだがら仕方がない。妄想としては片付けられない手で触れられる欲求だ。

 でも飯はうまい。音楽も気持ちいい。久々に音楽を聴いてて「気持ちいい」って感覚を味わっている。音楽は気持ちが良いんです。もちろん喫煙をしていながらでも音楽で気持ちよくなれる人はたくさん居るだろうけども、自分の場合は音楽への感受性が失われていた。音楽で得られるものは全て煙草によって得ていた。いまは煙草が失われたおかげか、音楽への感覚が鋭敏になっている。

 あれだね。目が見えない人は聴覚が鋭くなる、ってのと理屈は一緒なんじゃないか。紫煙を味わう感覚器官を衰えさせるってことは、それ即ち味覚や聴覚が鋭くなるってことなんだ。自分がいま禁煙できているのは、飯がうまくて音楽が気持ちいいからって理由しかない。最終的に自分が気持ちよくなれないのなら、どんなことだって続きません。禁煙することで気持ちよくなれるから、つらく厳しい禁煙にも耐えられる。

 焼き肉とかを積極的に食べるべきなのでは、って思わなくもない。油分・脂肪分マシマシのジャンクフードをバシバシ摂取すべきなのでは、って思わなくもない。いやいいでしょ。禁煙しているんだし。ショートケーキとかも食べたくないか? もう何でもござれだ。太っていいじゃん。太るってのは幸せの証です。

 金銭面でいったら喫煙しているときよりも禁煙しているときのほうが金がかかる。自分を甘やかさないといけないし。禁煙すると金が浮くってのは嘘です。煙草代がおやつやゲームや音楽へ代わるだけです。煙として消えるのとどっちが良いかって考えると、微妙なところですね。

 でもまあ、1ヶ月くらいはとにかく自分を甘やかしまくっていこう。好きなもの食って音楽を聴きまくる。それ以外に禁煙を続ける手段は存在しない。これまでは「仕事をしているのだから煙草くらい吸わせろ」というスタンスで生きていた。これからは「仕事をしているのに煙草を吸ってないのだから好きなもの食わせろ」というスタンスにしよう。どんどん太るぞ!!

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