2023/10/22

結婚はいいものだ。と言うひともいれば
結婚なんてするもんじゃない。と言う人もいる。
僕は結婚した事がないからどちらが本当かはわからない。
わからないなりに考えたらどちらも本当なのかもしれない。

「結婚願望ある?もう30過ぎてるでしょ?」なんて言われた日には
結婚なんて絶対するものかと心の中で誓う。できるだけそんな世界からは遠ざかっていたい。そんなことを考えているもんだから周囲の友人が結婚してもサラっと「おめでとう。」ぐらいで済ませてしまう。このへんがドライ人間だと言われる原因なのだと思う。言い訳すると結婚がなぜおめでたいのかがよくわからなくて、なんて声をかければよいかわからないのだ。「おめでとう!よかったね!」とか言うのが世間一般的だから便宜上そう言っているのに過ぎない。
結婚の何がいいの?って答えられないようじゃ
結婚なんてするもんじゃない。

少し肌寒く、布団からなかなか出られなくなってきた今日この頃。それでも布団から這い上がり身支度をする。休日にスーツを着る用事なんてほとんどないのでソワソワしてたと思う。鞄を持たずに家を出た僕は手持ち無沙汰を理由に両手をポッケに入れて目的地へと向かう。ふと空を見上げると雲一つないカラっとした秋空だった。
午前10時ごろ、式場へ到着すると待合室に案内され友人たちとの会話に花を咲かす。久し打ちの再会だと会話が尽きることがなくずっと話し込んでいられたがスタッフからもうすぐ挙式が始まるとアナウンスされ部屋を移動した。
道の真ん中が大きく開かれ両脇にベンチが置かれた部屋に移動した僕らはスタッフに言われるがままベンチに着席した。着席してもたいしてすることはないので周囲の人と話しだす。ほかの人たちも同様にベラベラ話し始めて一気に賑やかになった。その賑やかさを打ち消すように司会の声が聞こえ始め、賑やかから静けさへと変わった。
「まずは新郎の登場です。みなさま盛大な拍手でお出迎えお願いします。」
ドアが開くといつものアイツがニョキっと出てくる。
いつものアイツなんだけど、なんかいつもと違うな。精悍な顔つきをしたアイツを見たのは初めてだった。そこで僕は漸く二人が結婚するんだと体感した。
「つづいて新婦の登場です。大きな拍手でお出迎えください。」
綺麗なドレスに身を包んだ新婦は皆に見守られながら新郎が待つところへと向かう。一歩ずつ踏みしめながら少しぎこちなく向かうその足取りには緊張と嬉しさが垣間見えた。

新郎新婦が壇上へ立ち、僕らの前で永遠の愛を誓った。


二次会も終わり帰宅して残りの休日を謳歌する。好きなことをすれば良いのだが、ただ、なんとなく今日起きたことを自分なりに記しておきたくて今、文章を綴っている。
式の前日に友人とこんな会話をした。日本人は無宗教の人が多いのに教会で挙式を上げるのは変だ。と。確かに普段から教会に行かない人が自分のタイミングで神様を登場させるのは都合が良すぎる。そんなだから結婚式で神父に愛を誓う行為が理解できなかった(そんな真面目に考えても自分が辛くなるだけなので深くは考えないようにしている)
ただ、今日のアイツは僕たちに永遠の愛を誓った。ああ、結婚式に出席するってこういう意味なんだと思った。自分の人生を通して愛の誓いを立て、その証人となった僕は人生を通して見届けないといけないんだと思った。
次にアイツに会うのは1ヶ月後か1年後か、もしかしたら10年後かもしれない。
その時に今日と変わらない二人がそこにいたらそれはすごい素敵だ。

そう思うと結婚はいいものだ。

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