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中国OMOの実態

コロナが一段落ついて、海外旅行も自由にできるようになりましたが、皆さんは訪れたい国はありますか?
私が新卒で入った会社は零細企業でしたが、一応は貿易関係の会社でしたので、2~3ヶ月に1回は中国へ出張にいったりしておりました。その時の中国はまだ今ほどデジタル文化はそこまで進んでいませんでしたが、(キャッシュレスは進んでました)あれから、10年ほど経った今ではOMO世界有数のデジタル先進国になっているのは言うまでもありません。
そういうわけで、私はデジタル大国に成長した中国に改めて行きたいなって思ってます。特に中国のシリコンバレーと言われるシンセンにいってみたい。

ちなみに私が新卒で入った会社の話はこちら

中国はすでに屋台レベルでもモバイル決済が浸透してますし、個別IDによる行動のデータ化、そして信用スコアの活用が当たり前となり、もはやオフラインの状態が存在しないとまでいわれています。
このようにオフラインがオンラインに包括され一体となった状態を前提に展開されるマーケティング手法をOMO (Online Merges with Offline)といいます。これは、中国では当たり前の概念として浸透しています。OMOという言葉自体も中国の元Google Chinaのトップの方が命名したと言われています。

さて、今日はそんな中国で代表的なOMO施策を紹介します。
OMOってなんぞやっ方はこちらをどうぞ。


Starbucks Reserve Roastery

「Starbucks Reserve Roastery」とは、焙煎所やギフトショップなど様々な施設を兼ね揃えたスターバックスの高級店舗のことです。世界4か国に6店舗存在し、日本では東京にあります。その中でも、上海の店舗では、中国の「アリババ」と連携して、サービスを展開しています。
例えば、利用客はアリババのアプリ「タオバオ」を起動してスマホをコーヒー抽出機にかざすと、コーヒー豆の情報にアクセスできたり、各種キャッシュレスアプリでの決済が可能な中で、アリババが展開するオンライン決済サービスである「アリペイ」での支払いの場合はモバイルオーダーを利用することもできます。また同じくアリババ傘下の「ウアラマ」というデリバリー会社と提携して、コーヒーデリバリーも実現してます。改めてアリババ商圏最強ですね。

スターバックス リザーブ® ロースタリー 上海_スターバックスジャパン公式ページより


Nike House of Innovation 上海 001

「Nike House of Innovation」とはNIKEが目指す、デジタル上の顧客体験とリアルの店舗体験を組み合わせた店舗のことです。アメリカのマンハッタンが1店舗目「House of Innovation 000」。これに続く2店舗目が上海「House of Innovation 001」。2020年にパリに「House of Innovation 002」をオープンして、世界に3店舗存在しています。個人的にNIKE×デジタル店舗ってもう聞いただけで絶対行きたいヤツです。。

さてこのお店では、スタイリストから1対1の特別アドバイスをもらえたり、好みや条件を伝えると、それに合ったスタイリングを提案してくれるサービスがあります。あとオリジナルスニーカーを作れるブースがあり、その製造過程を見ることもできます。さらにさらにバスケットボールゲームが楽しめたり、スニーカーについて学べるブースもあるなど、ゲームや展示を体験することでNikeについて深く理解できるという仕組みになってます。

そして中国には「WeChat」というアクティブユーザー約2億3,000万人という化け物SNSが存在します。購入が目的のECと違って、WeChatミニプログラムからはブランドの様々な情報が得られるので、中国では絶大な人気を誇っているのです。
お店にあるQRコードを読み込むと、WeChatミニプログラム上の店舗のサイトへ遷移します。店舗でのイベント情報や、オススメ商品をみることができますし、ECサイトへのリンクもあるので、家へ配送手続きをすることもできますし、お店からECサイトで購入することもできます。

お店に行ってお店で商品を買うのではなく、お店の体験を通じて態度変動を起こさせて、便利なECで購入させるわけです。このように、店舗からオンラインへの仕掛け作りが非常にうまく、結果ユーザーファーストな購買体験を提供するのに成功しているというわけです。

Nike House of Innovation 上海 001_ナイキジャパン公式ページより


NIO

NIOは、上海に本社がある電気自動車メーカー( https://www.nio.com/ )で、中国版テスラと呼ばれています。

NIOの電気自動車を購入したユーザーはNIO Houseという顧客専用ラウンジをいつでも自由に利用できます。NIO Houseでは、酒やドリンクが楽しめるバー、子供が遊べるプレイエリアなどがあります。
普通の自動車メーカーでは顧客に納車をすることで商流は完結し、故障やメンテナンスなどを除けば、メーカーと顧客との接点は無くなります。(日本ではメーカーと接点なんか皆無ですよね、全てディーラーさん任せ)

これに対して、NIOは購入後にも顧客が楽しめる工夫を提供しており、継続的に顧客体験を向上させています。その中で購入後のユーザーとの接点としてNIO Houseは機能しているわけです。これはつまり、顧客のデータを取りに来ているわけです。
オンラインで提供できる価値だけでなく、オフラインで人対面だからこそ提供できる価値にを与え、そこで顧客の行動データ溜める。そしてそのデータを把握したうえで商品サービスの向上や新たなソリューションを提案できるということです。

NIO House_NIO公式ページより


日本と中国のOMOマーケティングの違い


さていかがでしょうか?
OMOの先進国といわれる中国では、スーパーマーケットや医療分野でもOMOが導入されているわけで、もはや普段の生活に欠かせない分野においてもOMOが普及されています。これにより、より生活に密着したビッグデータを収集できます。そのデータを活用することで、さらに実用的なOMOマーケティングを行うことができるという好循環スパイラルになっているわけです。

一方で日本のOMOマーケティングはどちらかというと導入することにおいての効率化や費用対という考えが中心で、ビックデータを取りに行く目的という観点は薄い印象です。また中国と比べても日常の生活にまで先に述べたOMO施策が導入されているわけでもないですね。
これはAIやキャッシュレスの遅れ、国の治安の良さやおもてなし文化の影響であったりも関係してくるのかもしれません。
今後、日本もデータ経営に関するマインドの変化や日常レベルでOMOマーケティングが浸透していけばよいのになと思う次第です。
そんなときにスマレジが少しでもサポートできる存在であればと思うばかりです…っということで本日は締めさせていただきます!

そうなれば、きっとNike House of Innovationの4号店は日本になるに違いないです(そっちかいw)

スマレジでできるOMO施策はこちら


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