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二叉路

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福田六個と小池耕の公開される文通
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2024年3月の記事一覧

二叉路 第4回

二叉路 第4回

前回↓


第4回 耕→六

 第四回。ここまでで感じたことを一つ言うと、「二叉路」の形式は福田にとって動きやすい反面、僕は少々ぎこちなくなってしまうような感触がある。簡単に言ってしまえば得意不得意の問題で、例えば対面でこの二人が喋るとき、その割合は福田8小池2くらいになりがちだ。それに対してこの往復書簡は、制約は緩いもののある程度福田と同じ量を返すことになっている。となると僕はいつもとはだいぶ

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二叉路 第3回

二叉路 第3回

前回↓



第3回 六→耕

 明確な応答から始めよう。まず、僕を「作家として、友人として」「分割してみることはピンと来ないからしない」という見方について。僕はそれに同意し、さらに、僕は作家ではないという立場を示したいと思う。

 僕は今のところ、作家というアイコンを特別視していない。それは「作品」というものがピンと来ず、短歌を主に作品としてではなくテクストとして捉えているからだ。テクストすな

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二叉路 第1回

二叉路 第1回

まえがき

福田六個と小池耕の二人で「二叉路」というnoteの連載を始めます。
福田と小池が交互にお互いへ向けて何かを話すという形式で、毎週火曜日、全10往復(20回)くらいを目安に連載する予定です。短歌の話は必ずしも含まれませんし、話がどう転がっていくのか、二人とも分かりません。
ただ話したいことを話します。

第一回は福田六個から小池耕に向けて。



第1回 六→耕

 往復書簡、第一回目

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二叉路 第2回

二叉路 第2回

前回↓



第2回 耕→六

 福田は第一回で僕の「みんな野球」の歌を皮切りに僕について話してくれた。「二叉路」の形式は福田も言った通り「ラブレター」でも「作品」でもない。ましてや「エアリプ」でも「試合」でもない。路地裏で二人がキャッチボールをしている映像を街なかのスクリーンに流すようなものだ。目を見てボールを投げ返す。

 話題の「2024年の抱負」はこれのこと。

上記事では「冴えない彼

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