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核磁気共鳴

物質に磁場$${B}$$が加わると、そのエネルギー準位は$${\mu B}$$と$${-\mu B}$$の2つに分かれます($${\mu}$$は磁気モーメント)。ここで、2つのエネルギー準位の差$${2\mu B}$$に対して、$${h\nu =2\mu B}$$となる振動数$${\nu}$$の電磁波を入射させると、下の準位は上の準位に上がります。これを常磁性共鳴といいます。

原子核も磁気モーメントを持ちます。その磁気モーメントを$${\mu_N}$$とすると、磁場$${B}$$が加わると、2つのエネルギー準位$${\pm\mu_N B}$$になります。その共鳴条件は以下になります。

$${h\nu =2\mu B}$$

これを核磁気共鳴と呼びます。英語では、Nuclear Magnetic Resonance(NMR)です。

病院で使われる磁気共鳴画像(MRI、Magnetic Resonance Imaging)は、陽子の核磁気共鳴を利用します。がん細胞では、磁場中でマイナスの準位がプラス準位になり、またマイナス準位に下がるまでの時間(緩和時間という)が正常な細胞よりも長いのです。そのため、MRIでは、がん細胞を鮮明に画像化することが可能になります。

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