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多嚢胞性卵巣症候群+体外受精+不動化精子抗体96.44以上+20代採卵後の様子(長文)

採卵が終わった。意外にタイトルと同じ状況の患者さんブログを見かけない。多嚢胞の症状自体、女性の8%くらいと医師に聞いたから、妥当か。
誰かの参考になるかもしれないから、自分で書いておくことにした。

多嚢胞性卵巣症候群という言葉が一般普及していないのか、変換リストに出てこない。私も普段使うことはないので、辞書登録した。そのくらいレアというか、認知の低い症状ではあるのだろう。私だって、きっと私より数万倍辛い症状のある病気の名前を全く知らない。結局私は当事者にならなければ、本気で考えることはないのだろう。

体外受精に入る前に、体調が悪くなることを見越して遊びまくった。二人で10万はする旅館に滞在したり、北海道に弾丸旅をしたり、海で大きな波に揺られて夏を感じた。ほぼ毎週旅行を入れているような日々で、元々頻繁に出かけない私にとっては結構なタフスケジュールだった。それでも、全力で遊んでなんの後悔もない。20代で、若くて綺麗な体を沢山魅せる服や水着を着て、沢山写真を残して、夜は夫とロマンチックで静かな星空を眺めた。私なりのけじめだった。

そうして恋人らしく美しい思い出を胸に、私は体外受精に向き合った。


採卵周期は唐突に始まった。想定していたよりも早く生理が来たのだ。仕事が忙しすぎる時期に重なって病院には行けなかった。もともと、想定日から時間が取れるよう調整していたから、その前段階が忙しいのは当たり前だ。「月経3~5日から始めましょう」という指示は当に過ぎた。

来月に仕切り直しだろうと思って放置していたら、クリニックから電話が入った。状況を伝えると、月経8日に当たる土曜に来れるなら、まだ始められる可能性があると伝えられた。
結果、土曜の診察後「あなたは今から始めてもいい」と言われ、採卵周期が始まった。月経8日目のことだった。


採卵といえば、自己注射。ちゃんと手順通り打てるだろうか、だけが気になっていて、それ以外は楽観的だった。元々、言っても仕方ないことをうだうだ言うタイプでもない。今更痛かろうが何だろうが、淡々と取り組むつもりだった。案の定杞憂で、手順はすぐに覚えたし、毎日の注射は流れ作業のように繰り返すだけで済んだ。幸い副作用で寝込むような症状は出ず、ただ倦怠感が辛いな、くらいだった。(私の場合は、フェマーラという薬で排卵誘発する時の方が副作用が酷かった。卵胞は育たないし、副作用らしき形で胃炎になった)

ちなみに、このあたりの反応については、個人差があるだろう。ただ、このくらい平然と体外受精をできる人間もいることは伝えたい。辛い、痛い、苦しいばかりが伝わるのも、不妊治療イメージ的にいいとは思えない。子供が欲しい人が適切に、過度な恐れなく、リスクは把握したうえで選択できる選択肢として、体外受精が存在するべきだと私は思っている。


AMHが18.5ある私は、自己注射を最小単位で行った。レコベル6µg/日だったが、1週間程度で無事卵胞は23ミリ~18ミリが20個程度まで順調に育った。採卵日の卵胞総数は70個(卵巣左右合計)、内採卵できたのは19個(1個変性卵)だった。
担当医はOHSSリスクを加味して、早めの採卵を選択した。もっと育てることも可能らしかったが、70個の内何十個も育ってしまっては堪らないので、個人的には早めで良かったと思う。

採卵は局部麻酔で行った。正直採卵箇所や角度によっては痛かったが、耐えられないほどの苦痛ではなかった。医師が上手だったのかもしれない。手術中、最初こそ優しくさすってくれていた看護師が、私の安定した心拍を見てさするのを辞めた。内心さすられて嬉しかったのもあり、残念な気持ちになる自分を感じ少し笑ってしまった。
こまめな励ましや体調の確認、次の動きの説明をしてもらえたことで安心できたのも大きい。素人目にはほとんど良く分からない画面を見つめながら丁寧に手術する医師へ、尊敬と感謝の念が湧いていた。体液がお尻にまで流れ出しているのをぼんやり感じていたから、きっと血まみれなんだろう。見ていて気持ちのいいものではないはずだ。看護師も、こまめに私を気遣い目を見つめて体調管理をしてくれる。ありがとうございます、と心で思って、医師が取り組みやすいように協力する思いで乗り切った。

手術後は深めに頭を下げた。本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。


採卵後の受精結果は、まだ出ていない。私は不動化精子抗体が96.44以上ある。以前通っていた不妊治療専門クリニックでは「顕微授精でないと多分、ほぼ妊娠は無理。9割不可」と言われた。今の担当医も、顕微授精を基本とする方針を示し、受精卵のうち1.2個程度は体外受精(振りかけ方法)で、それ以外は顕微授精とした。結果、どの程度受精するかの個数にもよるが。

採卵後の症状として大きな腹痛はない。体重は2キロくらいむくみで増えており、倦怠感で仕事を中抜けすることも多い。個人的には採卵後の方がじわりとボディブローのように聞いてくる辛さがある。
生理が来れば一気に楽になると言われているので、出来るだけ体をいたわりながら、受精結果を待ちたいと思う。


とりあえず、現状の記録は以上。良い結果に恵まれることを祈りつつ、仕事や趣味にいそしもうと思う。


おわり









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