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媚びを売られるのは、気持ちのいいものではない。

片思いは恋愛だけではない。友人であっても、上司や部下であっても、片思いはするものだ。時に振られるし、振ることがある。もっと自分になついてほしくても、自分を重要視してほしくても、自分を大切な人間として認識してほしくても、叶わずに傷つくことは沢山ある。そのたびに苦い思いをして、少しの怒りと恥ずかしさを抱えながら、しかし仕方ないと諦めるのだ。

私は、異性の目が偽物だとは言わない。けれども、同性の目はいつも非常に冷静である。正直な心と損得勘定が自然と表れやすい(と私は思っている)。私と会話をして過ごす時間が有意義かどうかを、真っ向から勘定される。私も内心どこかで勘定する。

この人と話すと刺激的なのか、穏やかな気持ちになるのか、役に立ちたいと感じるのか。いずれにせよ何かしらのプラスの心意気がなければ会おうとは思わない。愚痴や悪口や、自分のコンプレックス、依存心を向ける対象を探しに来た人と過ごす時間などどこにもない。カウンセラーにお金払って通ってくれ。・・・と考える性質であるので、自分自身も相手に何かをgiveする気持ちで食事の席に座る。相手を喜ばせたいという気持ちが前に来て、次に相手から受け取りたい気持ちが来る。win-winである友人を大切にしたいといつも思う。

自分が好意を寄せる人に振られてしまう。もしくは、自分が思っているよりも大きく優先度を下げられてしまう。これは悲しいことだ。良くあることだ。縁がなかったなと言えばそうだし、少し縁をつなげる努力をしてみるのもまた良いと思う。高校時代は全くだったのに、既婚者になったら意気投合、なんて話もまた、良くあることだ。ただ、媚びを売る人。私はそのタイプの人が苦手だ。会って間もないのに、美人だ、知的だなんだと沢山の絵文字とともに褒めて、うちに遊びに行きたい、もっと会いたいと伝えてくる。必要以上に下手に出てきて、私にすり寄ってきて何か引き上げてくれるのを期待しているような空気を出す。もしくは、私が感じてしまう。男女ともに、たまに出会う。誰か、何かに救ってもらいたそうな人に。

対等でなければ、友人にはなれない。私は、自分が媚びる人にならずに付き合える人、相手が私に媚びずに付き合える人と一緒に過ごすことを少しずつ選んでいる。とはいえ今でもまだまだ、魅力的な人に出会うと、つい必要以上に自分を良く魅せようとしたり、もしくは逆に気を使いすぎて合わせすぎたりしてしまう。あえてそんなふるまいをするのはやめていこうと頑張っているというわけだ。自然に振舞って繋がらない縁は、今必要な縁ではないのだ。

もっと、自分がやりたいことに情熱を注ぐことを大切にしようと思う。自分のやっていることに集中していて、何かを情熱的に語る人はそれだけで人の興味をぐんと惹く。大丈夫。人の縁は巡り合わせだ。期待して、時折傷つき、それでも最後は孤高を愛する大人になりたいと、今日も心で小さな青い炎を燃やしている。




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