M14 大人 feat. 谷絹茉優 from Chevon

作詞 KERENMI / タカノシンヤ
作曲 KERENMI
編曲 KERENMI / sober bear
MIXエンジニア 熊坂敏

このアルバムで一番最後にレコーディングした楽曲。
曲自体は17〜18年前に作ったもの。

10代の学生時代に恋焦がれるように聴いていたBjork「Hyper-ballad」のような美しい音楽を作りたいと切望して当時作曲していた。


メロディと和声の構成について、わかりやすくin C(Am)で表記して解説していく。

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Hyper-balladのフック1小節目はコードに対して増4度から5度に解決するが、
一方「大人」は5度から増4度へ、つまり不協に向かうメロディになっている。

この不協の増4度に対して、ストリングスは5度の全音符なので、短9度の不協が生まれるのが狙いのメロディとアレンジになっている。

そして2小節目も同じ音形を繰り返すが、そこではコードに対して4度から3度へ解決する形となる。
3小節目はややメロディの形を変えるが短3度と9thを往来し、
4小節目でやっと5度に解決するので常に不安定な動きを繰り返し、
7〜8小節目では「ファミレド」解決すると見せかけて9thで終始する、というメロディになっている。

30代の駆け出しの頃、あるアーティストでこの曲をレコーディングまでしていたのだがリリースには至らなかった。

その時からメロディとストリングスのフレーズは変わっていなかったのだが、
レコーディング時、弦奏者に「メロディと半音で当たっているからこのフレーズはやってはいけない」とお叱りを受け変更を強いられたことを思い出す。

その時のストリングスのメンバーの末端にいたのが若き日の門脇大輔だった。
時を経て当時と同じフレーズのまま絶大な信頼を置いている彼とレコーディングできたことがとても感慨深かった。

「1」に収録するつもりで編曲までしていたがシンガーが決まらず頓挫し、
4年前のアレンジも今の気分ではなくなったので変更することにした。

そこで「アダルト」ではマニピュレート的に参加してくれたsober bearに連絡し共編曲のオファーをした。
「おぼろ」もそうだが、この曲も18年の間に何度もアレンジを変更してきて、新たなエッセンスが必要だった。

わたしがアレンジしたものは2017〜18年頃よく聴いていたCashmer Catのサウンドに多くの影響を受けていた。
そこからsober bearがリミックスするように手を加えてくれて曲が輝き出した。


歌詞に関してタカノシンヤと共有したエピソードがある。

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このイメージを共有してタカノが4パターン書いてくれたものを編集修正して作っていった。

肝心のボーカリストをどうするかずっと悩んでいた。
自分のXの投稿をふと思い出し、絶対に合うだろうという確信の元、面識はなかったがChevonの谷絹茉優にオファーし引き受けてくれた。

谷絹茉優はこのアルバム最後のレコーディングを素晴らしい歌唱で締めくくってくれた。

近い将来Chevonが大きなステージでライブをやっている姿が容易に想像できる。
そんなスケール感を持ったボーカリストだった。



Full Album「interchange」
2024/11/20Release.

各曲楽曲紹介はこちら。

01. interchange
02. join my band feat. Skaai
03. TOKYO 君が everything feat. キタニタツヤ & クボタカイ
04. border line feat. 梓川
05. boy feat. asmi & imase
06. ふぞろい feat. Tani Yuuki & ひとみ from あたらよ
07. ケタタマ feat. Mori Calliope
08. 名前を忘れたままのあの日の鼓動 feat. 峯田和伸
09. クリエイター
10. アダルト feat. アヴちゃん from 女王蜂 & RYUHEI from BE:FIRST
11. おぼろ feat. 佐藤千亜妃
12. 世界 feat. Moto from Chilli Beans. & Who-ya Extended
13. RE:interchange feat. KOHD
14. 大人 feat. 谷絹茉優 from Chevon
15. 馥郁たる日々

使用機材・あとがきはこちら

#ライナーノーツ #谷絹茉優 #Chevon


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M14 大人 feat. 谷絹茉優 from Chevon|蔦谷好位置(KERENMI)