資格試験に合格する秘訣は?
習慣化できるか
あなたの「努力」を「習慣」に変えることができれば、その後の人生が大きく変わる。
つまり、努力しているという感覚がなくなるくらいに続けることができるか。その方法やコツがわかると、大きな変化が訪れる。
毎日歯みがきするのと同じくらい勉強することが自然になったら、その世界で一つ上のステージに上がることができるのは自然の摂理。
私は2018年に、SAKE DIPLOMA INTERNATIONALという、日本酒の英語の資格を取得しました。
第1回の試験だったこの年に合格できたのは、世界でわずか12名のみ。
こちらの試験は、合格率もかなり低かったことが予想されるため、その後、多くの人たちから難関資格と認識されるようになりました。
しかし私は、資格取得に向けて、特別に試験勉強の追い込みをしたという記憶は、ほとんどありません。
かといって、ほとんど勉強をせずに、大量のインプットをせずに合格するというのは、凡人の私にとっては絶対に不可能なこと。
当日、自信を持って臨めたのは、日頃から日本酒の勉強をしたり、テイスティングをしたり、ペアリングで日本酒をセレクトしたりすることを、完全に習慣化することができたから。努力という感覚ではなく、楽しいからやっているだけ。
「資格試験に合格する秘訣は?」と、私がもし聞かれたとしたら、その答えは、「苦じゃなくなるまで、楽しいと思えるまで習慣化すること」と答える。「没頭」に勝るものはない。
多くの場合、勉強は、得意と言えるレベルになるまでは、苦しみが伴いますが、人に教えられるレベルになった時点で、それは楽しみへと変わっていくもの。
つまり、苦しみは楽しみの前ぶれであることを理解した上で、とにかくコツコツと継続する。苦しい努力は永遠に続くわけでは決してありません。
そこまで継続できるかが、最大のポイントです。
準備の方法
こんなことを言ったら語弊があるかもしれないのですが、私は自分のスクールの授業の直前に、知識的な準備をほとんどしません。
するのは、全体のシュミレーションと構成を考えること。
これまで長年、習慣化してインプットしてきたことを、その日の授業のテーマとなる内容はもちろんお伝えしつつ、集まった方々がどういった方達なのか、雰囲気を見ながら、その時できる最大限のアウトプットをすることに集中する。なのでなるべく早めにその日の参加者のことを知るように努めています。
直前の勉強で、にわかに覚えたことをその場で伝えたとしても、きっとそれは自分の言葉にはなっていないし、響くことはない。だからこそ、日頃からの積み重ねの継続を、最も大切する必要がある。
資格試験に向けての勉強に関しても同じで、短期間で一気に勉強をするのではなく、なるべく早い段階から、長い期間をかけて、習慣化によって知識を身につけていくようにすることが大切なのです。
短い期間で身につけたものは、短い期間に失われ、長い期間をかけて身につけたものは、そう簡単には失われない。
「短期間で燃え尽きるより、長期間火を灯し続けることで、真の知識を得ることができる」
そう考えています。
資格がほしいのか、力を身につけたいのか。「合格」にとらわれすぎて本質を見失ってはいけない。
インプットの方法
ワインスクールの授業の二時間の間で伝えたいのは、知識だけではなく先述した「習慣化」するという考え方。授業の間だけインプットするのでは、何かを会得することは難しい。
そのためには、「そうなんだ!」という発見がある時間を作り出し、「新しいことを知ることができて楽しい」という気持ちになれることが重要になる。
私自身、ソムリエの勉強をスタートしてからの18年間で、その「習慣化すること」を修得できたからこそ、今の仕事を続けてこれたのだと思いますし、今は勉強が楽しいと、常に思えるようになりました。
むしろ仕事に関わるインプットを日頃からしていないと、とても違和感があり、落ちつかないというところまで習慣化ができ上がっています。
インプットを習慣化するための最良の方法は、とにかく「アウトプットをしている自分」を常にイメージすること。
アウトプット前提のインプット
やはりこれが最大のポイント。知識は使った時に生きると同時に、初めてそこで自分のものとなる。
最後に
一つの目標を達成したからといって、そこでやめていたら何も積み上がってはきません。
仮に私の世界で言うと、ワインやサービスに向き合うということは、終わりのない知的探究の世界を旅することであり、人との関わりを生み出し、新しい世界を教えてくれるもの。
そしてワインを学ぶことは、「努力を習慣化する力」を身につけるための要素が多く存在していて、そのための最善の方法の一つ、そう理解しています。
あなたが目指す資格も同じ。何を勉強するかに関わらず、日々どう考え向き合うのかが、理想のゴールに近づいていくための要となる。
ワインディレクター 田邉 公一
最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂