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英語学習における直訳のススメ

英語の語感を残したまま和訳しよう!

日本の学校英語教育において、幼児英語教育でない限り、和訳は避けて通れないし、非常に有用でもあります。ただ、現在行われている和訳のしかたが問題で、英語習得の阻害になっているケースが多くみられます。

英語習得の観点からは、英語を和訳するときは元の英語の語感が残るように訳するのが有用です。

悪い和訳とは?

日本の英語教育では、過去も現在も、英語を和訳するとき元の英語の語感があまり残らないように訳すことが多いです。最も単純な例では、a tragedy というフレーズの 「a」などが挙げられます。

例1: a/an

例1:a/an

日本語では、「ある悲劇だった」という言い回しはあまりしないですよね。おそらく、「1つの悲劇だった」という言い回しのほうがしっくりくるんじゃないでしょうか。

でも 「a =1つの」と理解していると、作文や会話で「a」を正しく使えないことが多くなってしまうんです。

もう一つ例を見てみましょう。

例2:more 〇〇 than ▢▢

例2: more 〇〇 than ▢▢

この英文では more experienced と than I の2つのパーツで比較を表現しています。

本来、more ~は「もっと~」という意味で、than ~ は「~より」という意味になります。

だから、この2つのパーツは直訳するとこうなります:

  • more experienced = もっと経験がある

  • than I = 私より

日本語では「私よりももっと経験がある」はちょっとくどい言い回しになってしまいますが、英語では「もっと」も「より」も両方言うのが普通というか正しい言い回しです。

直訳を通して英語の言い回しを学び身に着けていくと、ライティングとスピーキングで英文を作るのが簡単になります。

なぜ意訳がダメなのか?

もともと英語の言い回しと日本語の言い回しにはそれぞれ独特の「クセ」があり、いろいろ違う点が多いんです。

そのため、英文を直訳するとなんか変な言い回しの、英語のクセの強い違和感たっぷりの日本語になってしまい、意味の理解があやふやになりがちです。

そのため、学校の英語の授業では「意訳」することで分かりにくい英語の言い回しのクセを取り除いて、直訳の違和感を解消し、理解しやすくしています。でも、それが英語習得の障害になってしまいます。

例3:has/have

例えば「St. Petersburg has a lot of fun places.」という英文の場合、直訳すると「St. Petersburg はたくさんの楽しい場所を持っている。」という意味になります。でも、この言い回しが日本語的にしっくりこないため、日本の英語の授業では「St. Petersburg にはたくさんの楽しい場所がある。」と意訳して理解させるのが一般的です。

日本の英語の授業では、街や場所が「〇〇を持っている」という言い回しをあまり使わず、生徒たちはこの言い回しに不慣れになっています。そのため、生徒たちは英語を話す・書くときに、「街や場所が〇〇をもっている」と言おうとせず、「街や場所に〇〇がある」と言おうとしてしまいます。

その結果、「St. Petersburg にはたくさんの楽しい場所がある。」をこう訳そうとしてしまいます:

  • St. Petersburg には = in St. Petersburg

  • たくさんの楽しい場所 = a lot of fun places

  • ある = exist, are, there are 等々

結果、こういった英文になります:

  1. A lot of fun places are in St. Petersburg.

  2. A lot of fun places exist in St. Petersburg.

  3. There are lot of fun places in St. Petersburg.

また、優秀な生徒は授業で習った「超意訳」(または「英語構文」)の「You will find 〇〇 in ▢▢ → ▢▢には〇〇があります」を応用し、こんな英文を作ったりもします。

  • You will find a lot of fun places in St. Petersburg.

しかし、超意訳(英語構文)は規則性がなく、応用が利かず、そしてたくさんあります。規則性がないことをたくさん覚えるんのは結構大変です。私の高校の英語の授業ではで500もの構文が載った参考書を使用してました。

なぜ直訳がいいのか?

そもそも、英語学習において、和訳、特に英訳する場合、直訳するのはけっこう単純で簡単なんです。

直訳するのは単純で簡単。規則性があり、応用が利く。

例えば、It wasn’t until I moved to Nebraska that I realized that there were a lot of shy people in the US. という英文を作りたいとします。これは「It was not until that (して初めてした)」という英語構文の一つです。

これを直訳で理解するとこうなります。

「それは私がネブラスカに引っ越すまでではなかった。私がたくさんのシャイな人がアメリカが合衆国にいたと自覚したのは。」

欲を言えば、語順もなるだけ英文の通りに理解することが理想です。

さらに欲を言えば、時制も英文の通りに理解することが理想です。

英文の語順と時制に沿って直訳するとこうなります。

It wasn’t until I moved to Nebraska that I realized that there were a lot of shy people in the US.

「それは私が引っ越したまでではなかった、ネブラスカに、私が自覚したのはそこにはいたと、たくさんのシャイな人々が、アメリカ合衆国に。」

なんか、わかりにくい言い回しですよね。

でもそう感じるのは、英語の言い回しの語順のクセと表現のクセに慣れていないからなんです。

私はこのような言い回しに慣れているので、このヘンテコに思える文でも自然に内容を理解できますし、自然にこういう英語のクセの強い文を考え・作ることもできます。更に、これらの英語のクセの強い文を英語に直訳すればちゃんとした英文になります。

この言い回しに慣れるということが、英語を学び、習得するうえでとても重要なんです。英語の授業で学ぶ文法・構文知識の大半が、実はこれらの言い回しの語順のクセと表現のクセの知識で代用できてしまうんです。

信じれれないかもしれませんが、1つの英語構文を覚えるよりも、英文の語順で英文を直訳・理解して言い回しを覚えるほうが10倍も20倍も楽です。

この言い回しを覚えるというのは、なにも英語の例文を1000も2000も暗記するということではなく、英語の表現のクセと英文の語順のクセを覚えるということで、そのため日本語で覚えてもいいんです。

そういうわけで、ほとんどの日本人が簡単に、すぐに、英語の表現と語順のクセを覚えてしまいます。

そもそも、クセを覚えるのは文や表現を暗記するよりもはるかに簡単ですし、これらのクセには規則性があり、それほどたくさん存在するわけではないからです。

そうすると、苦労して構文や文法を覚え、駆使して英文を作るのが馬鹿らしくなってしまいます。

更に、この(日本人にとっては)へんてこな英語の言い回しを日本語で考えて、それを英語に直訳するのは、日本語独特の言い回しを英語構文を使って英文に変えるよりも、よっぽど自然な言語プロセスで、単純で簡単な作業です。構文を覚える必要もなく、単語や単純なフレーズの意味を覚えるだけでことが足ります。

私は高1の1学期この方法に切り替えたため、授業で習った英語構文を何一つ覚える必要がなくなりました。それでいて、常に英語の成績は学年で1位でした。

まとめ

簡単ではありますが、日本人が英訳・英作文を苦手とする理由と、その解決法を簡単に紹介しました。

現在の日本の学校英語の授業では、英文の語順で英文を直訳・理解する指導はほとんどされていないと思われます。そのため、「彼は同じくらい博識だ (He is as knowledgeable)、栄養について (about nutrition)」とか「彼は同じくらい博識だ (He is as knowledgeable)、栄養士たちと同じくらい (as dietitians)」という英語の言い回しを上手く英語に直訳できないことが多いです。

もっと詳しく話したい場合は連絡ください。

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