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○日本語教育・日本語教育学評論

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日本語教育と日本語教育学などで折々に感じたことを発信しています。
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#自己表現

日本語習熟論学会に参加して

facebookに3つ記事を書いたので、シェアします。 Ⅰ. 言語習熟論学会(2021年にできた新しい学会)の第1回年次大会に参加中。午前中のシンポジウム「習熟論の必要性・可能性」が終わりました。全体の感想などは「省略」して、聞きながら考えたこと。 「日本語教育に従事して知識・技能と思考力・判断力・表現力等について考えること ─ 日本語教育と国語教育における日本語の習熟を考えるために」(以下のメモのタイトルです。) 1.仮の用語の定義 (1) 言語知識・言語技能を包括

日本語を「教える」ことの70−80%は話題という「桶」に言葉遣いという「水」を溜めること

 今はほとんど見られなくなりましたが、夏の打ち水というのをご存じでしょうか。下の写真のように、夏の昼間の暑さをやわらげるために日が陰ってから家の前の道に水をまくことです。で、日本語の習得をこの打ち水に譬えたいと思います。 1.表現活動の日本語教育あるいは自己表現の日本語教育  文型・文法を中心として適宜に語彙も加えながら教えていくというやり方ではなかなか日本語が上達していかないというのは、日本語の先生の多くが共有している認識だと思います。筆者は、そうした方法の代替案として表