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【essay 26】灰色の世界に色を見つける

ハッタリストです。今日は絵画について話します。

僕は美術は全く得意ではありません。小学生の頃、教室で紙と鉛筆との闘いに挑みましたが、結果はいつも同じで、あいつらは何も生み出せず、僕は絶望的な気分に陥りました。でも、絵画とは何かという質問があると、それは人間の心を見る鏡のようなものだ、と答えるようにしています。

大学の頃、友人が冷やかしで誕生日プレゼントに本をくれました。それは美術の名作50点について解説した本でした。僕は自分自身の興味がこの本の中には微塵も存在しないと思いましたが、意外にもこの本が僕に色彩と感情の世界を開きました。

最初の作品はヴィンセント・ヴァン・ゴッホの「星月夜」でした。星々がまるで輝くダイヤモンドのように空を飾り、その下の風景は波立つ海のように揺れ動いていました。それはある種の魔法で、僕の心の深いところに触れました。

「黄金の魚」のパウル・クレーは、完全に違うアプローチを取っています。シンプルで直接的なスタイル、暗い背景に浮かぶ金色の魚、これは深淵に住む魚の孤独と静寂を表現していると感じました。そして僕は、これまで認識していなかった自分自身の一部を見つけました。

それまでの僕は絵画を「理解できないもの」、「関わらない世界」と決めつけていましたが、その後は「悪くない」と思うようになりました。言葉を超えて人の心に直接触れる絵画の力は、僕の内側の世界をもっと探求するための光たりうると感じました。

もし機会があれば自身と対話するための新たな道具を見つけてみてはいかがでしょうか。それは絵画ではないかもしれません。音楽であれ、詩であれ、パラグライダーであれ、何か響いたものが、あなたの生活を内面から豊かにしてくれると思います(きっと)。

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