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【diary 27】2023/08/19(土)

その日はお盆明けの初めての週末でした。週末はその一部を英語と中国語の会話練習に充てています。今は英語の先生3人、中国語の先生1人、いずれもネットで知り合った先生です。多いかもしれません。しかし彼らは国籍も、バックグラウンドも、日本に来た理由も、みな違います。それぞれの来歴を聞くのはもちろん、彼らの日常のできごとへの感じ方や考え方を聞き、自分と比べて、違いを見つけ、それを認める過程が面白いです。今日はその中の一人、ジャマイカ人のオルネラという人について書きたいと思います。

オルネラは、独自のカリビアンの風をその長い髪からなびかせているような魅力的な女性です。彼女のAssistant Language Teacherとしての仕事の話や、故郷、ジャマイカの話は常に心を温かくしてくれます。

彼女は、ジャマイカの首都キングストンで税務署の職員として働いていました。しかし、若くして母親を亡くしたとき、外の世界を見てみたい、見てみるなら英語が使えない世界がいい、ということで日本を選んだそうです。もう知り合って二年くらいですが、彼女の日本語は一向に上達しません。日本語は想像以上に難しかった、でもそれでも生きていける日本が好き。ニコニコしながら彼女はいいます。

この日は、人生に耐えがたい苦しみや危機が生じたとき、自殺という手段をとるどうかを話しました。僕は僕自身がその手段をとるかは分からないが、苦しみから自身を解放するための最終手段として、自殺には肯定的だ、と言いました。他方、彼女はどのようなことが起こってもその手段は取らない、ということでした。

彼女の考えの背景にある事象についてはまだ十分に理解できていません。が、彼女の話を聞いていると、ジャマイカの家族文化や仲間との絆は、日本のそれより深いように感じます。何とかなる、誰かが助けてくれる、逆に私も助ける、そんな思想が彼女の生き方から感じ取れるのです。そういえばジャマイカの音楽であるレゲエの歌詞にもそのようなものがあります。なお、自殺死亡率(年間の10万人あたりの自殺者数)は日本が17.5(2022年)に対し、ジャマイカが2.8(2020年)のようです。

彼女を含めた外国人の先生たちとの交流は、異文化を体験し、新しい視点を持つための貴重な機会です。自身の考えは持ちつつも、異なる考えの存在を知り、認め、受け入れることが大事だと思います。

それはそうと会話練習の度に出てくる新出単語です。そいつらを見ればすぐに覚えられる、そんな素敵な脳みそは高校時代を終える頃には失いました。しかし、今の平凡な脳みそでも毎回苦労して復習を続けた結果、少しずつ語彙が増えている気がします(気のせいかもしれません)。その、豆腐をわしづかみしたような手ごたえを糧に、今後も彼女らといろんな会話を重ねていければと思います。

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